スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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15.4.8 例題7(表に関連する全RDエリアを再初期化してデータの回復をユティリティで行う場合)

ユーザ用RDエリア(RDAREA1,RDAREA2)とユーザLOB用RDエリア(RDAREA3,RDAREA4,RDAREA5)を再初期化します。このとき,RDエリアの容量を大きくします。

〈手順〉
  1. pdfstatfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域に空きがあるか確認します。
  2. HiRDBファイルシステム領域を準備します。
  3. pdholdコマンドでRDAERA1〜RDAREA5を閉塞します。
  4. pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします。
  5. pdcopyコマンドでバックアップを取得します。
  6. pdrorgコマンドの制御文ファイルを作成します。
  7. pdrorgコマンドでTABLE1のデータをアンロードします。
  8. pdcloseコマンドでRDAERA1〜RDAREA5をクローズします。
  9. pdmodコマンドの制御文ファイルを作成します。
  10. pdmodコマンドでRDAERA1〜RDAREA5を再初期化します。
  11. pdopenコマンドでRDAERA1〜RDAREA5をオープンします。
  12. pdrorgコマンドの制御文ファイルを作成します。
  13. pdrorgコマンドでTABLE1のデータをリロードします。
  14. pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします。
  15. pdcopyコマンドでバックアップを取得します。
  16. pdrelsコマンドでRDAERA1〜RDAREA5の閉塞を解除します。
手順の数字はこの後で説明している( )レベルに対応しています。例えば,3の操作は(3)で説明しています。
<この項の構成>
(1) pdfstatfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域に空きがあるか確認します
(2) HiRDBファイルシステム領域を準備します
(3) pdholdコマンドでRDAERA1〜RDAREA5を閉塞します
(4) pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします
(5) pdcopyコマンドでバックアップを取得します
(6) pdrorgコマンドの制御文ファイルを作成します
(7) pdrorgコマンドでTABLE1のデータをアンロードします
(8) pdcloseコマンドでRDAERA1〜RDAREA5をクローズします
(9) pdmodコマンドの制御文ファイルを作成します
(10) pdmodコマンドでRDAERA1〜RDAREA5を再初期化します
(11) pdopenコマンドでRDAERA1〜RDAREA5をオープンします
(12) pdrorgコマンドの制御文ファイルを作成します
(13) pdrorgコマンドでTABLE1のデータをリロードします
(14) pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします
(15) pdcopyコマンドでバックアップを取得します
(16) pdrelsコマンドでRDAERA1〜RDAREA5の閉塞を解除します

(1) pdfstatfsコマンドでHiRDBファイルシステム領域に空きがあるか確認します

 
pdfstatfs /rdarea/area01
pdfstatfs /rdarea/area02
pdfstatfs /rdarea/area03
pdfstatfs /rdarea/area04
pdfstatfs /rdarea/area05
 

再初期化対象RDエリアのすべてのHiRDBファイルシステム領域を確認してください。

(2) HiRDBファイルシステム領域を準備します

(1)の結果,HiRDBファイルシステム領域に空きがないとします。再初期化するときにRDエリアの容量を大きくするため,次に示すどれかの方法でHiRDBファイルシステム領域を準備してください。

  1. 既存のHiRDBファイルシステム領域より大きいHiRDBファイルシステム領域を新規に割り当てる
  2. 既存のHiRDBファイルシステム領域に加えて新規のHiRDBファイルシステム領域を割り当てる
  3. 既存のHiRDBファイルシステム領域を大きくする

ここでは,1の方法でHiRDBファイルシステム領域を準備します。

 
pdfmkfs -n 100 -l 10 -k DB -i /rdarea/area11
pdfmkfs -n 100 -l 10 -k DB -i /rdarea/area12
pdfmkfs -n 100 -l 10 -k DB -i /rdarea/area13
pdfmkfs -n 100 -l 10 -k DB -i /rdarea/area14
pdfmkfs -n 100 -l 10 -k DB -i /rdarea/area15
 

(3) pdholdコマンドでRDAERA1〜RDAREA5を閉塞します

 
pdhold -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,RDAREA5
 

(4) pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします

 
pdlogswap -d sys -w
 

(5) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

 
pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r -a -b /pdcopy/backup01 -p /pdcopy/list01
 

〔説明〕
-m:マスタディレクトリ用RDエリアの先頭のHiRDBファイル名称を指定します。
-M:バックアップ取得モードを指定します。
-a:このオプションを指定すると,全RDエリアのバックアップを取得します。RDエリアを再初期化すると,「6.3 同時にバックアップを取得する必要があるRDエリア」で説明しているRDエリアが更新されるため,6.3で説明しているRDエリアのバックアップを取得する必要があります。ここでは全RDエリアのバックアップを取得します。
-b:バックアップファイル名を指定します。
-p:pdcopyコマンドの処理結果リストの出力先を指定します。
バックアップの取得については,「6. バックアップの取得方法」を参照してください。

