6.24.3 クライアントグループ機能で使用される接続数と処理リアルスレッド数の関係
ここでは,クライアントグループ機能を適用した場合に使用される接続数と処理リアルスレッド数の関係について,設定例を基に説明します。
(1) 設定例1(使用できる接続数と処理リアルスレッド数の上限を設定する)
ここでは,クライアントグループ機能を適用して,グループの最大同時接続数と,グループで使用できる処理リアルスレッドの最大数を設定する例について,説明します。
グループの最大同時接続数と,グループで使用できる処理リアルスレッドの最大数を設定することで,特定のグループだけが,接続数や処理リアルスレッド数を占有することを防げます。
- [説明]
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各グループに設定した最大同時接続数に従って,対象のグループは接続数を使用します。最大同時接続数を超えて,接続数を使用できません。そのため,1つのグループが,接続数すべてを占有することを防げます。処理リアルスレッド数についても同様です。
この例の場合,クライアントグループ「client01」は,グループの最大同時接続数(15),およびグループで使用できる処理リアルスレッドの最大数(30)が使用できる上限となります(「client01」が,すべての接続数と処理リアルスレッド数を占有しません)。
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この例のように,各グループに設定した最大同時接続数の範囲が重なっている場合,重なっている範囲の接続数については,ほかのグループが接続数を使用していない分だけ使用できます。仮に,クライアントグループ「client01」が接続数(13)を使用している場合,クライアントグループ「client02」は接続数(7)を使用できます。
各グループに設定した,使用できる処理リアルスレッドの最大数の範囲が重なっている場合についても,同様です。
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この例では,各クライアントグループに接続保証数を設定していません(接続保証数(0)を指定しています)。そのため,クライアントグループ「client01」および「client02」が接続数を使用していない場合は,無所属のHADBクライアントやコマンドが,接続数を使用できます。無所属のHADBクライアントやコマンドが接続数を使用していると,各グループは,それぞれの最大同時接続数の上限値まで使用できないことがあります。処理リアルスレッド数についても同様です。
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この例で設定したクライアントグループの指定例を,次に示します。
- ■サーバ定義adbcltgrpオペランドの指定例
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adbcltgrp -g client01 -m 15 -u 0 -r 30 -e 0 adbcltgrp -g client02 -m 10 -u 0 -r 10 -e 0
- ■クライアント定義adb_clt_group_nameオペランドの指定例(クライアントグループ「client01」に所属させる場合)
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adb_clt_group_name = client01
- ■クライアント定義adb_clt_group_nameオペランドの指定例(クライアントグループ「client02」に所属させる場合)
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adb_clt_group_name = client02
- メモ
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サーバ定義adbcltgrpオペランドについては,「7.2.18 クライアントグループ機能に関するオペランドおよびオプション(コマンド形式)」のadbcltgrp(クライアントグループを設定する場合),またはadbcltgrp(コマンドグループを設定する場合)を参照してください。
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クライアント定義adb_clt_group_nameオペランドについては,マニュアルHADB AP開発ガイドのシステム構成に関するオペランドを参照してください。
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(2) 設定例2(最低限使用できる接続数と処理リアルスレッド数を設定する)
ここでは,クライアントグループ機能を適用して,グループの最大同時接続数,接続保証数,グループで使用できる処理リアルスレッドの最大数,および使用できる処理リアルスレッドの保証数を設定する例について,説明します。
グループの最大同時接続数と,グループで使用できる処理リアルスレッドの最大数を設定することで,特定のグループだけが,接続数や処理リアルスレッド数を占有することを防げます。また,グループの接続保証数と,グループで使用できる処理リアルスレッドの保証数を設定することで,自グループ以外のHADBクライアントの影響を受けなくなります。
- [説明]
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コマンドグループ「command」は,設定した最大同時接続数と接続保証数に従って,常に1つの接続数を確保します。そのため,「command」以外のHADBクライアントの影響を受けません。クライアントグループ「client01」は,設定した最大同時接続数に従って,接続数を使用します。
また,「command」は,設定した処理リアルスレッドの保証数に従って,常に5個の処理リアルスレッド数を確保します。さらに,「command」には,処理リアルスレッドの最大数に10を指定しています。そのため,「client01」が使用していない処理リアルスレッドがあれば,追加で5個使用できます。
なお,「command」および「client01」が接続数や処理リアルスレッド数を使用していない場合は,無所属のHADBクライアントは,接続数を最大9個,処理リアルスレッド数を最大35個まで使用できます。
この例で設定したクライアントグループとコマンドグループの指定例を,次に示します。
- ■サーバ定義adbcltgrpオペランドの指定例
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adbcltgrp -g client01 -m 9 -u 0 -r 35 -e 0 adbcltgrp -g command -m 1 -u 1 -r 10 -e 5
- ■クライアント定義adb_clt_group_nameオペランドの指定例(クライアントグループ「client01」に所属させる場合)
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adb_clt_group_name = client01
- ■クライアント定義adb_clt_group_nameオペランドの指定例(コマンドグループ「command」に所属させる場合)
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adb_clt_group_name = command
- メモ
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サーバ定義adbcltgrpオペランドについては,「7.2.18 クライアントグループ機能に関するオペランドおよびオプション(コマンド形式)」のadbcltgrp(クライアントグループを設定する場合),またはadbcltgrp(コマンドグループを設定する場合)を参照してください。
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クライアント定義adb_clt_group_nameオペランドについては,マニュアルHADB AP開発ガイドのシステム構成に関するオペランドを参照してください。
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