18.35.2 システム構成例
Azure環境でのシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)を次の図に示します。
- 注※
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ノードローカルのディスクを使用します。
- メモ
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Azure環境でもオンプレミス環境と同様に,HAモニタありのマルチノード構成にするか,またはHAモニタなしのマルチノード構成にするかによって,前提ソフトウェアやネットワーク構成に差異があります。この差異は,Azure環境であってもオンプレミス環境であっても基本的には同じです。
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ここでは,HAモニタありのマルチノード構成についてだけシステム構成例を記載します。
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(1) 前提OSおよび前提ソフトウェア
Azure環境でHAモニタありのマルチノード構成を構築する場合,次のOSおよびソフトウェアが必要になります。
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RHEL 9
Azure環境でクラウドストレージ機能を使用する場合,上記のOSが必要になります。
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HAモニタ 01-78以降
プライマリノードおよびセカンダリノードにHAモニタをインストールしてください。ワーカーノードには,HAモニタをインストールする必要はありません。
プライマリノードとセカンダリノードにインストールするHAモニタのバージョンは同じにしてください。
(2) サーバ構成
「図18‒16 Azure環境でのシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」は,4つのノード(hadb01,hadb02,hadb03,およびhadb04)から成るマルチノード構成です。プライマリノードはhadb01,セカンダリノードはhadb02およびhadb03,ワーカーノードはhadb04です。hadb01とhadb04は可用性ゾーン1に,hadb02は可用性ゾーン2に,hadb03は可用性ゾーン3に配置しています。
Azure環境でマルチノード機能を使用する場合,各ノードの仮想マシンの性能(CPU,メモリサイズなど)は同じである必要はありません。ただし,仮想マシンの性能が異なる場合,SQL文を実行するノードによってSQL文の処理性能に差異が発生するおそれがあります。そのため,できる限り全ノードの仮想マシンの性能を同じにすることを推奨します。
- 重要
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SQLパラレル実行機能を使用する場合は,全ノードの仮想マシンのサイズを同じにしてください。
- メモ
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以降の説明は,全ノードの仮想マシンにStandard_E8s_v4を使用していることを前提としています。
(3) ネットワーク構成
HAモニタありのマルチノード構成をAzure環境で構築する場合,次に示すネットワークを使用します。各ネットワークは物理的に分けてください。
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クライアント-サーバ間ネットワーク
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ノード間ネットワーク
(a) クライアント−サーバ間ネットワーク
HADBクライアントとHADBサーバ間の通信で使用するネットワークです。
HADBクライアントは,エイリアスIPアドレスを使用してHADBサーバに接続します。そのため,マニュアルHAモニタ パブリッククラウド編の【Azure】リソースの引き継ぎを参照して,エイリアスIPアドレスを設定してください。
「図18‒16 Azure環境でのシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」での,クライアント-サーバ間ネットワークのIPアドレス,およびポート番号の設定例を次の表に示します。
項番 |
設定対象 |
IPアドレス |
ポート番号 |
---|---|---|---|
1 |
クライアントマシン |
10.196.108.111 |
設定不要 |
2 |
プライマリノード(hadb01)の仮想マシン |
10.196.108.11 |
23650 |
3 |
セカンダリノード(hadb02)の仮想マシン |
10.196.108.12 |
23650 |
4 |
セカンダリノード(hadb03)の仮想マシン |
10.196.108.13 |
23650 |
5 |
ワーカーノード(hadb04)の仮想マシン |
10.196.108.14 |
23650 |
6 |
エイリアスIPアドレス |
10.196.108.143 |
23650 |
(b) ノード間ネットワーク
HADBサーバ間の通信,およびHAモニタの監視パスとして使用するネットワークです。ネットワークを構築する際に複線にする必要がある場合は,LinuxのBonding機能を使用してください。
Bonding機能の詳細については,OSのマニュアルを参照してください。HAモニタの監視パスの設定については,マニュアルHAモニタ パブリッククラウド編の監視パスの設定を参照してください。
「図18‒16 Azure環境でのシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」での,ノード間ネットワークのIPアドレス,およびポート番号の設定例を次の表に示します。
項番 |
設定対象 |
IPアドレス |
ポート番号 |
---|---|---|---|
1 |
プライマリノード(hadb01)の仮想マシンのHADBサーバ間通信 |
172.16.0.11 |
23651 |
2 |
プライマリノード(hadb01)の仮想マシンのHAモニタの監視パス |
172.16.0.11 |
7777 |
3 |
セカンダリノード(hadb02)の仮想マシンのHADBサーバ間通信 |
172.16.0.12 |
23651 |
4 |
セカンダリノード(hadb02)の仮想マシンのHAモニタの監視パス |
172.16.0.12 |
7777 |
5 |
セカンダリノード(hadb03)の仮想マシンのHADBサーバ間通信 |
172.16.0.13 |
23651 |
6 |
セカンダリノード(hadb03)の仮想マシンのHAモニタの監視パス |
172.16.0.13 |
7777 |
7 |
ワーカーノード(hadb04)※の仮想マシンのHADBサーバ間通信 |
172.16.0.14 |
23651 |
- 注※
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ワーカーノードはHAモニタの管理対象外のため,HAモニタの監視パスの設定は不要です。
通常は,HADBサーバ間の通信で使用するネットワークと,HAモニタの監視パスとして使用するネットワークを分けます。ただし,この場合,HAモニタは,HADBサーバ間の通信で使用するネットワークの障害を検知することができません。HADBサーバ間の通信で使用するネットワークと,HAモニタの監視パスとして使用するネットワークを同じにすると,ネットワーク障害をHAモニタが検知することができます。そのため,ここで説明しているとおりにノード間ネットワークを構成することを推奨します。
(4) ストレージ構成
Azure環境でマルチノード機能を使用する場合,次のファイルシステム,ディスク,およびコンテナーを準備します。
