11.5.1 ステータスファイルの障害
ステータスファイルに障害が発生した場合の対処方法を説明します。
- 〈この項の構成〉
(1) 制御用ステータスファイルの障害
制御用ステータスファイルの障害対策について説明します。
(a) オンライン開始時
オンライン開始時に制御用ステータスファイルに障害が発生した場合の障害対策について説明します。ステータスファイル関連定義の指定によって,対処方法が異なります。
■ sts_initial_error_switchオペランドにstopを指定した場合
ステータスファイル関連定義のsts_initial_error_switchオペランドにstopを指定,または指定を省略した場合は,ステータスファイルに障害が発生したとき,TP1/EEを停止します。システム定義に指定したステータスファイルに一つでも障害があれば,TP1/EEを開始しません。対処方法は,障害が発生したファイルによって異なります。
• 障害が発生したファイルが前回の現用ファイルの場合
A系,B系の現用ファイルが両方とも障害となった場合,次の手順でTP1/EEを開始してください。ただし,システム制御情報は引き継げません。
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障害ファイルを回復します。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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TP1/EEをeesvstartコマンドの-a Nオプションで強制的に正常開始します。
開始時に,回復したステータスファイルがオープンされ,予備ファイルになります。
A系,B系の現用ファイルのどちらか片方だけが障害となった場合,次の手順でTP1/EEを開始してください。
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現用ファイルをスワップするための予備ファイルがあるかどうかを確認します。予備ファイルがない場合は,予備ファイルを作成します。
予備ファイルを作成する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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ステータスファイル関連定義のsts_initial_error_switchオペランドの指定をcontinueに変更します。
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TP1/EEを再開始します。
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障害ファイルを回復し,予備ファイルにします。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
• 障害が発生したファイルが前回の現用ファイルではない場合
障害が発生したステータスファイルの実体がある場合,次の手順でTP1/EEを開始してください。
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障害が発生して閉塞したステータスファイルをeestsrmコマンドで削除します。
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削除したステータスファイルをeestsinitコマンドで初期設定して,障害を回復します。
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TP1/EEを再開始します。
開始時に,回復したステータスファイルがオープンされ,予備ファイルになります。
障害が発生したステータスファイルの実体がない場合,次の手順でTP1/EEを開始してください。
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障害が発生したステータスファイルをeestsinitコマンドで初期設定して,障害を回復します。
-
TP1/EEを再開始します。
開始時に,回復したステータスファイルがオープンされ,予備ファイルになります。
■ sts_initial_error_switchオペランドにcontinueを指定した場合
ステータスファイル関連定義のsts_initial_error_switchオペランドにcontinueを指定した場合は,ステータスファイルに障害が発生しても処理を続行します。
なお,TP1/EEは,再開始時にオープンできたファイルの中からいちばん新しい現用決定時刻を持つファイルを現用ファイルと決定します。しかし,次に示す場合,現用と決定したファイルが本当に前回の現用ファイルであるかどうか,TP1/EEは判断できません。
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両系ともオープンできないファイルが一組でもある場合
-
前回のオンラインが片系運転で,片系がオープンできないファイルが一組でもある場合
したがって,このような場合,ステータスファイル関連定義のstsflgrp定義コマンドに,次に示す項目を指定しておくことで,TP1/EEが決定した現用ファイルが最新の現用ファイルかどうかを調べることができます。
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stsflgrp定義コマンドの-lオプション
前回のオンラインで最新の現用ファイルだった論理ファイルの名称を指定します。
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stsflgrp定義コマンドの-kオプション
前回のオンラインで最新の現用ファイルが片系運転だった場合,正常に稼働していた系を指定します。
TP1/EEが決定した現用ファイルが上記のstsflgrp定義コマンドの指定値と一致した場合,開始処理を続行します。一致しなかった場合,開始処理を停止します。「(b) オンライン中」を参照して,A系,B系の現用ファイルが両方とも障害となった場合と同様に対処してください。stsflgrp定義コマンドの指定がなく,正しい現用ファイルかどうか判断できなかった場合も,開始処理を停止します。stsflgrp定義コマンドを指定してTP1/EEを開始してください。
また,stsflgrp定義コマンドの-kオプションの指定があり,かつ両系がオープンできた場合,stsflgrp定義コマンドの-kオプションに指定された系の情報を現用と見なして,もう一方の系に複写後,再開始します。
