バックアップを取得したときに差分バックアップ管理ファイルが出力されます。この差分バックアップファイルには差分バックアップ取得時の情報が格納されていて,バックアップの取得時及びバックアップを使用したデータベースの回復時にHiRDBが使用します。
この差分バックアップ管理ファイルを格納するHiRDBファイルシステム領域をpdfmkfsコマンドで作成してください。HiRDB/パラレルサーバの場合,システムマネジャを定義したユニットにHiRDBファイルシステム領域を作成してください。
pdfmkfs -n 10 -l 4096 -e 60000 -k UTL /pdcopy/admfile
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- 〔説明〕
- -n:HiRDBファイルシステム領域長をメガバイト単位で指定します。
- -l:最大ファイル数を指定します。
- -e:増分回数を指定します。
- -k:HiRDBファイルシステム領域の使用目的(ユティリティ用)を指定します。
- /pdcopy/admfile:
- HiRDBファイルシステム領域名を指定します。このHiRDBファイルシステム領域内に差分バックアップ管理ファイルが作成されます。差分バックアップ管理ファイルの名称は,差分バックアップグループ名と同じになります。
- 注意
- 差分バックアップ管理ファイルは,差分バックアップ取得時の情報が格納されている重要なファイルです。このファイルがないと差分バックアップ機能が使用できなくなり,データベースを回復できなくなります。したがって,このHiRDBファイルシステム領域及びこのファイルを誤って削除しないようにしてください。バックアップの取得後,pdfbkupコマンドで差分バックアップ管理ファイルのバックアップを取得してください。
- 系切り替え機能を使用する場合,現用系と予備系で共用するハードディスク(キャラクタ型スペシャルファイル)にHiRDBファイルシステム領域を作成してください。通常ファイル上にHiRDBファイルシステム領域を作成すると次に示す運用が必要になります。
- 〈手順〉
- 現用系と予備系に同じ名称のHiRDBファイルシステム領域を作成します。
- バックアップの取得後,pdfbkupコマンドで差分バックアップ管理ファイルのバックアップを取得します。
- 2で取得した差分バックアップ管理ファイルのバックアップをftpなどを使用して予備系にコピーします。
- pdfrstrコマンドで予備系のシステムに差分バックアップ管理ファイルをリストアします。
- 参考
- 同じHiRDBファイルシステム領域内にバックアップファイルと差分バックアップ管理ファイルを格納できます。
差分バックアップ機能を適用するRDエリア群(RDエリアのグループ)を差分バックアップグループといいます。ここでは,どのようにRDエリアをグループ化するかを説明します。
(a) 最新の差分バックアップ取得時点に回復する場合,又はアンロードログファイル(システムログファイル)を使用した回復をする場合
この場合,差分バックアップグループ内の特定のRDエリアを回復できます。データベースのデータ量が多い場合に全RDエリアのバックアップを一つのグループにすると,特定のRDエリアを回復するときに時間が掛かります。これは,バックアップファイルをシーケンシャルに読み込むための時間を必要とするからです。
このため,適当な数のRDエリアをグループ化してバックアップを取得することをお勧めします。例えば,ディスク障害になった場合はディスク単位にRDエリアを回復するため,同じディスクに格納されているRDエリアを一つのグループにします。
(b) 最新でない差分バックアップ取得時点に回復する場合(バックアップファイルだけを使用して回復する場合)
この場合,差分バックアップグループ内の特定のRDエリアを回復できません。回復する場合はグループ内の全RDエリアが回復の対象になります。
このため,関連のあるRDエリアをグループ化することをお勧めします。例えば,同一表のデータを格納しているRDエリアとその表のインデクスを格納しているRDエリアをグループ化してください。そうすれば,RDエリアを回復する場合にpdrstrコマンドを1回実行すれば,表格納RDエリア及びインデクス格納RDエリアを同時に回復できます。
- 注意
- バックアップファイルだけを使用して,最新でない差分バックアップ取得時点にRDエリアを回復した場合,差分バックアップ管理ファイル中の回復時点以降の差分バックアップ情報が無効になります。このため,最新の差分バックアップ取得時点にRDエリアを回復できなくなります。なお,回復中にエラーが発生した場合は,差分バックアップ情報を無効にしません。
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