インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option Version 8
オンライン業務中,レプリカデータベースを使った運用の必要がなくなり,現在のレプリカRDエリアのデータで業務を運用する場合,RDエリアを統合できます。統合とは,レプリカRDエリアとオリジナルRDエリアのうち,残すRDエリアへ削除するRDエリアの構成情報(定義)をコピーし,不要になったRDエリアの定義,世代番号などを削除し,インナレプリカグループ内のRDエリアを一つにまとめることを指します。統合によって,インナレプリカグループは解消され,インナレプリカ機能を使用する前の通常のRDエリアの状態に戻ります。統合後のRDエリア名は,オリジナルRDエリアの名称に戻ります。
インナレプリカグループの統合は,インナレプリカグループ内にレプリカRDエリアが一つだけの状態のときに実行できます。複数のレプリカRDエリアが存在するインナレプリカグループを統合する場合には,不要なレプリカRDエリアを削除し,残すレプリカRDエリアを一つだけにした状態で,インナレプリカグループの統合をします。
次の図に示す,二つのレプリカRDエリアが存在するオリジナルRDエリアRD01とRD02のインナレプリカグループを世代番号2のレプリカRDエリアに統合する例の場合,まず,不要な世代番号1のレプリカRDエリアを削除し,世代番号2のレプリカRDエリアを残した状態にしてからインナレプリカグループを統合します。統合すると,統合後のRDエリア名は,オリジナルRDエリアのRD01とRD02になります。
図3-7 インナレプリカグループの統合例
前述の図に示すインナレプリカグループの統合は,次の手順で実施します。
以降,各操作について説明します。なお,各操作の終了後,実行結果が正しいかどうかを確認することをお勧めします。各操作で使用するコマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
解除方法については,ご使用のミラーリング機能のマニュアル,または取扱説明書を参照してください。
日立ディスクアレイサブシステムの場合はペアを解除して(pairsplit -S),ボリュームをシンプレックス(SMPL)にしてください。
インナレプリカグループ内のすべてのRDエリアをpdholdコマンドで閉塞かつクローズ状態にします。pdholdコマンドは,HiRDB管理者が,HiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構成している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdholdコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。図3-7のpdholdコマンドの実行例を,次に示します。
pdhold -r RD01,RD01_GN1,RD01_GN2,RD02,RD02_GN1,RD02_GN2 -c
HiRDBのpdmodコマンドでremove rdarea文を実行して,不要な世代のレプリカRDエリアを削除します。図3-7の例では,世代番号1のレプリカRDエリアの定義を削除します。図3-7のremove rdarea文の指定例,およびpdmodコマンドの実行例を,次に示します。
// レプリカRDエリアRD01_GN1の削除指定 remove rdarea RD01_GN1; // 削除するRDエリア名(レプリカRDエリア)の指定 // レプリカRDエリアRD02_GN1の削除指定 remove rdarea RD02_GN1;
pdmod -a /usr/rm01
pdmodコマンドは,HiRDB管理者が,HiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構成している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdmodコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
HiRDBのpdmodコマンドでrecast rdarea文を実行して,インナレプリカグループを統合します。図3-7の例の場合,世代番号1のレプリカRDエリアが「(3) 不要な世代のレプリカRDエリアの定義の削除」で示す操作によって削除され,レプリカRDエリアは世代番号2だけが残った状態でインナレプリカグループを統合することになります。図3-7のrecast rdarea文の指定例,およびpdmodコマンドの実行例を,次に示します。
// RD01のインナレプリカグループ内の統合指定 recast rdarea RD01 globalbuffer gbufrp01; // 統合するインナレプリカグループのオリジナルRDエリア名と // 割り当てられていたグローバルバッファ名の指定 // RD02のインナレプリカグループ内の統合指定 recast rdarea RD02 globalbuffer gbufrp02;
pdmod -a /usr/recast01
pdmodコマンドは,HiRDB管理者が,HiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構成している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdmodコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
統合するインナレプリカグループ内のすべてのレプリカRDエリアに対する世代番号を削除します。図3-7の場合は,世代番号1と2を削除します。
統合して残ったオリジナルRDエリアの運用を再開するために,オリジナルRDエリアの閉塞状態を解除し,オープン状態に設定します。閉塞解除およびオープン設定には,HiRDBのpdrelsコマンドを使用します。pdrelsコマンドは,HiRDB管理者が,HiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構成している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdrelsコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。図3-7の場合,世代番号1を削除するために,オリジナルRDエリアの閉塞状態を解除し,オープン状態にします。次に,pdrelsコマンド実行例を示します。
pdrels -r RD01,RD02 -o
HiRDBのpdmodコマンドでremove generation文を実行して,不要なHiRDBファイルシステム領域の世代番号を削除します。図3-7の場合は,世代番号1と2を削除します。図3-7のremove generation文の指定例,およびpdmodコマンドの実行例を,次に示します。
// レプリカ用の領域/HiRDB_P/area01_GN1の世代番号1削除指定 remove generation for HiRDB file system area "/HiRDB_P/area01_GN1"; // 削除する世代番号1のHiRDBファイルシステム領域 // /HiRDB_P/area01_GN1を指定 // レプリカ用の領域/HiRDB_P/area01_GN2の世代番号2の削除指定 remove generation for HiRDB file system area "/HiRDB_P/area01_GN2"; // 削除する世代番号2のHiRDBファイルシステム領域 // /HiRDB_P/area01_GN2を指定
pdmod -a /usr/rmg01
統合して残ったオリジナルRDエリアのバックアップファイルを取得します。統合によってRDエリアの構成が変更されたため,マスタディレクトリ用RDエリアおよびデータディクショナリ用RDエリアのバックアップファイルも取得します。バックアップファイルは,HiRDBのpdcopyコマンドで取得します。次に,図3-7のpdcopyコマンドの実行例を示します。
pdcopy -m /hirdb/rdarea/rdmast/rdmast01 -M r -b /usr/hirdb/pdcopy/backup06 -r RDMSTR01,RDDIC01,RD01,RD02 -p /usr/hirdb/pdcopy/list06
pdcopyコマンドは,HiRDB管理者が,HiRDBの稼働中に実行します。複数のサーバマシンでHiRDBシステムを構成している場合,システムマネジャがあるサーバマシンで実行します。pdcopyコマンドについては,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。
統合したRDエリアには,再起動時,統合前のオリジナルRDエリアで使用されていたグローバルバッファが割り当てられます。統合先のレプリカRDエリアのページサイズが統合元オリジナルRDエリアより大きい場合は,グローバルバッファのサイズを見直す必要があります。これをしないと,次回のHiRDB開始以降,統合したRDエリアには統合前のグローバルバッファが割り当てられてしまいます。グローバルバッファの割り当ては,HiRDBのシステム共通定義(pdsys)ファイル内に,オペランド「pdbuffer」で指定します。システム共通定義(pdsys)の変更は,HiRDB管理者が,HiRDBの停止中に実施します。次に,図3-7のオペランドの指定例を示します。
pdbuffer -a gbufrp01 -r RD01 -n 50 pdbuffer -a gbufrp02 -r RD02 -n 100
統合前にレプリカRDエリアのバックアップファイルを取得していた場合,そのバックアップファイルは,統合されたRDエリア(オリジナルRDエリア)の回復には使用できません。
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