スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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20.3.5 例題5(JP1/OmniBack IIを使用している場合)

ユーザ用RDエリア(rdarea01,rdarea02)を障害発生直前の最新の同期点に回復します。システムログファイルの運用方法は,システムログをアンロードする運用をしています。

なお,バックアップはJP1/OmniBack IIを使用して取得しています。

<この項の構成>
(1) 障害閉塞しているRDエリアをpdcloseコマンドでクローズします
(2) pdloglsコマンドで現用のシステムログファイルを調べます
(3) pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップします
(4) 現用だったファイルの内容をpdlogunldコマンドでアンロードします
(5) 回復に使用するオブジェクトを確認します
(6) pdrstrコマンドでRDエリアを最新の同期点に回復します
(7) pdcopyコマンドで回復したRDエリアのバックアップを取得します
(8) 回復したRDエリアの障害閉塞をpdrelsコマンドで解除してオープンします

(1) 障害閉塞しているRDエリアをpdcloseコマンドでクローズします

 
pdclose -r rdarea01,rdarea02
 

(2) pdloglsコマンドで現用のシステムログファイルを調べます

HiRDB/パラレルサーバの場合は,rdarea01及びrdarea02があるバックエンドサーバのシステムログファイルを調べてください。

 
pdlogls -d sys
 

(3) pdlogswapコマンドでシステムログファイルをスワップします

現用ファイルの内容をアンロードするため,システムログファイルをスワップします。HiRDB/パラレルサーバの場合は,rdarea01及びrdarea02があるバックエンドサーバのシステムログファイルをスワップしてください。

 
pdlogswap -d sys
 

(4) 現用だったファイルの内容をpdlogunldコマンドでアンロードします

今まで現用だったファイル((2)で調べた現用ファイル)の内容をアンロードしてください。

 
pdlogunld -d sys -g log01 -o /unld/unldlog02
 

(5) 回復に使用するオブジェクトを確認します

JP1/OmniBack IIのomnidbコマンドで,回復に使用するオブジェクトを確認します。omnidbコマンドに-streamオプションを指定して調べてください。

(6) pdrstrコマンドでRDエリアを最新の同期点に回復します

 
pdrstr -m /rdarea/mast/mast01 -k o -b host01:backup01 -G DLT01
-l /unld/unldlog01,/unld/unldlog02 -w /tmp/sortwork -r rdarea01,rdarea02
 

〔説明〕
-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。
-k:バックアップファイルの種別を指定します。JP1/OmniBack IIのオブジェクトを使用するためoを指定します。
-b:rdarea01及びrdarea02のバックアップが格納されているバックアップファイルの名称を指定します。バックアップファイル名としてJP1/OmniBack IIのオブジェクト名を指定します。"ホスト名:オブジェクト名"の形式で指定します。
-G:バーリストファイル名を指定します。
-l:アンロードログファイルの名称を指定します。
-w:ソート用ワークディレクトリの名称を指定します。
-r:回復するRDエリア(rdarea01,rdarea02)の名称を指定します。
  • 範囲指定の回復をする場合は,−Tオプションに回復終了時刻を指定してください。−Tオプションを指定しないと,障害発生直前の最新の同期点にRDエリアを回復します。
  • システムログファイル又はアンロードログファイルの障害によって入力できないアンロードログファイルがある場合,そのサーバのRDエリアは,障害が発生した箇所までしか回復できません(それ以外のサーバのRDエリアには影響ありません)。必要に応じて,次の方法で障害が発生した箇所を特定し,トランザクションを再度実行してください。
  1. 障害発生時にKFPR16203-Eメッセージに出力された,アンロードログファイル名を確認します。
  2. 手順1で確認したアンロードログファイルに対してpdlogucatコマンドを実行し,ファイルが作成されたサーバ名と日時(作成開始時刻)を確認します。
  3. 手順2で確認したサーバで,作成開始時刻以降に実行されたトランザクションを再度実行します。

(7) pdcopyコマンドで回復したRDエリアのバックアップを取得します

 
pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M x -r rdarea01,rdarea02 -k o 
-b host01:backup002 -G DLT02
 

〔説明〕
-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。
-M:バックアップ取得モードに参照・更新不可能モードを指定します。
-r:障害が発生したRDエリア(rdarea01,rdarea02)のバックアップを取得します。
-k:バックアップファイルの種別を指定します。JP1/OmniBack IIのオブジェクトにバックアップを取得するためoを指定します。
-b:バックアップファイル名としてJP1/OmniBack IIのオブジェクト名を指定します。"ホスト名:オブジェクト名"の形式で指定します。
-G:バーリストファイル名を指定します。
バックアップの取得については,「6. バックアップの取得方法」を参照してください。

(8) 回復したRDエリアの障害閉塞をpdrelsコマンドで解除してオープンします

 
pdrels -r rdarea01,rdarea02 -o
 

 

コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。