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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


18.19.1 マルチノード構成のHADBサーバの開始または終了に関するトラブル

マルチノード構成のHADBサーバの開始または終了に関するトラブルが発生したときの対処方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) マルチノード構成のHADBサーバを正常開始できない場合

出力されたメッセージの対処方法に従って原因を特定してください。そのあとに,マルチノード構成のHADBサーバを正常開始してください。

原因がすぐに特定できないときの対処方法(HAモニタありのマルチノード構成の場合)

原因がすぐに特定できない場合は,障害が発生したプライマリノードまたはセカンダリノードをマルチノード構成から除外してから,マルチノード構成のHADBサーバを正常開始してください。障害が発生したプライマリノードまたはセカンダリノードをマルチノード構成から除外するには,全ノードのHADBサーバのサーバ定義adb_sys_multi_node_infoオペランドから,障害が発生したプライマリノードまたはセカンダリノードの指定を削除します。

なお,障害が発生していないノード(プライマリノードおよびセカンダリノード)が1台だけの場合は,そのノードのHADBサーバのサーバ定義adb_sys_multi_node_infoオペランドをコメントにしてください。そして,マルチノード機能を使用しないシステムとしてHADBサーバを開始してください。このとき,システムディレクトリが$DBDIR/ADBSYSにマウントされていることを確認してください。マウントされていない場合は,OSのmountコマンドを実行して,システムディレクトリを$DBDIR/ADBSYSにマウントしてください。

メモ

オペランドの指定行の先頭にシャープ(#)を記述すると,その行全体の指定がコメントになります。

また,障害が発生したノードがプライマリノードの場合は,次のどちらかの方法でプライマリノードを変更してください。

  • HAモニタの設定を変更してプライマリノードを変更する

  • マルチノード構成のHADBサーバの開始時に,monactコマンドを実行してセカンダリノードの1つをプライマリノードに変更する

代替マシンがある場合は,代替マシンの環境を,障害が発生したノードのマシンとまったく同じ環境に設定したあとに,マルチノード構成のHADBサーバを正常開始してください。

原因がすぐに特定できないときの対処法法(HAモニタなしのマルチノード構成の場合)

原因がすぐに特定できない場合は,代替マシンを用意し,代替マシンの環境を障害が発生したプライマリノードのマシンとまったく同じ環境に設定してください。そのあとに,マルチノード構成のHADBサーバを正常開始してください。

KFAA41205-Eメッセージが出力された場合

次に示す内容のKFAA41205-Eメッセージが出力された場合,DBエリアファイルのオープンに失敗しています。

  • ファイル名にDBエリアファイルへのシンボリックリンク名が表示されている

  • エラーとなったシステムコール名にopenが表示されている

  • エラー番号にENOENTが表示されている

セカンダリノードの新規追加前や,ワーカーノードの停止中にデータ用DBエリアを追加または拡張したため,このメッセージが出力されたノードのDBディレクトリが古い状態(データ用DBエリアを追加または拡張する前の状態)である可能性があります。

マルチノード構成のHADBサーバの開始時にこのメッセージが出力された場合は,このメッセージが出力されたセカンダリノードでadbinitコマンドを実行してDBディレクトリを再作成してください。そのあとに,マルチノード構成のHADBサーバを正常開始してください。

マルチノード構成へのワーカーノードの追加時にこのメッセージが出力された場合は,このメッセージが出力されたワーカーノードでadbinitコマンドを実行してDBディレクトリを再作成してください。そのあとに,adbstartコマンドでワーカーノードのHADBサーバを開始し,ワーカーノードをマルチノード構成に追加してください。

注※

DBディレクトリを再作成する際,ほかのノードで使用した初期設定オプションをそのまま使用できないことがあります。データ用DBエリアの追加または拡張をしている場合,その変更内容を初期設定オプションの指定に反映する必要があります。反映方法については,「18.20.2 セカンダリノードの新規追加時にadbinitコマンドを実行する際の留意事項」を参照してください。ワーカーノードのDBディレクトリを再作成する場合は,セカンダリノードをワーカーノードに読み替えてください。

(2) マルチノード構成のHADBサーバを再開始できない場合

出力されたメッセージの対処方法に従って原因を特定してください。そのあとに,マルチノード構成のHADBサーバを再開始してください。

原因がすぐに特定できないときの対処方法(HAモニタありのマルチノード構成の場合)

原因がすぐに特定できない場合は,障害が発生したプライマリノードまたはセカンダリノードをマルチノード構成から除外してから,マルチノード構成のHADBサーバを再開始してください。障害が発生したプライマリノードまたはセカンダリノードをマルチノード構成から除外するには,全ノードのHADBサーバのサーバ定義adb_sys_multi_node_infoオペランドから,障害が発生したプライマリノードまたはセカンダリノードの指定を削除します。

また,障害が発生したノードがプライマリノードの場合は,次のどちらかの方法でプライマリノードを変更してください。

  • HAモニタの設定を変更してプライマリノードを変更する

  • マルチノード構成のHADBサーバの開始時に,monactコマンドを実行してセカンダリノードの1つをプライマリノードに変更する

原因がすぐに特定できないときの対処法法(HAモニタなしのマルチノード構成の場合)

原因がすぐに特定できない場合は,代替マシンを用意し,代替マシンの環境を障害が発生したプライマリノードのマシンとまったく同じ環境に設定してください。そのあとに,マルチノード構成のHADBサーバを正常開始してください。

KFAA41205-Eメッセージが出力された場合

KFAA41205-Eメッセージが出力された場合の対処方法については,「(1) マルチノード構成のHADBサーバを正常開始できない場合」の「KFAA41205-Eメッセージが出力された場合」を参照してください。

(3) マルチノード構成のHADBサーバを終了できない場合

APまたはコマンドがHADBサーバに接続中の場合は,マルチノード構成のHADBサーバを終了できません。APまたはコマンドの処理が終わるのを待ってください。早急に終了する必要がある場合は,マルチノード構成のHADBサーバを強制終了してください。マルチノード構成のHADBサーバを強制終了する方法については,「18.5.2 マルチノード構成のHADBサーバの終了方法」の「(1) マルチノード構成のHADBサーバの終了手順」の「(b) マルチノード構成のHADBサーバを強制終了させる場合」を参照してください。

HADBサーバに接続中のAPまたはコマンドがないのに,HAモニタありのマルチノード構成のHADBサーバを終了できない場合は,次の手順で終了してください。

手順(HAモニタありのマルチノード構成の場合)

  1. プライマリノードadbstop --forceコマンドを実行する

    プライマリノードのHADBサーバが強制終了すると,プライマリノードの切り替えが発生します。

  2. マルチノード構成のHADBサーバを正常終了する

    マルチノード構成のHADBサーバを正常終了する方法については,「18.5.2 マルチノード構成のHADBサーバの終了方法」の「(1) マルチノード構成のHADBサーバの終了手順」の「(a) マルチノード構成のHADBサーバを正常終了させる場合」を参照してください。

上記の方法でも,HAモニタありのマルチノード構成のHADBサーバが終了できない場合は,すべてのノードでadbstop --forceコマンドを実行し,マルチノード構成のHADBサーバを強制終了してください。