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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 TP1/Financial Service Platform 使用の手引


30.6.4 eeobmstart

機能

OBMの実行を開始または再開始します。

オンライン中のOBM構成定義を変更する運用のために複数BCMと接続する場合,eeobmstartコマンドはOPENしているOBMに対して実行できます。

イベント型OBMの場合は,ロット名を指定して特定のロットだけを,開始,再開始できます。

eeobmstartコマンドは,OBMが停止または終了と同期して終了します。OBMが停止,終了するまでeeobmstartコマンドは終了しません。ただし,OBMの状態が実行中で計画停止中ロットを再開始するためにeeobmstartコマンドを実行した場合は,OBMの停止,終了とは同期しないでコマンドが終了します。

eeobmstartコマンドは,OBMの状態によってOBMを開始するか,再開始するかが決まります。ただしOBMの状態が開始,再開始が可能な状態であってもeeobmskipコマンド,eeobmstopコマンド,またはeeobmchgtrnコマンドが実行中の場合は,eeobmstartコマンドを受け付けません。

イベント型のOBMに対して-lオプションを指定すると特定のロットだけを開始できます。OBMの状態が未実行の場合は,-lオプションを指定したロットとそのロットの親ロットおよび子ロットを実行待ち状態とし,ほかのロットを計画停止状態で開始します。OBMの状態が実行中,計画停止中,強制停止中の場合は,-lオプションは計画停止状態のロットに対してだけ指定できます。指定したロットと,そのロットの親ロットおよび子ロットを実行待ち状態とし,ほかのロットの状態は変更しません。

-lオプションを指定しなかった場合は,OBMの状態によって状態が変わるロットが決まります。OBMの状態が計画停止状態の場合は,計画停止状態の最下位ロットと,その親ロットが実行待ち状態となります。強制停止状態のロットの状態は変わりません。OBMの状態が強制停止の場合は,強制停止状態の最下位ロットと,その親ロットが実行待ち状態となります。計画停止状態のロットの状態は変わりません。

詳細は,「5.4.4 運用コマンド,APIによるOBMとロットの状態遷移」を参照してください。

表30‒17 eeobmstartコマンド実行可否

項番

OBMの状態

データ型

イベント型

-lなし

-lあり

-lなし

-lあり

1

未実行

S※3※4

×

S※3※4

S※3※4

2

初期化中

×

×

×

×

3

実行中

計画/強制停止ロットなし

×

×

×

×

4

強制停止ロットあり

×

×

×

×

5

計画停止ロットあり

×

×

R※1※2※4

R※1※2※4

6

クローズ中

×

×

×

×

7

終了中

×

×

×

×

8

停止処理中

×

×

×

×

9

計画停止

R※4

R※4

10

強制停止

R※4

×

R※4

R※4

11

再開始処理中

×

×

×

×

12

一時休止

×

×

×

×

(凡例)

S:開始

R:再開始

×:コマンド実行不可

−:該当しない

注※1

強制停止要求,計画停止要求を受け付け済み,あるいは障害を検知済みの場合は,コマンド実行できません。

注※2

OBMの停止,終了とは同期しないでコマンドが終了します。

注※3

オプション指定なしのeesvstopコマンドを実行後(TP1/EE正常終了)は,実行できません。

注※4

-aオプション指定のeesvstopコマンドを実行後(TP1/EE計画停止A)は,実行できません。

形式
eeobmstart -g サービスグループ名
           -o OBM名
          [-l ロット名[,ロット名]]
          [-c 開始要求受付応答待ち時間]
TP1/Client/Wの設定

本コマンドの実行にはTP1/Client/Wを使用します。実行するユーザ環境に次に示す環境変数を設定してください。

  • DCHOST

    BCMのあるTP1/EEが動作するTP1/SBのホスト名を指定します。また,TP1/SBのネームサービスのポート番号を指定します。

  • DCNAMPORT

    BCMのあるTP1/EEが動作するTP1/SBのネームサービスのポート番号を指定します。DCHOSTでTP1/SBのネームサービスのポート番号を指定した場合は,省略できます。

また,次に示す環境変数を設定することを推奨します。

  • DCTRCPATH

    本コマンドが出力する各種トレースファイルを作成するディレクトリ名を完全パス名で指定します。設定されなかった場合は,本コマンド実行時にDCTRCPATHに$DCDIR/spool/dceeinfを設定します。

オプション

-g サービスグループ名 〜〈1〜31文字の識別子〉

BCMのTP1/EEのサービスグループ名を指定します。

-o OBM名 〜〈1〜8文字の識別子〉

開始,または再開始するOBM名を指定します。

-l ロット名[,ロット名] 〜〈1〜8文字の英数字〉

イベント型OBMの場合に指定できます。

開始,再開始するロット名を指定します。2階層目のロットから順に「,」で区切って指定します。省略した場合は,OBMを開始,再開始します。

開始時にロット名を指定した場合は,ほかのロットは計画停止状態となります。

-c 開始要求受付応答待ち時間 〜〈符号なし整数〉((1〜300))《5》

BCMのTP1/EEから応答を受信するまでの待ち時間です。指定した時間が経過してもBCMのTP1/EEから応答がない場合は,OBMの開始を中止してeeobmstartコマンドが異常終了します。

exitコード

exitコード

意味

0

OBM正常終了,または-hフラグを指定

10

オンライン中のOBM構成定義を変更する運用のために複数BCMと接続する場合で,OBMがOPENされていない

20

OBM開始処理でBCMのTP1/EEメモリ不足

30

OBM開始/再開始UOC設定値不正

  • OBM開始/再開始UOCがエラーリターンかつexitコードをUOCで未設定

  • ユーザが値を設定する項目の設定値が不正

31〜40

OBM開始/再開始UOCがエラーリターン

50

OBM開始処理トランザクションが異常終了

70

eeobmstartコマンドプロセスのエラー,または状態不正

  • OBMの状態がeeobmstartを受け付けられる状態ではない

  • ほかのコマンド実行中

  • オプション不正

  • 環境変数不正

  • BCMのTP1/EEへの送信失敗(環境変数不正も含む)

80

OBM計画停止

90

OBM強制停止

100

BCMのTP1/EEの障害検知(OBMの状態不明)

125

内部矛盾

出力形式

OBMが停止/終了したことによってeeobmstartコマンドが終了した場合は,OBMの実行結果を標準出力に出力します。出力形式は,eeobmstatlsで-oオプションを指定した場合と同じです。詳細は「30.6.11 eeobmstatls」を参照してください。

注※

eeobmstartコマンドのexitコードが0(-hオプション指定時を除く),80,90の場合です。

出力メッセージ

メッセージID

内容

出力先

KFSB95706-E

領域不足

標準エラー出力

KFSB95701-E

コマンド形式不正

標準エラー出力

KFSB95702-E

オプション不正

標準エラー出力

KFSB95704-E

オプション組み合わせ不正

標準エラー出力

KFSB95707-E

内部矛盾

標準エラー出力

KFSB95725-I

ヘルプメッセージ

標準出力

KFSB95770-E

KFSB95771-E

コマンドエラー(コマンドプロセスで障害)

標準エラー出力

KFSB95772-E

コマンドエラー(TP1/EEプロセスで障害)

標準エラー出力

KFSB95773-E

OBMの実行中に通信エラー

標準エラー出力

KFSB95774-W

実行結果の取得処理で通信エラー

標準エラー出力

KFSB95775-I

計画停止中ロットの再開始受付

標準エラー出力