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Hitachi Advanced Data Binder システム構築・運用ガイド


2.5.4 アクセス権限

アクセス権限は,ほかのHADBユーザが定義したスキーマオブジェクトを,HADBユーザが操作するときに必要な権限です。

HADBユーザは,アクセス権限がないと,ほかのHADBユーザが定義したスキーマオブジェクトにアクセスできません。

スキーマオブジェクトの所有者(スキーマオブジェクトを定義したHADBユーザ)は,そのスキーマオブジェクトに対するすべてのアクセス権限を持っています。また,アクセス権限の管理(付与・取り消し)は,スキーマオブジェクトの所有者だけが実行できます。

アクセス権限で管理できるスキーマオブジェクトの種類を次に示します。

■スキーマオブジェクトの種類
  • 実表

  • ビュー表

アクセス権限には幾つかの権限があります。次の表に示します。

表2‒6 アクセス権限の一覧

項番

アクセス権限の種類

説明

対象のスキーマオブジェクト

1

SELECT権限

SELECT権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトのデータを参照するために必要となる権限です。

SELECT文およびCREATE VIEW文を実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するSELECT権限が必要になります。

  • 実表

  • ビュー表

2

INSERT権限

INSERT権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトにデータを挿入するために必要となる権限です。

INSERT文を実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するINSERT権限が必要になります。

  • 実表

  • ビュー表

3

UPDATE権限

UPDATE権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトのデータを変更するために必要となる権限です。

UPDATE文を実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するUPDATE権限が必要になります。

  • 実表

  • ビュー表

4

DELETE権限

DELETE権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトのデータを削除するために必要となる権限です。

DELETE文を実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するDELETE権限が必要になります。

  • 実表

  • ビュー表

5

TRUNCATE権限

TRUNCATE権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトのデータを一括で削除するために必要となる権限です。

TRUNCATE TABLE文およびPURGE CHUNK文を実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するTRUNCATE権限が必要になります。

実表

6

REFERENCES権限

REFERENCES権限とは,HADBユーザが,CREATE TABLE文で参照制約(外部キー)を定義する際に必要となる権限です。

外部キーを定義する場合,被参照表(主キーを定義している表)に対するREFERENCES権限が必要になります。

実表

7

IMPORT TABLE権限

IMPORT TABLE権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトにデータをインポートするために必要となる権限です。

adbimportコマンドを実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するIMPORT TABLE権限が必要になります。

実表

8

REBUILD INDEX権限

REBUILD INDEX権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトのインデクスを再作成するために必要となる権限です。

adbidxrebuildコマンドを実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するREBUILD INDEX権限が必要になります。

実表

9

GET COSTINFO権限

GET COSTINFO権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトとそのスキーマオブジェクトのインデクスからコスト情報を収集したり,収集したコスト情報を削除したりするために必要となる権限です。

adbgetcstコマンドを実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するGET COSTINFO権限が必要になります。

実表

10

EXPORT TABLE権限

EXPORT TABLE権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトのデータをエクスポートするために必要となる権限です。

adbexportコマンドを実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するEXPORT TABLE権限が必要になります。

  • 実表

  • ビュー表

11

MERGE CHUNK権限

MERGE CHUNK権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトに対して作成された複数のチャンクを,1つのチャンクにマージするために必要となる権限です。

adbmergechunkコマンドを実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するMERGE CHUNK権限が必要になります。

実表

12

CHANGE CHUNK COMMENT権限

CHANGE CHUNK COMMENT権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトに定義されたチャンクのコメントを設定・変更・削除するために必要となる権限です。

adbchgchunkcommentコマンドを実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するCHANGE CHUNK COMMENT権限が必要になります。

実表

13

CHANGE CHUNK STATUS権限

CHANGE CHUNK STATUS権限とは,HADBユーザが,対象のスキーマオブジェクトに定義されたチャンクの状態を変更するために必要となる権限です。

adbchgchunkstatusコマンドを実行する場合,そのスキーマオブジェクトに対するCHANGE CHUNK STATUS権限が必要になります。

実表

14

ARCHIVE CHUNK権限

ARCHIVE CHUNK権限とは,HADBユーザが,チャンクをアーカイブ状態にする際に必要となる権限です。

adbarchivechunkコマンドを実行する場合,対象のスキーマオブジェクトに対するARCHIVE CHUNK権限が必要です。

実表

15

UNARCHIVE CHUNK権限

UNARCHIVE CHUNK権限とは,HADBユーザが,チャンクのアーカイブ状態を解除する際に必要となる権限です。

adbunarchivechunkコマンドを実行する場合,対象のスキーマオブジェクトに対するUNARCHIVE CHUNK権限が必要です。

実表