スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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6.5.1 差分バックアップ機能とは

通常,バックアップはRDエリア単位に取得するため,更新したページも更新しないページもバックアップの取得対象になります。差分バックアップ機能を使用すると,前回のバックアップ取得時点から現在までに更新したページだけがバックアップの取得対象になります。このように,前回のバックアップ取得時点からの差分だけをバックアップとして取得するため,バックアップの取得処理時間を短縮できます。データベースの容量が多くてデータ更新量が少ない場合に,差分バックアップ機能の使用を検討してください。差分バックアップ機能の概要を次の図に示します。

図6-1 差分バックアップ機能の概要

[図データ]

〔説明〕
  1. 日曜日にRDエリア1〜3のバックアップを取得します。このとき,RDエリア1〜3内の使用中ページがバックアップの対象になります。このバックアップをフルバックアップといい,グループ化したRDエリア群を差分バックアップグループといいます。
  2. 月曜日の業務で更新処理を行います。
  3. 月曜日の業務終了後にRDエリア1〜3のバックアップを取得します。このとき,RDエリア1〜3内の更新ページがバックアップの対象になります。このバックアップを差分バックアップといいます。
  4. 火曜日の業務で更新処理を行います。
  5. 火曜日の業務終了後にRDエリア1〜3のバックアップを取得します。このとき,RDエリア1〜3内の更新ページがバックアップの対象になります。

データベースの回復方法
差分バックアップ機能使用時のデータベースの回復方法については,「20.4 差分バックアップ機能使用時のデータベースの回復方法」を参照してください。
参考
アンロードレスシステムログ運用の場合でも,差分バックアップ機能を使用できます。
注意
  • 同じ差分バックアップグループのバックアップファイル(フルバックアップファイル,差分バックアップファイル,及び累積差分バックアップファイル)は,同じサーバマシンに格納してください。累積差分バックアップファイルについては,「6.5.4 累積差分バックアップの作成」を参照してください。
  • LOB用RDエリアに対しては差分バックアップを取得できません。毎回,全使用中のページがバックアップの対象になります。
  • RDエリアの構成変更をした場合は,RDエリアのフルバックアップを取得し直す必要があります。RDエリアの構成変更後にRDエリアを回復する場合は,RDエリアの構成変更前のバックアップを使用できません。
  • テープ装置にバックアップを取得する場合は,JP1/OmniBack II又はNetBackup連携機能を使用してバックアップを取得してください。JP1/OmniBack II又はNetBackup連携機能を使用しないとテープ装置にバックアップを取得できません。
  • JP1/OmniBack IIを使用してバックアップを取得する場合,pdcopyコマンド終了以降にバーリストファイルを変更しないでください。また,バーリストファイル内の保護指定をなしにしないでください。