Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


6.24.1 グループの接続数を設定する際の考慮点

クライアントグループ機能を適用すると,HADBクライアントおよびコマンドが使用できる接続数を,グループごとに設定できます。クライアントグループ機能で設定できる接続数の種別を,次に示します。

クライアントグループ機能の最大同時接続数および接続保証数については,「2.12.3 グループごとの接続数・処理リアルスレッド数の設定」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) グループの最大同時接続数および接続保証数を設定する際の考慮点

クライアントグループ機能を適用して,グループの最大同時接続数および接続保証数を設定する際には,次に示す点を考慮する必要があります。

クライアントグループ機能を適用した場合の,接続数の使用範囲の概要について,次の図に示します。

図6‒7 クライアントグループ機能を適用した場合の,接続数の使用範囲の概要

[図データ]

(2) クライアントグループ機能を適用した場合の接続数の求め方

クライアントグループ機能を適用した場合の接続数の求め方について,説明します。

■グループの最大同時接続数と接続保証数の求め方

グループの最大同時接続数および接続保証数は,サーバ定義adbcltgrpオペランドの指定値およびサーバ定義adb_sys_max_usersオペランドの指定値に従って決まります。グループの最大同時接続数および接続保証数に設定した範囲で,グループに所属しているHADBクライアントとコマンドは接続数を使用できます。グループの最大同時接続数および接続保証数について,次の表に示します。

表6‒29 グループの最大同時接続数と接続保証数

項番

接続数の種別

各種別の値

1

最大同時接続数

次の計算式で求めた値になります。

[図データ]

2

接続保証数

次の値になります。

所属しているグループを設定したサーバ定義adbcltgrpオペランドの-uオプションの指定値

■接続数の自由利用枠の求め方

接続数の自由利用枠は,グループに所属しているかどうかに関係なく,すべてのHADBクライアントやコマンドが使用できる接続数です。接続数の自由利用枠は,次の計算式で求められます。

計算式

[図データ]

(3) クライアントグループ機能を適用した場合の接続数の関係

クライアントグループ機能を適用した場合に,「(2) クライアントグループ機能を適用した場合の接続数の求め方」で示した接続数の種別の値が,それぞれどのように関係しているかについて,次の図に示します。

図6‒8 クライアントグループ機能を適用した場合の接続数の関係

[図データ]

[説明]
  • HADBサーバの最大同時接続数(60)から,クライアントグループの接続保証数(10)とコマンドグループの接続保証数(5)が確保されます。そのため,接続保証数で確保されていない残りの接続数が,接続数の自由利用枠(45)となります。接続数の自由利用枠は,グループに所属しているかどうかに関係なく,すべてのHADBクライアントとコマンドが使用できる接続数になります。

  • 接続数の自由利用枠(45)の中で,各グループは,自グループの最大同時接続数から接続保証数を除いた数を上限として,接続数を使用できます。この例の場合,クライアントグループは,自グループの最大同時接続数(30)から接続保証数(10)を除いた数(20)を上限として,接続数の自由利用枠を使用できます。また,コマンドグループは,自グループの最大同時接続数(20)から接続保証数(5)を除いた数(15)を上限として,接続数の自由利用枠を使用できます。

メモ

グループの最大同時接続数の合計値によっては,接続数の自由利用枠の一部が「無所属のHADBクライアントやコマンドだけが使用できる接続数」になることがあります。「図6‒8 クライアントグループ機能を適用した場合の接続数の関係」の設定内容を基に,無所属のHADBクライアントやコマンドだけが使用できる接続数と,グループの最大同時接続数の合計値との関係性について,次の図に示します。

図6‒9 無所属のHADBクライアントやコマンドだけが使用できる接続数と,グループの最大同時接続数の合計値との関係性

[図データ]

[説明]

グループに設定した最大同時接続数の合計値が,HADBサーバの最大同時接続数より少ない場合,グループが常に使用しない接続数が発生します。この接続数が,「無所属のHADBクライアントやコマンドだけが使用できる接続数」になります。

この例では,各グループの最大同時接続数の合計値(50)が,HADBサーバの最大同時接続数(60)より少ないため,グループが常に使用しない接続数(10)が発生します。この接続数(10)は,無所属のHADBクライアントやコマンドだけが使用できます。

(4) 最大同時接続数に関する警告メッセージの出力契機の設定

サーバ定義のadbcltgrpオペランドで-wオプションを指定すると,グループが使用できる最大同時接続数の残り枠が少なくなったときに,警告メッセージKFAA40020-Wを出力できます。adbcltgrpオペランドについては,「7.2.18 クライアントグループ機能に関するオペランドおよびオプション(コマンド形式)」のadbcltgrpオペランドを参照してください。