(6) pdrorgコマンドの制御文ファイルを作成します

pdrorgコマンドのunload文を記述した制御文ファイル(/pdrorg/unld01)を作成します。制御文ファイルの内容を次に示します。

 
unload /unld/unldfile
 

〔説明〕
アンロードファイルの名称を指定します。

(7) pdrorgコマンドでTABLE1のデータをアンロードします

 
pdrorg -k unld -j -t TABLE1 /pdrorg/unld01
 

〔説明〕
-k:アンロードをするためunldを指定します。
-j:次に示す表をアンロードする場合に指定します。
  ・LOB列がある表
  ・LOB属性の抽象データ型を定義した表
-t:アンロードする表の名称を指定します。
/pdrorg/unld01:(6)で作成したpdrorgコマンドの制御文ファイル名を指定します。

(8) pdcloseコマンドでRDAERA1〜RDAREA5をクローズします

 
pdclose -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,RDAREA5
 

(9) pdmodコマンドの制御文ファイルを作成します

pdmodコマンドのinitialize rdarea文を記述した制御文ファイル(/pdmod/init01)を作成します。制御文ファイルの内容を次に示します。

 
initialize rdarea RDAREA1                               1
   with reconstruction                                  2
   file name "/rdarea/area11/file01"                    3
      initial 3000 segments;                            4
initialize rdarea RDAREA2
   with reconstruction
   file name "/rdarea/area12/file01"
      initial 3000 segments;
initialize rdarea RDAREA3
   with reconstruction
   file name "/rdarea/area13/file01"
      initial 3000 segments;
initialize rdarea RDAREA4
   with reconstruction
   file name "/rdarea/area14/file01"
       initial 3000 segments;
initialize rdarea RDAREA5
   with reconstruction
   file name "/rdarea/area15/file01"
       initial 3000 segments;
 

〔説明〕
再初期化するRDエリアには新規追加したHiRDBファイルシステム領域を割り当てます。
  1. 再初期化するRDエリアを指定します。
  2. 再初期化前とファイル構成が変わるため,with reconstructionを指定します。
  3. RDエリアを構成するHiRDBファイルを指定します。
  4. HiRDBファイルのセグメント数を指定します。

(10) pdmodコマンドでRDAERA1〜RDAREA5を再初期化します

 
pdmod -a /pdmod/init01
 

〔説明〕
-a:(9)で作成したpdmodコマンドの制御文ファイル名を指定します。
参考
RDAREA1の再初期化時,KFPX14255-W,KFPX24231-W,及びKFPX24242-WのRDエリア状態不正メッセージが出力されます。これは,RDAREA2〜RDAREA5を同時に再初期化しているためで問題はありません。また,RDAREA2,RDAREA4,RDAREA5の再初期化時,インデクスが未完状態に,LOB属性の抽象データ型がアクセス禁止状態になりますが,(13)のデータのリロード時にそれぞれ解除されるため問題ありません。

(11) pdopenコマンドでRDAERA1〜RDAREA5をオープンします

 
pdopen -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,RDAREA5
 

(12) pdrorgコマンドの制御文ファイルを作成します

pdrorgコマンドのunload文index文,及びsort文を記述した制御文ファイル(/pdrorg/reld01)を作成します。制御文ファイルの内容を次に示します。

 
unload /unld/unldfile                      1
index INDEX1 /unld/index_inf               2
sort /tmp/sotwork/,8192                    3
 

〔説明〕
  1. アンロードファイルの名称を指定します。
  2. インデクス識別子(INDEX1),及びインデクス情報ファイル名(/unld/index_inf)を指定します。
  3. ソート用ワークディレクトリの名称を指定します。

(13) pdrorgコマンドでTABLE1のデータをリロードします

 
pdrorg -k reld -j -t TABLE1 /pdrorg/reld01
 

〔説明〕
-k:リロードをするためにreldを指定します。
-j:次に示す表をリロードする場合に指定します。
  ・LOB列がある表
  ・LOB属性の抽象データ型を定義した表
-t:リロードする表の名称を指定します。
/pdrorg/reld01:(12)で作成したpdrorgコマンドの制御文ファイル名を指定します。

(14) pdlogswap -d sys -wコマンドで,システムログファイルをスワップします

 
pdlogswap -d sys -w
 

(15) pdcopyコマンドでバックアップを取得します

 
pdcopy -m /rdarea/mast/mast01 -M r -a -b /pdcopy/backup02 -p /pdcopy/list02
 

RDエリアを再初期化すると,「6.3 同時にバックアップを取得する必要があるRDエリア」で説明しているRDエリアが更新されるため,6.3で説明しているRDエリアのバックアップを取得する必要があります。ここでは全RDエリアのバックアップを取得します。バックアップの取得については,「6. バックアップの取得方法」を参照してください。

(16) pdrelsコマンドでRDAERA1〜RDAREA5の閉塞を解除します

 
pdrels -r RDAREA1,RDAREA2,RDAREA3,RDAREA4,RDAREA5
 

 

コマンドの実行後,実行結果が正しいかどうか確認することをお勧めします。コマンドの実行結果の確認方法については,マニュアル「HiRDB Version 8 コマンドリファレンス」を参照してください。