スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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付録C 障害調査のために必要な情報

原因を調査するために必要な資料は,大別すると,OSの情報とHiRDBの情報に分かれます。OSの情報はOSのコマンドなどで採取します。HiRDBの情報はHiRDBのコマンドなどで採取します。

問題解決支援又はQ&Aのサポートサービスを御利用になる場合,次の表に示す情報が必要になることがあります。トラブルの原因調査に必要な情報を次の表に示します。採取の優先順位を,性能の問題,無応答,異常終了の三つの場合に分けて説明します。最も優先順位の高い項目を1として,7段階で示しています。

表C-1 障害調査のために必要な情報

項番 区分 取得する情報 取得方法 性能 無応答 異常終了
1 OS syslogfile OSの機能(コマンド)で取得します。 1 1 1
2 CPU利用率及びデバイス状況 OSのsarコマンドで取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。 3 4 3
3 プロセスのCPU稼働・メモリ状態 OSのtopコマンドで取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。 3 4 3
4 仮想メモリ情報 OSのvmstatコマンドで取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。 3 4 3
5 ネットワークステータス情報 OSのnetstatコマンドで取得します。コマンドの詳細については,OSのマニュアルを参照してください。 3 4 3
6 HiRDB HiRDB障害情報 pdinfogetコマンドで取得します。出力情報を取得してください。 2 2 2
7 エラーログファイル $PDDIR/spool/errlog下のファイルに出力されます。 2 2 2
8 コマンドログファイル $PDDIR/spool/cmdlog下のファイルに出力されます。 2 2 2
9 HiRDBシステム定義の情報 $PDDIR/conf下のファイルをDATなどに取得してください。 4 5 4
10 表及びインデクスの定義情報 表及びインデクスを定義したときに使用した定義系SQLを記載したファイルをDATなどに取得してください。 4
11 統計情報 統計情報の出力開始,終了コマンド(pdstbegin,pdstend)で次に示す情報を取得してください。
  • システムの稼働に関する統計情報(sys)
    推奨取得間隔:1時間
  • グローバルバッファプールに関する統計情報(buf)
  • データベース操作に関するHiRDBファイルの統計情報(fil)
これらの情報は$PDDIR/spool/pdstj1及びpdstj2に出力されます。
統計情報の取得後,統計解析ユティリティ(pdsteditコマンド)で統計情報を編集してください。
6
12 サーバの通信制御情報 pdls -d rpc -aコマンドで取得します。このコマンドを60秒間隔で実行して追加書きのリダイレクト(>>)でファイルに出力してください。そのファイルをDATなどに取得してください。
  • 推奨取得間隔:60秒
  • 情報を1回取得するのに必要なディスク容量:約62キロバイト
5 4 4
13 サーバのトランザクションの状態に関する情報 pdls -d trn -aコマンドで取得します。このコマンドを60秒間隔で実行して追加書きのリダイレクト(>>)でファイルに出力してください。そのファイルをDATなどに取得してください。
  • 推奨取得間隔:60秒
  • 情報を1回取得するのに必要なディスク容量:約30キロバイト
5 6 5
14 サーバのプロセスの状態に関する情報 pdls -d prc -aコマンドで取得します。このコマンドを60秒間隔で実行して追加書きのリダイレクト(>>)でファイルに出力してください。そのファイルをDATなどに取得してください。
  • 推奨取得間隔:60秒
  • 情報を1回取得するのに必要なディスク容量:約28キロバイト
5 6 5
15 サーバの排他制御に関する情報 pdls -d lck -aコマンドで取得します。このコマンドを60秒間隔で実行して追加書きのリダイレクト(>>)でファイルに出力してください。そのファイルをDATなどに取得してください。
  • 推奨取得間隔:60秒
  • 情報を1回取得するのに必要なディスク容量:約62キロバイト
5
16 グローバルバッファ使用状況に関する情報 pdbuflsコマンドで取得します。このコマンドを60秒間隔で実行して追加書きのリダイレクト(>>)でファイルに出力してください。そのファイルをDATなどに取得してください。
  • 推奨取得間隔:60秒
  • 情報を1回取得するのに必要なディスク容量:約3キロバイト
5
17 SQLトレースファイル及びエラーログファイル クライアント環境定義のPDCLTPATHオペランドで指定したディレクトリ下に出力されます。PDCLTPATHオペランドを省略した場合は,APを実行しているカレントディレクトリ下に出力されます。
出力されたファイルをDATなどに取得してください。ファイル名はpderr又はpdsqlで始まっています。
6 5
18 システムログファイル pdlogunldコマンドでシステムログをアンロードします。アンロードログファイルをDATなどに取得してください。 6 7 6
19 コアファイル ユティリティが無応答になった場合は次に示す手順でコアファイルを取得してください。
〈手順〉
  1. pdls -d prcコマンドで,ユティリティのサーバプロセスIDを確認してください。
  2. pdcancel -dコマンドで,1で確認したサーバプロセスをキャンセルしてください。
3

(凡例)
−:情報を取得する必要はありません。

  • 必要なディスク容量は参考値です。この値はシステム構成などによって変動します。
  • リダイレクトで追加書きするファイルはファイル容量が単調増加するため,ディスク容量を圧迫します。したがって,ファイルを切り替えて一定世代で再使用する汎用シェルスクリプトを作成してください。