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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


2.20.4 マルチノード構成からのノードの切り離し(プライマリノード,セカンダリノード)

プライマリノードまたはセカンダリノードでノード障害が発生した場合,障害が発生したノードをマルチノード構成から切り離し,残ったノードで業務を継続します。

重要

マルチノード構成からのノードの切り離しが行われるのは,HAモニタありのマルチノード構成の場合に限ります。

HAモニタなしのマルチノード構成の場合,プライマリノードでノード障害が発生してプライマリノードのHADBサーバが異常終了すると,マルチノード構成のHADBサーバが異常終了します。

メモ
  • ノードの切り離しは,HAモニタによって制御されます。

  • 障害が発生したプライマリノードまたはセカンダリノードをマルチノード構成から切り離し,残ったノードで処理を継続することを,HAモニタでは縮退運用と呼んでいます。

〈この項の構成〉

(1) プライマリノードでノード障害が発生した場合

プライマリノードでノード障害が発生した場合,そのプライマリノードをマルチノード構成から切り離し,セカンダリノードの1つをプライマリノードに切り替えて,残ったノードで業務を継続します。

プライマリノードでノード障害が発生した場合のノードの切り離しを次の図に示します。

図2‒75 プライマリノードでノード障害が発生した場合のノードの切り離し

[図データ]

[説明]
  • ノード障害が発生したプライマリノードをマルチノード構成から切り離し,セカンダリノードの1つをプライマリノードに切り替えます。これをプライマリノードの切り替えといいます。

    重要

    ワーカーノードは,プライマリノードの切り替え先にはなりません。

  • ノード障害が発生したプライマリノードで実行中のSQL文はエラーになり,トランザクションを実行していたAPは,HADBサーバから切り離されます。また,ノード障害が発生した時点で,HADBサーバに接続だけしていてトランザクションを実行していないAPも,HADBサーバから切り離されます。

メモ

障害が発生したプライマリノードで実行されていた更新処理に対する回復処理(ロールバック)が,新たにプライマリノードになるセカンダリノードで実行されます。回復処理の完了後,プライマリノードの切り替え処理が行われます。

ノード障害発生時のノードの切り離し,およびプライマリノードの切り替えは,HAモニタが管理しています(HAモニタの系切り替え機能で実現しています)。プライマリノードはHAモニタの実行系として動作し,セカンダリノードはHAモニタの待機系として動作します。

セカンダリノードの1つをプライマリノードに切り替える際,共有するディスクの切り替えや,エイリアスIPアドレスの追加および削除も,HAモニタが実行します。

メモ

プライマリノードに切り替えられるセカンダリノードは,HAモニタの系切り替え機能によって,新たに実行系となるノードです。系の切り替え先(プライマリノードに切り替えられるセカンダリノード)の決定方法はHAモニタの仕様に依存します。

(2) セカンダリノードでノード障害が発生した場合

セカンダリノードでノード障害が発生した場合,そのセカンダリノードをマルチノード構成から切り離し,残ったノードで業務を継続します。

セカンダリノードでノード障害が発生した場合のノードの切り離しを次の図に示します。

図2‒76 セカンダリノードでノード障害が発生した場合のノードの切り離し

[図データ]

[説明]

ノード障害が発生したセカンダリノードで実行中のSQL文はエラーになり,トランザクションを実行していたAPは,HADBサーバから切り離されます。

メモ

障害が発生したセカンダリノードで実行していたトランザクションのロールバックが,プライマリノードで実行されます。