スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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10.6 ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能

ここでは,ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能を使用する方法について説明します。なお,ここでいうファイルアクセスエラーとは,HiRDBがファイルを操作したときにアクセス権がないためファイル操作に失敗したエラーを意味し,HiRDBファイルシステムに対するアクセス要求から返されるエラーコードに-1540が出力されるエラーのことです。詳細については,マニュアル「HiRDB Version 8 メッセージ」の「HiRDBファイルシステムのエラーコード一覧」を参照してください。

<この節の構成>
(1) ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能とは
(2) 注意事項
(3) 準備作業
(4) ファイルアクセスエラーが発生した場合の対処方法

(1) ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能とは

RDエリア用のHiRDBファイルシステム領域のアクセス権を誤って設定すると,HiRDBはRDエリアに対するファイルアクセスエラーを検知し,そのRDエリアを障害閉塞します。ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能を使用すると,RDエリアに対するファイルアクセスエラーを検知した場合,RDエリアを閉塞しないでユニットダウンさせることができます(ただし,マスタディレクトリ用RDエリアの場合はファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能を使用していなくても,障害閉塞しないでユニットダウンします)。これによって,HiRDBを再開始する前にファイルアクセスエラーの原因を取り除くことができ,RDエリアが障害閉塞することによる回復作業を回避できます。

(2) 注意事項

次に示す運用でUAP又はユティリティを実行中に,ファイルアクセスエラーを検知してユニットダウンした場合,処理対象のRDエリアが閉塞することがあります。

ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能を使用する場合は,できるだけこれらの運用は避けてください。もし,これらの運用が必要な場合は,RDエリアが閉塞しても最新の状態に回復できるよう,UAP又はユティリティの実行前にバックアップを取得してください。

(3) 準備作業

この機能を使用するには,システム共通定義(pdsys)を次のように指定してください。

  1. pd_db_access_error_actionオペランドにunitdownを指定します。
    この値を指定すると,ファイルアクセスエラーを検知した場合,KFPH23040-Iメッセージを出力し,ユニットダウンします。この場合,RDエリアの障害閉塞は発生しないため,HiRDBの再開始だけで回復します。
  2. pd_mode_confオペランドにMANUAL2を指定します。
    この値を指定すると,ユニットダウン後にHiRDBを自動開始しないようにできます。
    なお,AUTO又はMANUAL1を指定すると,ファイルアクセスエラーを検知してユニットダウンしても,原因を取り除く前にHiRDBが再開始してしまうおそれがあります。この場合,再びファイルアクセスエラーを検知してしまい,ユニットダウンと再開始が繰り返されますので注意してください。

(4) ファイルアクセスエラーが発生した場合の対処方法

ファイルアクセスエラー検知時ユニットダウン機能を使用していてユニットダウンが発生した場合,HiRDB管理者は次の図に示す手順に従って対応してください。

図10-1 ファイルアクセスエラーが発生した場合の対処方法

[図データ]