スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
(1) 監査証跡表の自動データロード機能とは
監査証跡表の自動データロード機能とは,次に示す契機で監査証跡ファイルがスワップした場合に,HiRDBが自動的にデータベース作成ユティリティ(pdloadコマンド)を起動し,監査証跡ファイルの内容を監査証跡表にデータロードする機能です。この機能を適用することで,監査人によるデータロードの手間が省け,監査証跡表を参照するだけで監査が実施できます。
自動データロードの対象となる監査証跡ファイルのスワップ契機は,次のとおりです。
- 監査証跡ファイルが満杯になった場合
- pdaudswapコマンドが実行された場合
- HiRDBを再開始した場合
- 注意
- 監査証跡ファイルの障害によるスワップの場合は,自動データロードの対象にはなりません。
- HiRDB/パラレルサーバの場合,pdloadの起動はユニット単位となります。
監査証跡表の自動データロード機能には,監査人の負荷が軽減されるメリットがありますが,オンライン業務中にデータロードが実行されることでシステムの負荷が高まり,処理性能に影響が出るデメリットもあります。適用の有無については,次の表に示すメリットとデメリット,環境及び運用方法を考慮した上で判断してください。
表23-3 監査証跡表の自動データロード機能の適用有無によるメリットとデメリット
適用有無 |
メリット |
デメリット |
推奨する環境・運用方法 |
適用する |
- pdloadコマンドは実行不要で,監査証跡表を参照するだけですぐに監査できる。
- 監査証跡表の容量や状態だけを管理すればよいため,監査人の負荷が軽減される。
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- トラフィックに関係なく,監査証跡ファイルがスワップするとデータロードが実行されるため,業務に影響が出るおそれがある。
- 監査証跡表を参照するのは監査人とシステム(pdloadコマンド)の両方なので,排他制御への意識が必要になる。
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- ハードウェアの性能が高く,オンライン業務中にpdloadコマンドが実行されても処理性能に影響がない環境である。
- 監査証跡表の参照はNOWAIT検索の結果で十分である。
- 常に監査証跡をチェックしたい。
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適用しない |
- 比較的トラフィックが空いているときなど,任意の時間帯にデータロードできる。
- 監査証跡表を参照するのは監査人だけなので,排他制御への意識は不要である。
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- 監査を実施するには,pdloadコマンドを実行する必要がある。
- 監査証跡ファイルと監査証跡表の両方の容量や状態を管理する必要がある。
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- オンライン業務中に処理性能への影響があってはならない環境である。
- 監査証跡表の参照はNOWAIT検索の結果では不十分である。
- 問題が発生した場合だけ監査証跡をチェックしたい。
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