スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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5.1 基本項目

HiRDBを再開始するときに必要な情報をステータスファイルに格納します。ここでは,ステータスファイルを運用する前に理解してほしいことについて説明します。

<この節の構成>
(1) ステータスファイルの状態
(2) HiRDB開始時のステータスファイルの状態
(3) ステータスファイルの状態が変わるときは?
(4) ステータスファイルのスワップとは
(5) ステータスファイルを操作するコマンド

(1) ステータスファイルの状態

HiRDBはステータスファイルを次の表に示す状態に分けて管理しています。

表5-1 ステータスファイルの状態

状態 説明
現用 システムステータス情報が出力されているファイルです。
予備 現時点では,システムステータス情報の出力対象になっていませんが,現用ファイルが入出力障害などで使用できなくなった場合,現用ファイルにスワップするファイルです。ファイルはオープン中の状態です。
予約 この状態のステータスファイルは,システムステータス情報の出力対象になりません。ファイルはクローズ中の状態です。
また,HiRDBシステム定義にステータスファイル名称を指定しただけで,その名称に対応するステータスファイルを作成していない場合もこの状態となります。
閉塞 ステータスファイルに障害が発生して閉塞している状態です。

(2) HiRDB開始時のステータスファイルの状態

HiRDBを正常開始すると,システム定義の次に示すオペランドで最初に指定したステータスファイルが現用となります。残りのステータスファイルは予備になります。

 
参考
  • オープン処理に失敗したファイルは予約となります。また,障害のためオープンできなかったファイルは閉塞状態になります。
  • HiRDBを再開始した場合は,前回稼働時の現用ファイルが引き継がれます。

(3) ステータスファイルの状態が変わるときは?

ステータスファイルがスワップすると,ステータスファイルの状態が変わります。次に示すときに,ステータスファイルはスワップします。

(4) ステータスファイルのスワップとは

HiRDBは,A系,B系のどちらかの現用ファイルに障害が発生した場合,障害が発生しなかった系のファイルの内容を予備ファイルに複写します(現用ファイルには,A系とB系の両方に同じ内容が書き込まれています)。その後,予備ファイルを現用に切り替えます。現用だったファイルは閉塞になります。これをステータスファイルのスワップといいます。このとき,予備ファイルがないとユニットが異常終了します。ステータスファイルのスワップを次の図に示します。

図5-1 ステータスファイルのスワップ

[図データ]

(5) ステータスファイルを操作するコマンド

ステータスファイルを操作するコマンドを次の表に示します。

表5-2 ステータスファイルを操作するコマンド

コマンド名 説明
pdstsinit ステータスファイルを初期設定します。
pdstsopen
  • クローズ状態のステータスファイルをオープンします。予約ファイルを予備にします。
  • 初期設定したステータスファイルをオープンします。
pdstscls オープン状態のステータスファイルをクローズします。予備ファイルを予約にします。
pdstsswap ステータスファイルをスワップさせます。現用ファイルを予備にします。
pdstsrm ステータスファイルを削除します。