スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)
大量更新を行うと,シンクポイント時にデータベースに反映する必要がある更新バッファ数(グローバルバッファ中の更新ページ数)が多くなるため,シンクポイント処理時間が長くなります。そのために,シンクポイント処理が連続してスキップされると,上書きできない状態のシステムログファイルが増加します。その結果,スワップ先にできる状態のファイルがなくなると,HiRDB(HiRDB/パラレルサーバの場合はユニット)が異常終了します。
これを防ぐために,ここの説明に従って,設計時に想定した時間内にシンクポイント処理を終わらせるようにしてください。なお,次に示す条件式を満たす場合はチューニングを行う必要はありません。
デファードライト処理の遅延によってシンクポイント処理がスキップされた場合,KFPS02179-Iメッセージ(factor code = A01-01)が出力されます。この場合,(1)以降の手順に従ってチューニングを行ってください。
次に示すチューニング情報を取得してください。
1についてはOSの機能を使用して取得してください。2〜3については統計解析ユティリティで取得してください。
デファードライト処理に関する統計情報の動作要因(CAUSE)が,S(シンクポイント)の統計情報を参照してください。その結果,次に示すどちらかの条件を満たす場合は(3)に進んでください。満たさない場合は(9)に進んでください。
シンクポイント取得間隔は,次に示すメッセージの出力時間の差分から求めてください。
デファードライト処理に関する統計情報のWRITE単価平均(DWAVG,DWAVGM)が,ディスクの書き込み性能に比べて極端に悪い場合,次に示すことを確認してください。該当しない場合は(4)に進んでください。
シンクポイント処理をスキップした場合,KFPS02179-Iメッセージが出力されます。このメッセージが出力されている時間帯に次に示すユティリティを実行している場合は,運用方法の変更を検討してください。該当しない場合は(5)に進んでください。
シンクポイントの取得間隔を長くできないか検討してください。長くできない場合は(6)に進んでください。シンクポイントの取得間隔はpd_log_sdintervalオペランドで変更できます。
「22.3.3(1)デファードライトトリガの実行間隔を短くする」及び「22.3.3(2)デファードライトトリガ時の更新ページの出力比率を高くする」で説明しているチューニングを行ってください。チューニング後も事態が解消されない場合は(7)に進んでください。
CPUに余裕がある場合は次に示すチューニングを行ってください。余裕がない場合は(8)に進んでください。
pd_dfw_syncpoint_skip_limitオペランドを指定して更新バッファ数を抑制してください。ただし,この場合,シンクポイント処理のスキップ回数が上限に達したとき,更新トランザクションの延長で更新バッファの出力を行うため,更新トランザクション性能が低下します。
pd_dfw_syncpoint_skip_limitオペランドを指定できない場合は,ディスクの増強を検討してください。
次に示す現象が発生している場合,グローバルバッファのチューニングを行ってください。
前記の情報,及びグローバルバッファのチューニングについては,「22.1 グローバルバッファプールのチューニング」を参照してください。
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