pd_max_ard_processオペランドで指定した非同期READプロセス数のチューニング方法について説明します。非同期READ機能を使用している場合，非同期READプロセス数が少なくて非同期READ機能が適用されるSQLの多重度が高いと，非同期READプロセスの入出力処理の完了待ちが発生することがあるため，処理時間が余計に掛かることがあります。

参照する情報

UAP統計レポートの次に示す情報を参照してください。UAP統計レポートについては，マニュアル「HiRDB Version 8 UAP開発ガイド」を参照してください。

• 非同期READ時の同期待ち時間の累計（ARWT，ARWTM）
• データベースに対する入出力時間の累計（IOTIM，IOTIMM）
• 非同期READ時の平均同期待ち時間（ARWTA，ARWTMA）
• 非同期READ時の平均同期入出力時間（ARSTA，ARSTMA）

確認する目的

非同期READ機能の効果がない場合に，非同期READプロセス数の妥当性を判断します。

解析結果を判断する方法

次に示す時間を比べてください。2の方が長い場合は同期待ち時間が掛かっていると考えられます。

1. 非同期READ機能を使用しない場合の「データベースに対する入出力時間の累計（IOTIM，IOTIMM）」
2. 非同期READ機能を使用した場合の「非同期READ時の平均同期待ち時間（ARWTA，ARWTMA）」と「データベースに対する入出力時間の累計（IOTIM，IOTIMM）」の合計

次に示す時間を比べてください。2の方が長い場合は同期待ち時間が掛かっていると考えられます。

1. 非同期READ機能を使用した場合の「非同期READ時の平均同期入出力時間（ARSTA，ARSTMA）」
2. 非同期READ機能を使用した場合の「非同期READ時の平均同期待ち時間（ARWTA，ARWTMA）」

また，統計解析ユティリティのデータベース操作に関するHiRDBファイルの統計情報から「非同期READ回数（AIO-R）」が分かります。

対策方法

「非同期READ時の同期待ち時間の累計（ARWT，ARWTM）」又は「非同期READ時の平均同期待ち時間（ARWTA，ARWTMA）」が長い場合は，pd_max_ard_processオペランドの値を大きくしてください。

ただし，「非同期READ回数（AIO-R）」を調べた結果，同一RDエリアに非同期READ要求が集中している場合は，このオペランドの値を大きくしても効果はありません。この場合，RDエリアを複数のHiRDBファイルで構成し，更に各HiRDBファイルを別々のディスクに配置してください。

pd_max_ard_processオペランドの最大有効値は，「非同期READ回数（AIO-R）」が設定されているRDエリアの中で同時にプリフェッチ機能を実行する数を指定します。非同期READプロセス数を増やす場合は，システムのリソース（共用メモリとメッセージキュー）を考慮する必要があります。

「非同期READ時の同期待ち時間の累計（ARWT，ARWTM）」又は「非同期READ時の平均同期待ち時間（ARWTA，ARWTMA）」が短い場合は，これ以上非同期READ機能の効果は得られません。