インナレプリカ機能 HiRDB Staticizer Option Version 8
HiRDB Staticizer Optionで扱うレプリカには次に示す規則があります。
HiRDB Staticizer Optionでは,次に示すユーザデータ格納用RDエリアの複製をレプリカとして扱います。
表の横分割のように,表が複数のRDエリアにわたっている場合は,それらを一まとまりとして扱い,データの整合性を保持した状態でレプリカを作成する必要があります。
このマニュアルでは,レプリカを作成するときにレプリカの基となるRDエリアを「オリジナルRDエリア」と呼びます。作成したレプリカを,「レプリカRDエリア」と呼びます。オリジナルRDエリアとレプリカRDエリアの関係を次の図に示します。
オリジナルRDエリアとは,レプリカとその基になるRDエリアを区別するために呼ぶ名称です。レプリカを持たないRDエリア(レプリカを定義していない,またはレプリカをすべて削除したRDエリア)をオリジナルRDエリアと呼びません。
HiRDB Staticizer Optionでは,ミラーリング機能によってコピーされたHiRDBファイルシステム領域の中にあるRDエリアを,コピー元の領域内にあるRDエリア(オリジナルRDエリア)とは別のRDエリアとして定義します。このRDエリアがレプリカRDエリアです。レプリカRDエリアを,オリジナルRDエリアの定義内容を基に定義します。このとき,HiRDBファイルシステム領域内のすべてのRDエリアをレプリカRDエリアとして定義することになります。
HiRDBファイルシステム領域のコピーは,複数作成できます。HiRDB Staticizer Optionでは,オリジナルと複数のコピーを「世代番号」を使って識別します。次の図に示すように,オリジナルの領域は世代番号を0とし,レプリカは1〜10の任意の数字を使って管理します。
ユーザデータ格納用RDエリアが複数のHiRDBファイルで構成され,HiRDBファイルが複数のHiRDBファイルシステム領域に格納されている場合は,関係するHiRDBファイルシステム領域すべてを一まとまりとして扱い,データの整合性を保持した状態でレプリカを作成する必要があります。
HiRDB Staticizer Optionは,一つのRDエリア(オリジナルRDエリア)に対して複数のレプリカRDエリアを定義,作成できます。それぞれのレプリカRDエリアには,オリジナルRDエリアと同名の表・インデクスが存在することになります。同名の表・インデクスが存在する,このオリジナルとレプリカのRDエリアのまとまりを「インナレプリカグループ」と呼びます。一つのRDエリアに対して,10個までレプリカRDエリアを定義できます。インナレプリカグループは,システム共通定義で指定する数まで作成できます。インナレプリカグループのイメージを次の図に示します。
図1-4 インナレプリカグループ
前述の図に示すように,レプリカRDエリアには,HiRDBファイルシステム領域に割り当てた世代番号(「(2) レプリカの物理的な最小単位はHiRDBファイルシステム領域」参照)を割り当てる必要があります。
HiRDBクライアント環境定義(PDDBACCS),UAP環境定義(PDDBACCS),または運用コマンド(pddbchg)でアクセスしたいRDエリアを選択できます。これらで選択しない場合は,デフォルトのRDエリアへのアクセスとなります。ここでは,HiRDBクライアント環境定義,UAP環境定義,または運用コマンドで選択する場合と選択しない場合に分けて説明します。
HiRDBクライアント環境定義,UAP環境定義,または運用コマンドでアクセスしたいRDエリアを選択できます。世代番号を指定することで選択できます。この指定のない場合は,カレントRDエリアへアクセスします。カレントRDエリアについては,「(b)特別な指定のないときは決まったRDエリアへアクセス」を参照してください。ただし,指定された世代番号のRDエリアが存在しない場合は,カレントRDエリアへアクセスします。このように,HiRDB Staticizer Optionでは,クライアント側でアクセスするRDエリアを容易に選択できます。
HiRDBクライアント環境定義,UAP環境定義,または運用コマンドで指定がないときには,決まったRDエリア(デフォルトのRDエリア)へアクセスします。このRDエリアを「カレントRDエリア」と呼びます。通常,カレントRDエリアは,オリジナルRDエリアになっています。レプリカRDエリアをカレントRDエリアに変更することもできます。なお,カレントRDエリアではない,インナレプリカグループ内のほかのRDエリアのことは「サブRDエリア」と呼びます。
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