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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


2.17.1 HADBサーバが使用するメモリ

HADBサーバは,共有メモリとプロセスメモリを使用します。HADBサーバが使用する各メモリについて説明します。

共有メモリ

共有メモリ内には,次に示すメモリが確保されます。

  • プロセス共通メモリ

    プロセス共通メモリには,HADBサーバプロセスを起動,制御するために必要な情報が格納されます。

  • 共有メモリ管理用のメモリ

    共有メモリ管理用のメモリには,HADBサーバが使用する共有メモリの管理情報が格納されます。

  • グローバルバッファ用のメモリ

    グローバルバッファ用のメモリには,次に示すバッファが格納されます。

    ・データベースの入出力処理で使用されるグローバルバッファ

    ・グローバル作業表の入出力処理で使用されるグローバル作業表用のグローバルバッファ

    参考

    グローバル作業表とは,1つのSQL文を複数の処理リアルスレッドで処理する際に,作業表のデータを複数の処理リアルスレッド間で共有するために作成される作業表のことです。

  • リアルスレッド固有メモリ

    リアルスレッド固有メモリには,SQL文またはコマンドを処理する処理リアルスレッドが必要とする情報が格納されます。1つの処理リアルスレッドに対して,1つのリアルスレッド固有メモリが確保されます。HADBサーバプロセス内では,複数の処理リアルスレッドが実行され,リアルスレッド固有メモリには,処理リアルスレッドごとに必要な情報が格納されます。

プロセスメモリ

プロセスメモリ内には,ヒープメモリが確保されます。HADBサーバは,コマンドの実行時にヒープメモリを使用します。

HADBサーバのメモリ構成を次の図に示します。

図2‒63 HADBサーバのメモリ構成

[図データ]

[説明]
  • 共有メモリ内には,複数のリアルスレッド固有メモリが確保されます。

  • 1つのSQL文または1つのコマンドは,複数の処理リアルスレッドで処理されます。このとき,1つの処理リアルスレッドが,1つのリアルスレッド固有メモリを使用します。

  • SQL文およびコマンドの実行時に使用するリアルスレッド固有メモリ以外に,システムで使用するリアルスレッド固有メモリが確保されます。

リアルスレッド固有メモリ内に確保される領域とバッファについて説明します。

参考

ローカルハッシュグループ化およびグローバルハッシュグループ化については,マニュアル「HADB AP開発ガイド」の「ハッシュグループ化とは」を参照してください。