最新の現用ファイルの片系に障害が発生した場合は,正常な系の内容を予備ファイルのA系とB系に複写します。複写後,現用ファイルと予備ファイルを切り替えて,処理を続行します。障害ファイルを回復し,予備ファイルにしてください。ただし,複写できる予備ファイルがない場合の処理は,ステータスファイル関連定義の指定によって異なります。
- sts_single_operation_switchオペランドにstopを指定した場合
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ステータスファイル関連定義のsts_single_operation_switchオペランドにstopを指定,または指定を省略した場合は,ステータスファイルに障害が発生したとき,TP1/EEを停止します。次の手順でTP1/EEを開始してください。
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現用ファイルをスワップするための予備ファイルがあるかどうかを確認します。予備ファイルがない場合は,予備ファイルを作成します。
予備ファイルを作成する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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TP1/EEを再開始します。
-
障害ファイルを回復し,予備ファイルにします。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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- sts_single_operation_switchオペランドにcontinueを指定した場合
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ステータスファイル関連定義のsts_single_operation_switchオペランドにcontinueを指定した場合は,ステータスファイルに障害が発生しても正常な系だけで処理を続行します。「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照して障害を回復し,予備ファイルにしてください。
片系運転中にTP1/EEが異常終了した場合は,次の手順でTP1/EEを開始してください。
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現用ファイルをスワップするための予備ファイルがあるかどうかを確認します。予備ファイルがない場合は,予備ファイルを作成します。
予備ファイルを作成する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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ステータスファイル関連定義のsts_initial_error_switchオペランドの指定をcontinueに変更します。
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ステータスファイル関連定義のstsflgrp定義コマンドの-lオプションに前回オンラインの現用ファイル名を指定し,-kオプションに正常な系を指定します。
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TP1/EEを再開始します。
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障害ファイルを回復し,予備ファイルにします。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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■ sts_initial_error_switchオペランドにforceを指定した場合
ステータスファイル関連定義のsts_initial_error_switchオペランドにforceを指定した場合は,ステータスファイルに障害が発生しても処理を続行します。
なお,TP1/EEは,再開始時にオープンできたファイルの中からいちばん新しい現用決定時刻を持つファイルを現用ファイルと決定します。
最新の現用ファイルの片系に障害が発生した場合は,正常な系の内容を予備ファイルのA系とB系に複写します。その後,現用ファイルと予備ファイルを切り替えて,処理を続行します。「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照して障害を回復し,予備ファイルにしてください。
複写できる予備ファイルがない場合は,正常な系だけで処理を続行します。「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照して障害を回復し,予備ファイルにしてください。片系運転中にTP1/EEが異常終了した場合は,次の手順でTP1/EEを再開始してください。
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TP1/EEを再開始します。
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障害ファイルを回復し,予備ファイルにします。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
- 注意事項
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sts_initial_error_switchオペランドにforceを指定する場合は,A系とB系が別々のディスクとなるファイル構成にしてください。
A系とB系が同じディスクだと,ディスクに障害が発生した場合にA系とB系の両方をオープンできなくなり,正しく再開始できません。再開始時に誤った現用ファイルを決定する危険を少なくするため,sts_initial_error_switchオペランドにforceを指定する場合は,A系とB系が別々のディスクとなるファイル構成にしてください。
なお,再開始時に誤った現用ファイルを決定した場合,「(3) 誤ったステータスファイルを使用した場合の対応」を参照して対処してください。
