Hitachi

Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


7.9.2 修正版HADBサーバに入れ替える手順

7.9.1 修正版HADBサーバとの入れ替え前に実施すること」で説明していることを実施したあとに,次の手順に従って修正版HADBサーバに入れ替えてください。

手順

  1. HADB管理者のOSアカウントでOSにログインする

    今まで使用していたHADB管理者のOSアカウントで,サーバマシンのOSにログインしてください。

    注意事項

    HADB管理者のOSアカウントを変更しないでください。HADB管理者のOSアカウントを変更した場合,修正版HADBサーバとの入れ替えが正しくできないおそれがあります。

  2. インストールコマンドおよびインストールデータを格納するディレクトリを作成する

    OSのmkdirコマンドを実行して,インストールコマンド(adbinstallコマンド)およびインストールデータ(tar.gzファイル)を格納するディレクトリを作成してください。

    mkdir /home/adbmanager/vup

    この例では,インストールコマンドおよびインストールデータを格納するディレクトリとして,/home/adbmanager/vupを作成しています。

  3. 手順2.で作成したディレクトリに対する書き込み権限をHADB管理者に付与する

    OSのchmodコマンドを実行して,手順2.で作成したディレクトリに対する書き込み権限をHADB管理者に付与してください。

    chmod 755 /home/adbmanager/vup
  4. CD-ROMファイルシステムをマウントする

    OSのmountコマンドを実行して,インストールコマンドおよびインストールデータが格納されているCD-ROMファイルシステムを自動マウントしてください。CD-ROMファイルシステムが自動マウントされていない場合,CD-ROMファイルシステムをマウントする必要があります。

    mount /dev/cdrom /media

    下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

    注意事項

    CD-ROMのディレクトリ名やファイル名は,ご使用のサーバマシンによっては,ここの説明内容と表示が異なることがあります。OSのlsコマンドを実行して,表示されたディレクトリ名をそのまま入力してください。

  5. インストールコマンドをコピーする

    OSのcpコマンドを実行して,HADBサーバのインストールコマンド(adbinstallコマンド)を,手順2.で作成したディレクトリにコピーしてください。インストールコマンドは,マウントしたCD-ROMファイルシステムに格納されています。

    cp /media/adbinstall /home/adbmanager/vup

    下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

  6. インストールデータをコピーする

    OSのcpコマンドを実行して,HADBサーバのインストールデータ(tar.gzファイル)を,手順2.で作成したディレクトリにコピーしてください。インストールデータは,マウントしたCD-ROMファイルシステムに格納されています。

    cp /media/hitachi_advanced_data_binder_server-$VR.tar.gz
       /home/adbmanager/vup

    下線部分は,CD-ROMファイルシステムのマウントディレクトリ名です。環境によって異なります。

    また,$VRは,HADBのバージョンおよびリリース番号になります。

    (例)03-02-/Aの場合 → $VRは「0302a-0」

    注意事項

    インストールコマンドおよびインストールデータは,同じディレクトリにコピーしてください。異なるディレクトリにコピーした場合,修正版HADBサーバとの入れ替えが実施できません。

  7. インストールコマンドの実行権限をHADB管理者に付与する

    インストールコマンドの実行権限をHADB管理者に付与してください。

    chmod 777 /home/adbmanager/vup/adbinstall
  8. インストールコマンドを実行する

    HADB管理者が,インストールコマンドを実行して,修正版HADBサーバをインストールしてください。

    /home/adbmanager/vup/adbinstall -s /home/adbmanager/server

    下線部分は,インストールコマンドをコピーしたディレクトリのパス名になります。

    -sオプションには,使用中のサーバディレクトリ(この例では/home/adbmanager/server)の絶対パスを指定します。

    注意事項
  9. KFAA91554-Qメッセージに応答する

    インストールコマンドを実行すると,ディレクトリを上書きしてよいかどうかを確認するKFAA91554-Qメッセージが出力されます。yまたはYを入力して,ディレクトリを上書きしてください。

  10. 修正版HADBサーバがインストールされたことを確認する

    adbls -d verコマンドを実行して,HADBサーバのバージョン情報を確認してください。

    adbls -d ver
    [マルチノード機能]

    マルチノード機能を使用している場合は,全ノードのHADBサーバで上記のコマンドを実行し,全ノードのHADBサーバのバージョン情報を確認してください。

    adbls -d verコマンドを実行しても,バージョン情報が表示されない場合は,次に示す環境変数が正しく設定されていない可能性があります。

    • 環境変数ADBDIRに,サーバディレクトリが正しく設定されていない

    • 環境変数PATHに,サーバディレクトリ下のbinディレクトリが正しく設定されていない

    環境変数については,「7.4 環境変数の設定」を参照してください。

  11. HADBサーバを正常開始する

    adbstartコマンドを実行して,HADBサーバを正常開始してください。

    adbstart

    HADBサーバが正常開始すると,修正版HADBサーバとの入れ替えが完了します。

■インストールコマンドがエラーになった場合(KFAA91553-Eメッセージが出力された場合)

次に示す場合は,インストールコマンドがエラーになり,KFAA91553-Eメッセージが出力されます。この場合,対象のディレクトリに対する書き込み権限をHADB管理者に付与してください。

  • -sオプションに指定したディレクトリに対して,HADB管理者が書き込み権限を持っていない場合

  • インストールコマンドおよびインストールデータを格納したディレクトリに対して,HADB管理者が書き込み権限を持っていない場合

■KFAA91558-Wメッセージ(警告メッセージ)が出力された場合

HADB管理者のOSアカウントではなく,rootでadbinstallコマンドを実行した場合,KFAA91558-Wメッセージ(警告メッセージ)が出力されます。通常,HADB管理者のOSアカウントで,adbinstallコマンドを実行します。そのため,KFAA91558-Wメッセージが出力された場合は,rootでadbinstallコマンドを実行して問題がないかどうかを確認してください。

問題がある場合は,KFAA91558-Wメッセージが出力されたあとに出力されるKFAA91559-Qメッセージの入力要求に対して,nまたはNを入力してください。そのあとで,HADB管理者のOSアカウントでadbinstallコマンドを実行してください。

なお,root以外のスーパユーザでadbinstallコマンドを実行した場合は,KFAA91558-Wメッセージは出力されません。

参考

rootは,OSのid -uコマンドを実行して表示される値が0のユーザを指します。また,OSのsuコマンドを使用して,ほかのOSユーザからrootに切り替えたあとで,OSのid -uコマンドを実行して表示される値が0のときも含みます。