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ノードローカルのファイルシステム
「図18‒16 Azure環境でのシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」の場合,LOC001~LOC004およびCCH001~CCH004が該当します。
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ノード切り替え対象のファイルシステム
「図18‒16 Azure環境でのシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」の場合,FS001が該当します。
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ノードローカルのディスク(作業表用DBエリアファイル用)
「図18‒16 Azure環境でのシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」の場合,WRK001~WRK004が該当します。
-
コンテナー(作業表用DBエリアを除くDBエリア用)
「図18‒16 Azure環境でのシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」の場合,CNT001が該当します。
「図18‒16 Azure環境でのシステム構成例(HAモニタありのマルチノード構成)」の場合,次の表に示すファイルシステム,ディスク,およびコンテナーを用意します。
格納先 |
名称 |
対象となるノード |
用途 |
---|---|---|---|
マネージドディスク(Premium SSD) |
LOC001 |
プライマリノード(hadb01) |
ノードローカルのファイルシステム |
LOC002 |
セカンダリノード(hadb02) |
||
LOC003 |
セカンダリノード(hadb03) |
||
LOC004 |
ワーカーノード(hadb04) |
||
FS001 |
プライマリノード(hadb01) |
ノード切り替え対象のファイルシステム(可用性ゾーン間で共有) |
|
セカンダリノード(hadb02) |
|||
セカンダリノード(hadb03) |
|||
マネージドディスク(Premium SSD v2) |
CCH001 |
プライマリノード(hadb01) |
ノードローカルのファイルシステム(キャッシュファイル用) |
CCH002 |
セカンダリノード(hadb02) |
||
CCH003 |
セカンダリノード(hadb03) |
||
CCH004 |
ワーカーノード(hadb04) |
||
WRK001 |
プライマリノード(hadb01) |
ノードローカルのディスク(作業表用DBエリア用) |
|
WRK002 |
セカンダリノード(hadb02) |
||
WRK003 |
セカンダリノード(hadb03) |
||
WRK004 |
ワーカーノード(hadb04) |
||
Azure Blob Storage |
CNT001 |
全ノード |
コンテナー(作業表用DBエリアを除くDBエリア用) |
Azure Files(NFS) |
- |
- |
分散ファイルシステム |
- (凡例)
-
-:該当しません。
(a) マネージドディスク(Premium SSD)の使い方
マネージドディスク(Premium SSD)は,次のファイルシステムとして使用します。
-
ノードローカルのファイルシステム
各仮想マシンのOS用の領域(ルートボリューム)として使用するマネージドディスク(Premium SSD)上のファイルシステム(/home下など)に,次のディレクトリを配置します。
-
サーバディレクトリ
-
DBディレクトリ
-
監査証跡の出力先ディレクトリ(監査証跡機能を使用する場合に必要)
-
統一フォーマット用監査証跡の出力先ディレクトリ(監査証跡機能を使用する場合に必要)
-
-
ノード切り替え対象のファイルシステム
次のノード切り替え対象のファイルシステムを,プライマリノードおよびセカンダリノードから参照できるように,可用性ゾーン間で共有したマネージドディスク(Premium SSD)上に作成してください。可用性ゾーン間で共有するには,冗長性オプションにゾーン冗長ストレージ(ZRS)を選択してください。
-
システムディレクトリ用のファイルシステム
ノード切り替え対象のファイルシステムを作成する際は,マニュアルHAモニタ パブリッククラウド編のマネージドディスクの共有を参照してください。
- メモ
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ここでは,ノード切り替え対象のファイルシステムFS001のVG名称はvg_hadb,LV名称はhadb_sysとします。
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(b) マネージドディスク(Premium SSD v2)の使い方
マネージドディスク(Premium SSD v2)は,次のファイルシステムおよびディスクとして使用します。
-
ノードローカルのファイルシステム(キャッシュファイル用)
キャッシュファイルの格納先とするファイルシステムを,マネージドディスク(Premium SSD v2)上に仮想マシンごとに作成してください。
ここでは,このファイルシステムのマウントポイントを/HADB/ADBCCHとします。
- 重要
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このファイルシステムは,キャッシュファイルの格納先ディレクトリを配置する以外の用途には使用しないでください。
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ノードローカルのディスク(作業表用DBエリア用)
作業表用DBエリアとして使用するマネージドディスク(Premium SSD v2)を各仮想マシンに用意してください。
- メモ
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ノードローカルのディスクWRK001~WRK004に対応するブロックスペシャルファイル名は,「18.2.4 ストレージ構成」の「(3) DBエリアファイル用のディスク」に記載されているブロックスペシャルファイル名と同じです。
(c) Azure Blob Storageの使い方
次のDBエリアのデータを格納するBLOBの格納先となるコンテナーを用意します。
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データ用DBエリア
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マスタディレクトリ用DBエリア
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ディクショナリ用DBエリア
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システム表用DBエリア
(d) Azure Files(NFS)の使い方
Azure Files(NFS)には,次のディレクトリを配置します。
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監査証跡の保存先ディレクトリ(監査証跡機能を使用する場合に必要)
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ADB_CSVREAD関数を使用してアクセスするCSVファイルを格納するディレクトリ(ADB_CSVREAD関数を使用した検索をする場合に必要)
- 重要
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全ノードで,同じパスのディレクトリにマウントしてください。