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sts_single_operation_switchオペランドにcontinueを指定した場合にだけ,sts_initial_error_switchオペランドにforceを指定できます。sts_initial_error_switchオペランドにforceを指定することによって,片系運転中にTP1/EEが異常終了した場合に,stsflgrp定義コマンドの指定値を変更することなく再開始できます。ただし,再開始時に前回の現用ファイルをオープンできなかった場合に,現用ファイルの決定が正しくできなくなります。
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強制正常開始(eesvstartコマンドの-a Nオプションで指定)の場合は,ステータスファイル関連定義の指定に関係なく,両系ともオープンできたファイルが一組でもある場合,それを現用として処理を開始します。両系ともオープンできたファイルが一組もなかった場合は,TP1/EEは停止します。
(b) オンライン中
オンライン中に制御用ステータスファイルに障害が発生した場合の障害対策について説明します。現用ファイルの両系に障害が発生した場合と片系に障害が発生した場合に分けられます。
■ A系,B系の現用ファイルが両方とも障害となった場合
TP1/EEを停止します。次の手順でTP1/EEを開始してください。ただし,システム制御情報は引き継げません。
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予備ファイルがあるかどうかを確認します。予備ファイルがない場合は,予備ファイルを用意します。
予備ファイルを作成する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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eesvstartコマンドの-a NオプションでTP1/EEを強制的に正常開始します。
-
障害ファイルを回復し,予備ファイルにします。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
■ A系,B系の現用ファイルのどちらか片方だけが障害となった場合
• 予備ファイルがあるとき
TP1/EEは現用ファイルを予備ファイルにスワップします。その後,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照して障害を回復し,予備ファイルにしてください。
• 予備ファイルがないとき
- sts_single_operation_switchオペランドにstopを指定した場合
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ステータスファイル関連定義のsts_single_operation_switchオペランドにstopを指定,または指定を省略した場合は,ステータスファイルに障害が発生したとき,TP1/EEを停止します。次の手順でTP1/EEを開始してください。
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予備ファイルを用意します。
予備ファイルを作成する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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ステータスファイル関連定義のsts_initial_error_switchオペランドの指定をcontinueに変更します。
-
TP1/EEを再開始します。
-
障害ファイルを回復し,予備ファイルにします。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
-
- sts_single_operation_switchオペランドにcontinueを指定した場合
-
ステータスファイル関連定義のsts_single_operation_switchオペランドにcontinueを指定した場合は,ステータスファイルに障害が発生しても正常な系だけで処理を続行します。「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照して障害を回復し,予備ファイルにしてください。
片系運転中にTP1/EEが異常終了した場合は,「(a) オンライン開始時」の,sts_single_operation_switchオペランドにcontinueを指定した場合,またはsts_initial_error_switchオペランドにforceを指定した場合の記述を参照して,TP1/EEを開始してください。
なお,TP1/EEは,TP1/EE起動中に発生した制御用ステータスファイル障害,およびオンライン中に障害が発生した現用ファイルの閉塞状態だけを再開始時に引き継ぎます。このため,オンライン中にeestsopenコマンドでオープンした状態,またはeestscloseコマンドでクローズした状態は引き継ぎません。また,TP1/EEは,オフライン中にeestsinitコマンドまたはeestsrmコマンドを実行したときのステータスファイルの状態を認識しません。
(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法
障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法を次に示します。
■ 障害ファイルの回復方法
障害が発生したステータスファイルは,次の手順で障害を回復し,予備ファイルにしてください。
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障害が発生して閉塞したステータスファイルをeestsrmコマンドで削除します。
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削除したステータスファイルを,eestsinitコマンドで初期設定して回復します。
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オンライン中の場合,初期設定したステータスファイルをeestsopenコマンドでオープンして,予備ファイルにします。オフライン中の場合,オンライン開始時にオープンされ,予備ファイルになります。
■ 予備ファイルの作成方法
