インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option Version 8
RDエリアのメンテナンス(再編成やデータ,インデクスの一括作成など)やバックアップ,障害回復などの理由のために,運用中のRDエリアへのアクセスを制限する必要があるときには,RDエリアを閉塞状態に設定します。インナレプリカ機能を使用するときには,主に,次の表に示す閉塞状態を目的に応じて使用します。
表3-4 インナレプリカ機能を使用する場合に主に使用する閉塞状態の種類
項番 | 閉塞状態の種類 | 設定するコマンド | 閉塞モードを指定する オプション |
---|---|---|---|
1 | 静止化(バックアップ閉塞) | pdhold | -b |
2 | 同期化閉塞 | pdhold | -s |
3 | 閉塞かつクローズ | pdhold | -c |
ここでは,それぞれの閉塞状態の違いについて説明します。
静止化直前までに蓄積されたバッファ(メモリ)内の更新情報を強制的にRDエリアへ書き込み,静止化直前のトランザクションを完結させ,整合性を確保する機能です。静止化中は,参照目的のアクセスだけができるなど,アクセスに制限ができます。この機能は,主に,次の場合に使用します。
この機能を使うことで,オンライン業務を運用中でも,レプリカの作成,レプリカを使った再編成やバックアップの取得ができます。
対象RDエリアを操作するトランザクションの終了を待ち,対象RDエリアのバッファ情報を破棄して閉塞解除コマンドまで後続トランザクションを待たせます。静止化(バックアップ閉塞)と違い,同期化閉塞中には,RDエリアへのアクセスを許可し,待ち状態とすることができます。待たされていたアクセスは,閉塞が解除されるとすぐに処理されます。この機能は,主に,次の場合に使用します。
この機能を使うことで,コピー先となるRDエリアの業務を停止する必要がありません。
ただし,同期化閉塞を設定する時間が長くなると,それだけアクセス待ちのタイムアウトが頻繁に発生するおそれがあります。このことを考慮して適用する必要があります。
また,同期化閉塞の解除後すぐに処理が開始されるため,解除後のデータも整合性を確保するためには,同期化閉塞を設定するRDエリアにかかわるすべてのRDエリアにも同時に同期化閉塞を設定する必要があります。一度のpdholdコマンドですべてのRDエリアに設定する必要があります。
pdhold -sオプションを使用すると,対象RDエリアの更新バッファがデータベースに書き込まれないで破棄されるため,同期化閉塞後はRDエリアの内容は不整合になります。RDエリア内には障害閉塞履歴情報を設定します。このため,閉塞解除前に整合性のあるデータでRDエリアの内容を書き換えなければなりません。
一切のアクセスを制限するために,RDエリアを閉塞し,かつ,クローズ状態にする機能です。
この機能を使うことで,ボリューム操作(pairresyncなど)によって,RDエリアにアクセスできないようになります。
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