Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(Linux®用)
ここでは,シングルパス環境の場合にSCSIデバイス上にある論理ボリュームをマルチパス環境のHDLMデバイス上に移行する手順を説明します。「図3-32 SCSIデバイス上にある論理ボリュームをHDLMデバイス上に移行する場合のデバイス構成(シングルパス環境の場合)」に示す環境は,次の手順で構築してください。
図3-32 SCSIデバイス上にある論理ボリュームをHDLMデバイス上に移行する場合のデバイス構成(シングルパス環境の場合)
「図3-32 SCSIデバイス上にある論理ボリュームをHDLMデバイス上に移行する場合のデバイス構成(シングルパス環境の場合)」のsdnは,それぞれ別のLUを示します。sddlmad1とsddlmad2はそれぞれのLUに対応するHDLMデバイスを示します。
- HDLMがインストールされていることを確認します。
rpmコマンドを実行して,HDLMがインストールされていることを確認します。# rpm -q HDLM HDLM-x.x.x.x.xxx-x- シングルパス状態であることを確認します。
HDLM構成定義ユティリティ(dlmcfgmgr)に-vパラメタを指定して実行して,LUに対するパスがシングルパス状態であることを確認します。# dlmcfgmgr -v HDevName Management Device Host Channel Target Lun /dev/sddlmaa configured /dev/sda 2 0 0 0 /dev/sddlmab configured /dev/sdb 2 0 0 1 KAPL10302-I /sbin/dlmcfgmgr completed normally.- SCSIデバイスおよびHDLMデバイスを使用しているプロセス,サービスなどをすべて停止します。
- 移行対象の論理ボリュームをアンマウントします。
論理ボリュームが/mnt/lvol1にマウントされている場合の実行例を次に示します。# umount /mnt/lvol1- ボリュームグループを非活性化します。
移行対象の論理ボリュームが,vg01(ボリュームグループ)に属している場合の実行例を次に示します。# vgchange -an vg01 0 logical volume(s) in volume group "vg01" now active- ボリュームグループをエクスポートします。
vg01(ボリュームグループ)の情報をエクスポートする場合の実行例を次に示します。# vgexport vg01 Volume group "vg01" successfully exported- /etc/lvm/lvm.confファイルを編集します。
SCSIデバイスの構成を無効にしてHDLMデバイスの構成を有効にするために,ファイル中のデバイスセクションに対して次の編集を行います。OSがSUSE LINUX Enterprise Server 11の場合の編集例を次に示します。網掛けの部分が編集個所です。
- filterエントリ情報の追加と削除
次に示す行を追加し,ほかのすべてのfilterエントリ情報をコメントアウトします。
filter = [ "a|sddlm[a-p][a-p].*|", "r|/dev/sd|" ]- typesエントリ情報の追加
次に示す行を追加します。
types = [ "sddlmfdrv", 16 ]
このとき,types=[ "fd", 16 ]がコメントアウトされていることを確認します。
- VGスキャンを実行します。
HDLMデバイスでボリュームグループを再構築するために,vgscanコマンドを実行します。実行例を次に示します。# vgscan Reading all physical volumes. This may take a while... Found exported volume group "vg01" using metadata type lvm2- ボリュームグループをインポートします。
vg01(ボリュームグループ)の情報をインポートする場合の実行例を次に示します。# vgimport vg01 Volume group "vg01" successfully imported- 移行が正常に終了したかどうかをpvscanコマンドを実行して確認します。
移行対象の論理ボリュームの物理ボリューム情報がHDLMデバイスになっていることを確認するために,次のコマンドを実行します。# pvscan PV /dev/sddlmad1 VG vg01 lvm2 [468.00 MB / 368.00 MB free] PV /dev/sddlmad2 VG vg01 lvm2 [548.00 MB / 548.00 MB free] Total: 2 [1016.00 MB] / in use: 2 [1016.00 MB] / in no VG: 0 [0 ]- ボリュームグループを活性化します。
移行対象の論理ボリュームが,vg01(ボリュームグループ)に属している場合の実行例を次に示します。# vgchange -ay vg01 1 logical volume(s) in volume group "vg01" now active- LUへパスを追加します。
「4.6.4 HDLMデバイスの構成変更」の「(3) LUへのパスを追加する」を参照して,既存のLUへのパスを追加します。- 移行対象の論理ボリュームをマウントします。
移行対象の論理ボリュームが/dev/vg01/lvol1で,これを/mnt/lvol1にマウントする場合の実行例を次に示します。# mount /dev/vg01/lvol1 /mnt/lvol1
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