7.2.19 キャッシュグループに関するオペランドおよびオプション(コマンド形式)
- [76] adbcachegrp
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クラウドストレージ機能でキャッシュグループを定義する場合にこのオペランドを指定します。キャッシュグループについては,「2.21 クラウド環境でHADBサーバを使用する場合」を参照してください。
- 重要
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adb_sys_cld_cache_total_sizeオペランドを指定する場合,adbcachegrpオペランドは指定できません。
adbcachegrpオペランドの指定例を次に示します。
adbcachegrp -g cachegrp01 -n DBAREA11,DBAREA12,DBAREA13 -s 5000 ...1 adbcachegrp -g cachegrp02 -n DBAREA21,DBAREA22 -s 3000 ...2 adbcachegrp -g cachegrp03 -n DBAREA31 -s 1000 ...3 adbcachegrp -o -s 1000 ...4
[説明]
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キャッシュグループ(キャッシュグループ名:cachegrp01)を定義します。このキャッシュグループには,データ用DBエリア(DBAREA11,DBAREA12,およびDBAREA13)のデータを格納したキャッシュファイルだけが格納されます。このキャッシュグループに格納できるキャッシュファイルの容量の上限は5,000ギガバイトになります。
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キャッシュグループ(キャッシュグループ名:cachegrp02)を定義します。このキャッシュグループには,データ用DBエリア(DBAREA21およびDBAREA22)のデータを格納したキャッシュファイルだけが格納されます。このキャッシュグループに格納できるキャッシュファイルの容量の上限は3,000ギガバイトになります。
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キャッシュグループ(キャッシュグループ名:cachegrp03)を定義します。このキャッシュグループには,データ用DBエリア(DBAREA31)のデータを格納したキャッシュファイルだけが格納されます。このキャッシュグループに格納できるキャッシュファイルの容量の上限は1,000ギガバイトになります。
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既定のキャッシュグループを定義します。上記の1.~3.に指定したデータ用DBエリア以外のデータ用DBエリアのデータを格納したキャッシュファイルが格納されます。既定のキャッシュグループに格納できるキャッシュファイルの容量の上限は1,000ギガバイトになります。
次に各オプションの説明をします。
- -g キャッシュグループ名
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~〈文字列〉((1~30バイト))
キャッシュグループ名を指定します。-gオプションを指定したadbcachegrpオペランドは最大1,014個指定できます。
キャッシュグループ名の名称規則を次に示します。
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指定できる文字は,半角数字,半角英大文字,半角英小文字,半角カタカナ文字,半角空白,半角下線(_),半角ハイフン(-),#,@,およびバックスラッシュ(\)になります。また,全角文字も指定できます。ただし,全角空白は指定できません。
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半角文字と全角文字を混在させて指定できます。
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半角英大文字および半角英小文字は,常に区別して扱われます。
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キャッシュグループ名の先頭の文字には,半角英大文字,半角英小文字,半角カタカナ文字,@,バックスラッシュ(\),または全角文字のどれかを指定してください。
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キャッシュグループ名の最後の文字に,半角空白は指定できません。
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半角空白を含む場合は,次のどちらかの方法で指定してください。
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"(二重引用符)で囲む
adbcachegrp -g "Sample Group" -n DBAREA01 -s 64
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\"(バックスラッシュと二重引用符)で囲み,さらに"(二重引用符)で囲む
adbcachegrp -g "\"Sample Group\"" -n DBAREA01 -s 64
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- -n データ用DBエリア名〔,データ用DBエリア名〕…
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~〈文字列〉((1~30バイト))
-gオプションで指定したキャッシュグループに割り当てるデータ用DBエリアを指定します。
指定規則を次に示します。
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全adbcachegrpオペランドの-nオプションに指定できるデータ用DBエリア名の合計数は,最大1,014個になります。
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存在しないデータ用DBエリアは指定できません。
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データ用DBエリア名を重複して指定できません。全adbcachegrpオペランドで重複できません。
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マスタディレクトリ用DBエリア(ADBMST),ディクショナリ用DBエリア(ADBDIC),およびシステム表用DBエリア(ADBSTBL)は指定不要です。これらのDBエリアは自動的に既定のキャッシュグループに割り当てられます。
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- -o
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既定のキャッシュグループを定義します。
- 重要
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-oオプションを指定したadbcachegrpオペランドを必ず1つ指定してください。
- -s キャッシュグループの容量の上限
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~〈整数〉((1~1,000,000))(単位:ギガバイト)
キャッシュグループに作成できるキャッシュファイルの総容量の上限を指定します。
このオプションに指定する値は,-nオプションに指定したデータ用DBエリアの格納データ量の合計の10%を目安としてください。
このオペランドの指定値を基にして,HADBサーバの開始時にHADBサーバがキャッシュグループの容量の上限値を決定します。HADBサーバが決定したキャッシュグループの容量の上限値を超えた場合,最後にアクセスした時間がいちばん古いキャッシュファイルを削除したあとに新しいキャッシュファイルを作成することで,キャッシュグループの容量の上限を超えないようにします。
adbls -d cfmコマンドを実行すると,HADBサーバが決定したキャッシュグループの容量の上限値(INTERNAL_TOTAL_LIMIT(MB))を確認できます。
- メモ
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キャッシュファイルの作成時にストレージの容量不足を検知した場合,警告メッセージKFAA51285-Wが出力され,HADBサーバが決定したキャッシュグループの容量の上限値を一時的に利用可能な容量まで引き下げます。一度引き下げられた上限値は,HADBサーバの稼働中には元に戻せません。元に戻す場合は,HADBサーバを再起動してください。
- ■-sオプションの指定値のチューニング方法
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SQL文の統計情報を確認し,キャッシュファイルのヒット率を計算してください。ヒット率が低いキャッシュグループは,-sオプションの指定値を大きくすると,ヒット率が向上することがあります。
キャッシュファイルのヒット率(%)={(A+B)÷(C+D)}×100
A:Cld_cache_sgmt_read_hit_cntの値
B:Cld_cache_dir_read_hit_cntの値
C:Cld_cache_sgmt_read_cntの値
D:Cld_cache_dir_read_cntの値
上記は,SQL文の統計情報に出力される項目です。上記の出力項目については,マニュアルHADB コマンドリファレンスのSQL文の統計情報で出力される項目を参照してください。
各キャッシュグループで割り当てているデータ用DBエリアだけをアクセス対象とするSQL文を計算対象にしてください。