スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム運用ガイド(UNIX(R)用)

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3.9.6 システムログファイルの状態情報ファイルの出力(空き容量監視機能)

ここでは,システムログファイルの容量不足の原因をシステムログファイルの状態情報ファイルを利用して特定する方法について説明します。

<この項の構成>
(1) システムログファイルの状態情報ファイルの内容
(2) システムログファイルの容量不足の原因を特定する方法

(1) システムログファイルの状態情報ファイルの内容

システムログファイルの空き率が警告値未満になった場合,システムログファイルの状態情報ファイルが出力されます。このファイルにはシステムログファイル,シンクポイント,及びトランザクションの状態が取得されます。システムログファイルの状態情報ファイルは$PDDIR/spool/pdjnlinf下に作成されます。ファイル名称は次に示す規則に従って付けられます。

 pdsnap.サーバ名.発生時刻

備考
  • 日付及び時刻情報の取得に失敗した場合は,発生時刻が999999999999になります。
  • 同じ名称のファイルがある場合は,そのファイルは上書きされます。
  • ファイル名を変更している場合は,pdcspoolコマンドでファイルを削除できないことがあります。

システムログファイルの状態情報ファイルの出力内容
システムログファイルの状態情報ファイルの出力内容を次に示します。バックエンドサーバbes1で空き率が警告値未満になった例です。
pdsnap.bes1.030415124350     ←ファイル名※1
Date:2003/04/15             ←発生日※1
Time:12:43:50               ←発生時刻※1
pdlogls -d sys -e -s bes1    ←HiRDBが内部発行したコマンド
 pdloglsコマンドの実行結果
      :
 
pdlogls -d spd -e -s bes1
 pdloglsコマンドの実行結果
      :
 
pdls -d trn -a -s bes1
 pdlsコマンドの実行結果
      :
 
pdls -d svr
 pdlsコマンドの実行結果※2
      :
 

注※1
日付及び時刻情報の取得に失敗した場合,99…99が表示されます。必要に応じてファイル名を変更してください。

注※2
HiRDB/パラレルサーバの場合,該当するサーバのユニットについての情報だけを表示します。

(2) システムログファイルの容量不足の原因を特定する方法

システムログファイルの状態情報ファイルを利用して,システムログファイルの空き容量不足の原因を特定します。特定方法を次に説明します。

(a) システムログファイルの状態情報ファイルの特定

KFPS01160-E又はKFPS01162-Wメッセージからシステムログファイルの状態情報ファイルを特定します。

(例)KFPS01160-Eが出力されていた場合
KFPS01160-E Insufficient system log space. Transaction service stopped. Transactions terminate by force, server = bes1, output file name = pdsnap.bes1.030401084500
この場合のシステムログファイルの状態情報ファイル名は次のとおりになります。
$PDDIR/spool/pdjnlinf/pdsnap.bes1.030401084500
(b) システムログファイルの状態の取得

システムログファイルの状態情報ファイルの内容を参照して,システムログファイルの状態を確認してください。システムログファイルの状態はpdlogls -d sysコマンドの出力結果のStatusに表示されています。

(c) システムログファイルの空き容量不足の発生原因

システムログファイルの状態から発生原因を推測できます。システムログファイルの空き容量不足の発生原因を次の表に示します。

表3-12 システムログファイルの空き容量不足の発生原因

システムログファイルの状態 システムログファイルの空き容量不足の発生原因
アンロード待ち状態のファイルが多い場合 システムログファイルをアンロードしていなかったと考えられます。定期的にシステムログファイルをアンロードしてください。
上書きできない状態のファイルが多い場合 次に示す原因が考えられます。
  • 1トランザクションで大量更新を行うと,更新ログ量が増えてシステムログファイルの空き率が減ります。このようなトランザクションは複数のトランザクションに分割してください。できない場合はシステムログファイルの容量を大きくしてください。
  • 長時間決着しないトランザクションがあるとシンクポイントを取得できないため,その間の更新ログ量が増えてシステムログファイルの空き率が減ります。このようなトランザクションがある場合,サーバの最大待ち時間(クライアント環境定義のPDSWAITTIMEオペランドの値又はpd_watch_pc_client_timeオペランドの値)を見直すか,又はシンクポイントダンプ有効化のスキップ回数監視機能を使用してください。
抽出未完了状態のファイルが多い場合 システムログファイルの抽出処理が追い付かなかったと考えられます。システムログファイルの設計を見直すか,又はHiRDB Datareplicatorを使用したデータ連動の運用方法を見直してください。
オンライン再編成上書き禁止状態のファイルが多い場合 更新可能なオンライン再編成の追い付き反映処理が追い付かなかったと考えられます。システムログファイルの設計を見直すか,又はインナレプリカ機能の更新可能なオンライン再編成の運用方法を見直してください。