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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


11.6 ハッシュグループ化領域サイズの見直しによるSQL文の実行時間の短縮に関するチューニング

ここでは,次に示すオペランドに指定したハッシュグループ化領域サイズの見直しによる,SQL文の実行時間を短縮する方法について説明します。

ローカルハッシュグループ化が適用されるSQL文を実行する場合に,ハッシュグループ化領域サイズを大きくすると,SQL文の実行時間を短縮できることがあります。

手順

  1. ハッシュグループ化領域の領域不足が発生した処理の有無を確認する

    SQLトレース情報に出力された「アクセスパスの統計情報」を確認してください。アクセスパスの統計情報に出力された「ハッシュグループ化領域に関する情報」のうち,次に示す出力項目にYがあるかどうかを確認してください。

    • Hashgrp_area_shortage(ハッシュグループ化領域の領域不足の発生有無)

    もし,Yがあった場合で,かつローカルハッシュグループ化の処理がある場合は,手順2.に進んでください。

  2. adb_sql_exe_hashgrp_area_sizeオペランドの指定値を見直す

    手順1.で,ハッシュグループ化領域の領域不足が発生したローカルハッシュグループ化の処理がある場合は,ハッシュグループ化領域内で処理できなかったデータを,作業表に格納して処理している可能性があります。そのため,SQL文の実行時間が長くなっているおそれがあります。

    この場合,手順1.で確認したHashgrp_area_shortageがYとなっているすべてのローカルハッシュグループ化の処理について,「アクセスパスの統計情報」に出力された「ハッシュグループ化領域に関する情報」のうち,次に示す出力項目を確認してください。

    • Hashgrp_area_sufficient_size(ハッシュグループ化領域で領域不足が発生しない十分な領域サイズ)

    そして,出力された値のうち,最大値以上の値を,サーバ定義およびクライアント定義のadb_sql_exe_hashgrp_area_sizeオペランドに指定してください。ローカルハッシュグループ化が適用されるSQL文の実行時間を短縮できることがあります。

    なお,adb_sql_exe_hashgrp_area_sizeオペランドの指定値を変更した場合,必ずHADBサーバのメモリ所要量を再見積もりしてください。HADBサーバのメモリ所要量の見積もりについては,「6.3 HADBサーバのメモリ所要量の見積もり」を参照してください。

アクセスパスの統計情報に出力された「ハッシュグループ化領域に関する情報」については,「9.10.3(2)(d) ハッシュグループ化領域に関する情報」を参照してください。

サーバ定義のadb_sql_exe_hashgrp_area_sizeオペランドについては,「7.6.2(2) 性能に関するオペランド(set形式)」のadb_sql_exe_hashgrp_area_sizeオペランドを参照してください。

クライアント定義adb_sql_exe_hashgrp_area_sizeオペランドについては,マニュアル「HADB AP開発ガイド」の「HADBクライアントの環境設定」の「クライアント定義の作成」の「クライアント定義のオペランドの説明」を参照してください。