スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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23.10 監査証跡ファイルに障害が発生したときの対処方法

<この節の構成>
(1) 監査証跡ファイルに障害が発生した場合
(2) 監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域に障害が発生した場合(全監査証跡ファイルが閉塞状態になった場合)
(3) スワップ先にできる監査証跡ファイルがないためHiRDBが強制終了した場合

(1) 監査証跡ファイルに障害が発生した場合

障害が発生した監査証跡ファイルは閉塞状態になります。閉塞状態の監査証跡ファイルは,削除しないかぎり使用できない状態のままです。次に示す手順で対処してください。

〈手順〉
  1. KFPS05704-Eメッセージで閉塞状態の監査証跡ファイルを確認してください。
    pdls -d audコマンドで障害が発生した世代を確認できます。HiRDBが稼働している場合は,監査人がpdls -d audコマンドを実行してください。
  2. pdaudrmコマンドで閉塞状態の監査証跡ファイルを削除してください。データロード待ちのファイルに対しては-fオプションを指定して強制的に削除してください。

閉塞状態のファイルはデータロードできません。したがって,データロードしていない場合はそのファイル中の監査証跡はすべて失われます。

(2) 監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域に障害が発生した場合(全監査証跡ファイルが閉塞状態になった場合)

監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域に障害が発生した場合など,全監査証跡ファイルが閉塞状態になったときの対処方法を説明します。

pd_aud_no_standby_file_oprオペランドの値によってHiRDBの処理が異なります。

(a) downを指定した場合

HiRDBが稼働中の場合は,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)を強制終了します。

HiRDBが起動処理中の場合は,監査証跡の出力を中止した上でHiRDBの起動を完了します。

(b) forcewrite(省略値)を指定した場合

監査証跡の出力を中止します。この場合,HiRDBは稼働したままです。

HiRDB管理者は次に示す手順で対処してください。

〈手順〉
  1. HiRDBが稼働中の場合はpdstopコマンドでHiRDBを正常終了します。正常終了できない場合はpdstop -fコマンドでHiRDBを強制終了してください。
  2. pdfmkfsコマンドで監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域を再作成します。ディスク障害などでこのHiRDBファイルシステム領域が使用できない場合は,ほかのディスクに監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域を作成してください。
  3. 監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域を変更した場合は,pd_aud_file_nameオペランドの指定を変更してください。
  4. 監査証跡ファイル用のHiRDBファイルシステム領域のバックアップがある場合は,pdfrstrコマンドでHiRDBファイルシステム領域を回復してください。
  5. pdstartコマンドでHiRDBを開始します。

(3) スワップ先にできる監査証跡ファイルがないためHiRDBが強制終了した場合

pd_aud_no_standby_file_oprオペランドにdownを指定した場合,ファイル容量の満杯時,又は現用ファイルの障害時にスワップ先にできるファイルが残り一つ以下になると,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)を強制終了します。HiRDB管理者,及び監査人は次に示す手順で対処してください。

(a) HiRDB/シングルサーバの場合

次に示すどちらかの手順で対処してください。

〈手順1〉pd_aud_max_generation_num<200の場合
  1. pd_aud_max_generation_numオペランドに200を指定してください。
  2. pdstartコマンドでHiRDBを開始します。
  3. pdloadコマンドで,データロード待ちのファイルをデータロードします。

〈手順2〉pd_aud_max_generation_num=200の場合
  1. pd_auditオペランドにNを指定してください。
  2. pdstartコマンドでHiRDBを開始します。
  3. pdloadコマンドで,データロード待ちのファイルをデータロードします。
  4. pdaudbeginコマンドで監査証跡の取得を開始してください。
(b) HiRDB/パラレルサーバの場合

次に示すどちらかの手順で対処してください。

〈手順1〉pd_aud_max_generation_num<200の場合
  1. pdstop -fコマンドでHiRDBを強制終了します。
  2. pd_aud_max_generation_numオペランドに200を指定してください。
  3. pdstartコマンドでHiRDBを開始します。
  4. pdloadコマンドで,データロード待ちのファイルをデータロードします。

〈手順2〉pd_aud_max_generation_num=200の場合
  1. pdstop -fコマンドでHiRDBを強制終了します。
  2. pd_auditオペランドにNを指定してください。
  3. pdstartコマンドでHiRDBを開始します。
  4. pdloadコマンドで,データロード待ちのファイルをデータロードします。
  5. pdaudbeginコマンドで監査証跡の取得を開始してください。