スケーラブルデータベースサーバ HiRDB Version 8 システム導入・設計ガイド(UNIX(R)用)

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12.5 デファードライト処理の指定

デファードライト処理とは,グローバルバッファ上で更新されたページをCOMMIT文が発行されてもディスクに書き込まないで,更新ページ数がある一定の値に達した時点でディスクに書き込む処理のことです。なお,更新ページ数がある一定の値(HiRDBが決定する値)に達した時点をデファードライトトリガといいます。ディスクに書き込む更新ページの数は,システム共通定義のpdbufferオペランドの-wオプションで指定した,デファードライトトリガでの更新ページの出力比率を基にHiRDBが決定します。なお,次のRDエリアはデファードライト処理の対象ではありません。

<この節の構成>
(1) デファードライト処理の効果
(2) 指定方法
(3) 指定上の考慮点
(4) 注意

(1) デファードライト処理の効果

COMMIT文が発行されてもディスクに書き込まないため,入出力処理の負荷が軽減します。

(2) 指定方法

pd_dbsync_pointオペランドsyncを指定するか,指定を省略してください。また,pdbufferオペランドの-wオプションに,デファードライトトリガでの更新ページ出力比率を指定します。

(3) 指定上の考慮点

  1. グローバルバッファに割り当てるRDエリアに格納された表やインデクスに対する更新が多い場合は,デファードライトトリガでの更新ページの出力比率を低めに設定します。
  2. グローバルバッファに対する更新が多くても,同じデータに対する更新がほとんど発生しない場合は,デファードライトトリガでの更新ページの出力比率を高めに設定します。
  3. HiRDBを稼働してから,更に性能の向上を図る場合は,pdbuflsコマンドを使用します。それぞれの編集項目である各グローバルバッファの更新要求ヒット率を参照して,次に示すように設定します。
    • 更新要求バッファヒット率が高い場合は,デファードライトトリガでの更新ページの出力比率を低く設定します。
    • 更新要求バッファヒット率が低い場合は,デファードライトトリガでの更新ページの出力比率を高く設定します。

(4) 注意

デファードライトトリガでの更新ページ出力比率を必要以上に高くすると,デファードライト処理でのディスクへの書き込みが多くなります。このため,同時に実行しているトランザクションが入出力待ちになることがあり,レスポンスタイムが悪くなることがあります。

また,必要以上に低くすると,シンクポイントダンプの出力時に,データベースに書き出すページ数が多くなることがあります。このため,同時に実行しているトランザクションが入出力待ちになることがあり,レスポンスタイムが悪くなることがあります。