24.2.2 表の作成
UAP履歴情報取得機能で使用する表の作成手順を次の図に示します。
- 〈この項の構成〉
(1) RDエリアの作成
UAP履歴情報取得機能で使用する表,インデクス,ストアドルーチンを格納するRDエリアを作成します。表を格納するRDエリアとインデクスを格納するRDエリアは,分けることを推奨します。RDエリアは,HiRDBのデータベース初期設定ユティリティ(pdinit)で作成,またはデータベース構成変更ユティリティ(pdmod)で追加します。HiRDBのユティリティについては,マニュアル「HiRDB Version 9 コマンドリファレンス(UNIX(R)用)」を参照してください。
(2) グループ管理表の作成
グループ管理表はUAP履歴情報グループ作成コマンド(eeaphgrph)で作成します。
-uオプションのUAP履歴情報グループ名には,トランザクション関連定義のtrnaphgroup定義コマンドおよびtrnaphputid定義コマンドの-uオプションに指定するUAP履歴情報グループ名と同じ名称を指定します。
-nオプションのTP1/EEのノード識別子には,作成するUAP履歴情報グループを使用するTP1/EEのRPC関連定義のnode_idオペランドと同じノード識別子を指定します。
-bオプションと-iオプションには,グループ管理表とインデクスを格納するRDエリア名をそれぞれ指定します。
-zオプションの最大履歴情報長には,次に示す内容を目安として指定してください。本指定値は,表(ディスク)の使用効率や性能に影響します。あわせて,「24.17 履歴情報レコードのフォーマット」を参照してください。
-
-zオプション指定値よりUAP履歴情報の書き込みサイズが小さい場合,後続エリアにスペースの埋め込みが発生するため,差が大きいほど性能に影響します。
-
-zオプション指定値よりUAP履歴情報の書き込みサイズが大きい場合,分割して複数行に書き込むため,分割数が大きいほど性能に影響します。
UAP履歴情報の合計サイズ
-zオプション設定の目安
算出方法
各トランザクションのUAP履歴情報の合計サイズが固定
a≦30,000
z=a
1.
a>30,000
a/zの余りが小さくなるように指定
2.
各トランザクションのUAP履歴情報の合計サイズが可変
b≦30,000
z=b
3.
z=b×c(やや大きめに設定)
4.
b>30,000
b/zの余りが小さくなるように指定
5.
-zオプションの設定例を次に示します。
-
1トランザクション内のUAP履歴情報の合計サイズが8,000バイト固定の場合
-zオプション指定値=8,000(分割なし) 算出方法1.
-
1トランザクション内のUAP履歴情報の合計サイズが50,000バイト固定の場合
-zオプション指定値=25,000(2分割) 算出方法2.
-
1トランザクション内のUAP履歴情報の合計サイズが可変(5,000〜50,000バイト)でUAP履歴情報の合計サイズ8,000バイトのトランザクションがいちばん多い場合
-zオプション指定値=8,000(最大7分割) 算出方法3.
-zオプション指定値=8,340(最大6分割) 算出方法4.
-
1トランザクション内のUAP履歴情報の合計サイズが可変(5,000〜50,000バイト)でUAP履歴情報の合計サイズ40,000バイトのトランザクションがいちばん多い場合
-zオプション指定値=20,000(最大3分割) 算出方法5.
-kオプションの分割行数には次に記載した内容を目安として指定してください。本指定値は,表(ディスク)の使用効率や性能に影響します。
-
-kオプション指定値より1つのトランザクションからのUAP履歴情報の一括書き込み行数が大きい場合,複数のRDエリアに分割して書き込むため性能に影響します。
-
-kオプション指定値が小さいほど,次の機能のUAP履歴情報の抽出(検索)性能に影響します。
・データ連携支援
・データ抽出ユティリティ
・UAP履歴情報の編集出力コマンド
-
-kオプション指定値より同時処理するトランザクションからのUAP履歴情報の一括書き込み行数の合計が小さい場合,1つのRDエリアに負荷が集中し性能に影響します。次の算出式を満たすことを推奨します。
-kオプション指定値≦↑a×b÷c↑
(凡例)
a:同時処理するトランザクション数
b:UAP履歴情報の一括書き込み行数
c:履歴情報表を格納するRDエリア数
-mオプションに2を指定したとき,次の条件をすべて満たしたときに空白行が発生します。
-
e≦f
-
↓d÷f↓×f<d
-
f−↑d÷f↑×f−d<e
上記の条件を満たしたときの空白行の算出式と空白行の発生有無の例を次に示します。
空白行数=f−↑d÷f↑×f−d
- (凡例)
-
d:履歴情報表のデータ通番
e:UAP履歴情報の一括書き込み行数
f:eeaphgrphコマンドの-kオプションの分割行数
項番
分割行数
一括書き込み
データ通番
空白行数
1
12
4
104
0
2
105
3
3
106
2
4
107
1
5
108
0
(3) 履歴情報表の作成
履歴情報表は取得用履歴情報表作成コマンド(eeaphtblh)で作成します。UAP履歴情報グループ作成コマンド(eeaphgrph)でUAP履歴情報グループを作成する前に,取得用履歴情報表作成コマンド(eeaphtblh)で履歴情報表を作成することはできません。
-uオプションのUAP履歴情報グループ名には,作成する履歴情報表を登録するUAP履歴情報グループ名を指定します。UAP履歴情報グループ作成コマンド(eeaphgrph)の-uオプションに指定したUAP履歴情報グループ名と同じ名称を指定します。
-tオプションの履歴情報表名には,任意の名称を指定できます。ただし,この名称はHiRDBのスキーマ内で一意になるようにしてください。
-bオプションと-iオプションと-jオプションには,履歴情報表とインデクスを格納するRDエリア名をそれぞれ指定します。
履歴情報表は,グループ管理表と同じHiRDBサーバの同じスキーマに作成する必要があります。そのため,-uオプションに指定したUAP履歴情報グループを作成したUAP履歴情報グループ作成コマンド(eeaphgrph)実行時と同じHiRDBサーバの同じスキーマに履歴情報表を作成するように,HiRDBクライアント環境定義のPDHOST,PDNAMEPORT,およびPDUSER環境変数を指定します。
同じUAP履歴情報グループに複数の履歴情報表を登録する場合,-uオプションに同じUAP履歴情報グループ名を指定して取得用履歴情報表作成コマンド(eeaphtblh)を複数回実行します。