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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


18.34.5 データベースのバックアップ(AWS環境の場合)

ここでは,AWS環境でのバックアップの取得方法,およびバックアップを使用したデータベースの回復方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) バックアップの取得方法

データベースのバックアップを取得する手順を説明します。

メモ

バックアップを取得する前に,「10.3.1 バックアップの取得方法」の「(1) バックアップを取得するタイミング」を参照して,バックアップ取得時の留意事項を確認してください。

手順

  1. HADBサーバの稼働モードを静止モードに変更する

    次のコマンドをプライマリノードで実行してください。

    adbchgsrvmode --quiescence

    プライマリノードのHADBサーバの稼働モードが静止モードに変更されます。

  2. バックアップを取得する

    <クラウドストレージ機能を使用している場合>

    22.1.1 バックアップの取得方法とデータベースの回復方法(AWS環境の場合)」の(1) バックアップの取得方法(AWS環境の場合)」の2.の方法でバックアップを取得してください。

    重要

    マルチノード機能を使用している場合,次のバックアップ対象ファイルはEBSではなくEFSに格納されています。そのため,次のファイルのバックアップの取得方法は,上記の参照先に記載されている方法と異なります。

    • コマンド用ステータスファイル

    • システムログファイル

    • ステータスファイル

    上記のファイルのバックアップを取得する際は,上記のファイルのコピーを取得してください。ファイルをコピーする場合は,スパースファイルにしないでください。

    <クラウドストレージ機能を使用していない場合>

    次の表に示すファイルのバックアップを取得してください。

    表18‒20 バックアップ対象ファイル

    バックアップ対象ファイルの種類

    バックアップ対象ファイル

    バックアップ対象ファイルの格納ディレクトリ

    ファイル

    コマンド用ステータスファイル

    $DBDIR/ADBSYS/ADBUTL

    システムログファイル

    $DBDIR/ADBSYS/ADBSLG

    ステータスファイル

    $DBDIR/ADBSYS/ADBSTS

    アーカイブファイル

    アーカイブディレクトリ

    チャンクアーカイブ機能を使用している場合にバックアップを取得してください。

    同義語辞書ファイル

    同義語辞書ファイルの格納ディレクトリ

    同義語検索を行っている場合にバックアップを取得してください。

    ブロックスペシャルファイル

    マスタディレクトリ用DBエリアファイル

    $DBDIR/ADBMST

    ディクショナリ用DBエリアファイル

    $DBDIR/ADBDIC

    システム表用DBエリアファイル

    $DBDIR/ADBSTBL

    データ用DBエリアファイル

    $DBDIRに格納されているデータ用DBエリアファイル

    次のどちらかの方法でバックアップを取得します。

    • バックアップ対象ファイルが格納されているすべてのEBSのEBSスナップショットを取得する

      EBSスナップショットを取得する方法については,AWSのドキュメントのAmazon EBSスナップショットを参照してください。

    • バックアップ対象ファイルをコピーする

      ファイルをコピーする場合は,スパースファイルにしないでください。

    重要

    バックアップ対象ファイルの格納ディレクトリ下にあるファイルがシンボリックリンクの場合,リンク先のファイルまたはブロックスペシャルファイルのバックアップを取得してください。

  3. HADBサーバの稼働モードを元に戻す

    次のコマンドをプライマリノードで実行してください。

    adbchgsrvmode --normal

    1.で変更した稼働モードを元に戻します。上記は,稼働モードを通常モードに戻す場合の例です。

(2) バックアップからの回復

バックアップからデータベースを回復します。

手順

  1. マルチノード構成のHADBサーバを正常終了する

    正常終了方法については,「18.5.2 マルチノード構成のHADBサーバの終了方法」を参照してください。

  2. バックアップを使用してデータベースを回復する

    <クラウドストレージ機能を使用している場合>

    22.1.1 バックアップの取得方法とデータベースの回復方法(AWS環境の場合)」の「(2) データベースの回復方法(AWS環境の場合)」の2.の方法でデータベースを回復してください。

    重要

    マルチノード機能を使用している場合,次のファイルはEBSではなくEFSに格納されています。そのため,バックアップからファイルを回復する方法は,上記の参照先に記載されている方法と異なります。

    • コマンド用ステータスファイル

    • システムログファイル

    • ステータスファイル

    バックアップから上記のファイルを回復する場合は,バックアップの取得時にコピーしておいたファイルを元の位置に戻してください。

    <クラウドストレージ機能を使用していない場合>
    • EBSスナップショットでバックアップを取得している場合

      EBSスナップショットを使用してEBSを復元してください。復元方法については,AWSのドキュメントのスナップショットからのAmazon EBSボリュームの復元およびAmazon EBSボリュームの初期化を参照してください。

    • バックアップ対象ファイルをコピーしている場合

      コピーしたファイルを元の位置に戻してください。

  3. udevルールファイルを変更する

    EBSスナップショットを使用してEBSを復元した場合,全ノードのudevルールファイルに指定したEBSスナップショットの作成元のディスクを,復元したEBSのディスクに変更してください。

    この操作は,OSのスーパユーザで実行してください。

    クラウドストレージ機能を使用している場合は,この操作は不要です。

  4. 全ノードのOSを再起動する

    変更したudevルールを反映させるために,全ノードのOSを再起動してください。

    この操作は,OSのスーパユーザで実行してください。

    クラウドストレージ機能を使用している場合は,この操作は不要です。

  5. マルチノード構成のHADBサーバを正常開始する

    正常開始方法については,「18.5.1 マルチノード構成のHADBサーバの開始方法」を参照してください。

  6. HADBサーバの稼働モードを変更する

    HADBサーバの稼働モードを静止モードにした状態でバックアップを取得した場合,データベースを回復したあとにマルチノード構成のHADBサーバを開始すると,プライマリノードのHADBサーバの稼働モードは静止モードになります。この場合,必要に応じてプライマリノードでadbchgsrvmodeコマンドを実行し,HADBサーバの稼働モードを通常モードに変更してください。

    adbchgsrvmode --normal

    上記は,稼働モードを通常モードに戻す場合の例です。