6.1.2 LVM設定時の考慮点
ここでは,LVMを設定する際の考慮点について説明します。LVMの設定方法については,OSのマニュアルを参照してください。
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「8.2.1 HADBサーバのインストール前に実施する作業」でOSに設定するHADB管理者が,ロジカルボリューム(LV)にアクセスできるように,アクセス権限を与えてください。
なお,LVMで作成したロジカルボリュームの場合,OSを再起動するたびにアクセス権限情報が初期化されることがあります。そのため,OSを再起動した場合は,アクセス権限が初期化されていないかどうかを確認してください。
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処理性能を向上させるためには,ストライピングに使用するディスク数をできるだけ増やしてください。ディスク数が多いほど,データの格納先が分散されて,1つのディスクに対するI/Oを減らすことができ,その分処理性能が向上します。
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1つのDBエリアを複数のロジカルボリューム(DBエリアファイル)で構成すると,ロジカルボリュームへのアクセスが分散されるため,処理性能がより向上します。1つのDBエリアを構成するロジカルボリュームの個数の目安は,HADBサーバをインストールしたマシンのCPUのコア数の20%〜40%となります。例えば,マシンのCPUのコア数が40個である場合,1つのDBエリアは8個〜16個のロジカルボリュームで構成してください。
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LVMで設定するストライプサイズは,4,096キロバイトを設定することを推奨します。ほかの値を設定する場合は,DBエリアのページサイズ以上,16,384キロバイト以下で,かつDBエリアのページサイズの整数倍となるような値を設定してください。
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ストレージの機能によってデータの格納先が十分に分散されている場合は,I/Oを分散させる目的のために,LVMを使用してストライピング構成にする必要はありません。
複数のRAIDグループに分散してデータを記憶させるストライピングが,ストレージの機能でできない場合は,LVMでストライピングを設定してください。例えば,ディスクが60台ある場合に,1つのRAIDグループを構成するディスク数の上限が15台のときは,4つのRAIDグループを作成し,各RAIDグループに対してストライピングを設定してください。
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アクセスの競合による処理性能の低下を防ぐため,1つのロジカルボリューム(DBエリアファイル)のサイズは,16テラバイト以下に設定することを推奨します。
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マルチノード機能またはコールドスタンバイ構成を使用する際に,共有ディスクのSCSIリザーブを使用する場合は,SCSIリザーブの指定はストレージのディスク(RAIDグループ)単位にしてください。SCSIリザーブの対象となる領域と,それ以外の領域は必ずディスクを分けてください。SCSIリザーブの対象とする領域については,次の個所を参照してください。
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マルチノード機能の場合:「18.2.4 ストレージ構成」
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コールドスタンバイ構成の場合:「19.2.4 ストレージ構成」
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