スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(UNIX(R)用)

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23.1.5 簡易導入で構築するHiRDBのシステム構成

簡易導入で構築するHiRDBのシステム構成を次の図に示します。

図23-1 簡易導入で構築するHiRDBの構成

[図データ]

〔説明〕
  1. 簡易導入では,簡単にHiRDBのシステムを構築するために,サーバマシンを1台だけ使用しています。ただし,本来HiRDB/パラレルサーバは,サーバマシン複数台で動作し,データの検索などの処理を並列に実行できるシステムです。
  2. HiRDBのユニットを作成します。ユニットの概要については「(1)ユニット」を参照してください。
  3. HiRDBのサーバ構成を設定します。サーバの概要については「(2)サーバ」を参照してください。
  4. HiRDB専用のファイルシステム領域(HiRDBファイルシステム領域)に,システムファイル,RDエリアを作成します。簡易導入では,システムファイル及びシステム用RDエリアについては,余り意識する必要がないため,この図では省略しています。システムファイルの概要については「(3)システムファイル」,RDエリアの概要については「(4)RDエリア」を参照してください。
  5. 4.で作成したRDエリアに表,インデクスを定義し,データを格納します。表,インデクスの定義については,「23.5 表,インデクスの定義」を参照してください。

HiRDB内の主要な構成単位である,ユニット,サーバ,システムファイル及びRDエリアについて簡単に説明します。

<この項の構成>
(1) ユニット
(2) サーバ
(3) システムファイル
(4) RDエリア

(1) ユニット

サーバマシン1台に対して,HiRDBが動作する環境の単位をユニットといいます。サーバマシンが複数の場合は,それぞれのサーバマシンに一つずつユニットがあります。

(2) サーバ

HiRDB/パラレルサーバは,データベースマネジメントシステムの機能をサーバという単位に分担させて,並列処理ができるシステムを実現しています。HiRDBのサーバの種類を次の表に示します。

表23-3 HiRDBのサーバの種類

サーバ 働き
システムマネジャ HiRDBの開始及び終了を制御します。
フロントエンドサーバ データベース言語SQLから,データベースへのアクセス方法を決定して実行内容を指示します。
バックエンドサーバ フロントエンドサーバからの実行指示に従って,データベースのアクセスをします。
ディクショナリサーバ データベースの定義情報を一括管理します。

(3) システムファイル

障害発生時にHiRDBのシステムの状態を回復するためにHiRDBが使用するファイルをシステムファイルといいます。HiRDBのシステムファイルの種類を次の表に示します。

表23-4 HiRDBのシステムファイルの種類

ファイルの種類 働き
システムログファイル データベースの更新履歴情報を格納します。
シンクポイントダンプファイル HiRDBの管理情報を格納し,システムログファイルと併せて,障害回復時に利用できます。
ステータスファイル HiRDBの再開始時に必要なシステムのステータス情報を格納します。

(4) RDエリア

データベースの情報を格納するための単位をRDエリアといい,HiRDBファイルシステム領域中の複数のHiRDB専用のファイルから構成されます。RDエリアの主な種類について次の表に示します。

表23-5 RDエリアの主な種類

RDエリア 働き
システム用RDエリア ディクショナリ表などのシステムの情報を格納します。
ユーザ用RDエリア ユーザが作成する表とインデクスを格納します。
ユーザLOB用RDエリア ユーザが作成する表とインデクスのうち,キロバイト,メガバイト,ギガバイト単位の長大データ(バイナリデータ)を格納します。