スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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26.5.9 監査証跡ファイルの運用

実行者 HiRDB管理者,及び監査人

スタンバイ型系切り替え機能,及び1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合
監査証跡ファイルはHiRDB管理者が共有ディスクに作成します。HiRDB管理者,及び監査人は,共有ディスク上の監査証跡ファイルを運用してください。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合
監査証跡ファイルはHiRDB管理者が正規ユニットの共有ディスクに作成します。このとき,作成先ディスクには,各サーバに対応する共有ディスク(各サーバのシステムログファイル,シンクポイントダンプファイル,サーバ用ステータスファイルを格納するディスク)以外のディスクを選ぶ必要があります。
なお,系の切り替え先では,受け入れユニットの監査証跡ファイルを共用します。
HiRDB管理者,及び監査人は,正規ユニットの監査証跡ファイルと受け入れユニットの監査証跡ファイルを運用してください。
<この項の構成>
(1) 監査証跡ファイルの作成
(2) 監査証跡ファイルの運用
(3) 監査証跡の取得
(4) pdloadの実行

(1) 監査証跡ファイルの作成

(a) スタンバイ型系切り替え機能,及び1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合

監査証跡ファイルは,HiRDB管理者が共有ディスクに作成します。

(b) 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合

監査証跡ファイルはHiRDB管理者が共有ディスクに作成します。このとき,作成先ディスクには,各サーバに対応する共有ディスク(各サーバのシステムログファイル,シンクポイントダンプファイル,サーバ用ステータスファイルを格納するディスク)以外のディスクを選ぶ必要があります。

各サーバに対応する共有ディスクに監査証跡ファイルを作成すると,系の切り替えによってディスクが別のホストに切り替わるため,ユニット内のほかの稼働中サーバが監査証跡を出力できなくなります。なお,系の切り替え先では,受け入れユニットの監査証跡ファイルを使用します。

(2) 監査証跡ファイルの運用

(a) スタンバイ型系切り替え機能,及び1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合

系切り替えが発生した場合,HiRDBは共有ディスク上の監査証跡ファイルに監査事象を記録します。監査事象の記録に関する監査証跡ファイルの運用については,「23.6 監査証跡ファイルの運用」を参照してください。

(b) 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合

系切り替えが発生した場合,HiRDBは切り替え先の受け入れユニットが使用中の監査証跡ファイルに監査事象を記録します。このとき,監査事象の記録に関する監査証跡ファイルの運用は,受け入れユニットでの運用に統一されます。

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能を適用したシステムで監査証跡を取得する場合は,全ユニットで監査証跡を取得してください。

(3) 監査証跡の取得

(a) スタンバイ型系切り替え機能,及び1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合

系切り替えが発生した場合,監査証跡取得状態の引き継ぎについては,切り替え元ユニットの停止状態に依存します。切り替え先の系が再開始の場合は系を切り替える前の状態を引き継ぎます。切り替え先の系が正常開始の場合はpd_auditオペランドの指定に従います。

(b) 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合

系切り替えが発生した場合,監査証跡取得については,受け入れユニットの状態に従います。影響分散スタンバイレス型系切り替え機能での監査証跡の取得状況を次の表に示します。

表26-18 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能での監査証跡の取得状況

ユニット種別 ユニットの状態 受け入れユニット
取得中 取得していない
正規ユニット 取得中 取得する 取得しない
取得していない 取得する 取得しない

影響分散スタンバイレス型系切り替え機能適用時の監査証跡取得状況の例を次の図に示します。

図26-47 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能適用時の監査証跡取得状況の例

[図データ]

(4) pdloadの実行

(a) スタンバイ型系切り替え機能,及び1:1スタンバイレス型系切り替え機能の場合

監査人は監査証跡ファイルを入力情報として,pdloadを実行してください。ただし,障害などで系が切り替わった場合,HiRDBは切り替わる直前の監査事象を正しく取得しません。このため,pdloadを実行しても切り替え直前のデータを取得できない場合があります。

(b) 影響分散スタンバイレス型系切り替え機能の場合

監査人は正規ユニット及び受け入れユニットの監査証跡ファイルを入力情報として,pdloadを実行してください。なお,系切り替え中のサーバの監査証跡は,受け入れユニットに属するサーバの情報として処理されます。

障害などで系が切り替わった場合,HiRDBは切り替わる直前の監査事象を正しく取得しません。このため,pdloadを実行しても切り替え直前のデータを取得できない場合があります。

なお,系切り替えなどによって影響分散スタンバイレス型系切り替え対象ユニットに実行系サーバが0個となった場合,そのユニットに対する監査証跡ファイルのpdloadは実行できません。この場合は,該当するユニットに実行系サーバを1個以上系切り替えした後で,pdloadを実行してください。

障害中の運用:
障害中の監査証跡のロード運用は次のとおりです。
  1. 稼働中ホストで系切り替え前の監査証跡ファイルを格納したディスクを手動で活動化
  2. 正規ユニット及び受け入れユニットの監査証跡ファイルを入力情報としてpdload実行

障害復旧後の運用:
障害復旧後の監査証跡のロード運用は障害発生前と同じです。