- オンライン中にスワップによって予備ファイルが少なくなった場合
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次のどれかの操作で予備ファイルを用意してください。
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クローズ中の無効ファイルをeestsopenコマンドでオープンして予備ファイルにします。
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実体のない無効ファイルをeestsinitコマンドで初期設定したあと,eestsopenコマンドでオープンして予備ファイルにします。
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障害ファイルをeestsrmコマンドで削除し,eestsinitコマンドで初期設定したあと,eestsopenコマンドでオープンして予備ファイルにします。
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- オフライン中に予備ファイルを用意したい場合
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次のどれかの操作を実行してください。オンライン開始時にオープンされ,予備ファイルになります。
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クローズ中の無効ファイルの場合,オンライン開始時に予備ファイルになります。
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実体のない無効ファイルをeestsinitコマンドで初期設定します。
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障害ファイルをeestsrmコマンドで削除し,eestsinitコマンドで初期設定します。
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(d) 現用ファイルが片系運転になった場合の対策
片系運転中に正常な系に障害が発生したり,ファイルの更新中に異常終了したりすると,TP1/EEを再開始できなくなります。そのため,現用ファイルが片系運転の状態になった場合,次のどちらかの方法に従って対策を実施し,両系運転の状態にしてください。
■ 予備ファイルを用意してスワップする方法
現用ファイルを次の手順でスワップしてください。
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予備ファイルを作成します。
予備ファイルを作成する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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eestsswapコマンドを実行して現用ファイルをスワップします。
■ 障害が発生した系のファイルを回復する方法
障害が発生して閉塞したファイルを次の手順で回復してください。
-
障害が発生して閉塞した系のステータスファイルを回復します。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法および予備ファイルの作成方法」を参照してください。
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回復したステータスファイルをeestsopenコマンドでオープンします。
eestsopenコマンドを実行すると,正常な系のファイルの内容が,障害が発生した系のファイルに複写されます。複写が完了した時点で,現用決定時刻を新たに取得し,現用ファイルとして回復します。
(2) シグナル用ステータスファイルの障害
シグナル用ステータスファイルの障害対策について説明します。シグナル用ステータスファイルの障害は,現用ファイルの両系に障害が発生した場合と片系に障害が発生した場合に分けられます。
(a) A系,B系の現用ファイルが両方とも障害となった場合
TP1/EEを停止します。次の手順でTP1/EEを開始してください。ただし,システム閉塞情報は引き継げません。
-
障害ファイルを回復します。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法」を参照してください。
-
TP1/EEを開始します。
(b) A系,B系の現用ファイルのどちらか片方だけが障害となった場合
正常な系だけで処理を続行します。「(c) 障害ファイルの回復方法」を参照して,障害ファイルを回復してください。ステータスファイル関連定義の指定によって,次回オンライン開始時の対処方法が異なります。
■ sts_initial_error_switchオペランドにstopまたはcontinueを指定した場合
ステータスファイル関連定義のsts_initial_error_switchオペランドにstop,continueを指定,または指定を省略した場合は,ステータスファイルに障害が発生したとき,TP1/EEを停止します。次の手順でTP1/EEを開始してください。
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ステータスファイル関連定義のstsflgrp定義コマンドの-kオプションに正常な系を指定します。
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TP1/EEを開始します。
-
障害ファイルを回復します。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法」を参照してください。
再開始時,stsflgrp定義コマンドの-kオプションに指定した系を現用と見なし,処理します。指定した系がオープンできないと,TP1/EEを停止します。「(a) A系,B系の現用ファイルが両方とも障害となった場合」を参照して,A系,B系の現用ファイルが両方とも障害となった場合と同様に対処してください。
再開始時,stsflgrp定義コマンドの-kオプションの指定がない場合は,TP1/EEを停止します。stsflgrp定義コマンドの-kオプションを指定して,TP1/EEを開始してください。
また,stsflgrp定義コマンドの-kオプションの指定があり,かつ両系がオープンできた場合,stsflgrp定義コマンドの-kオプションに指定された系の情報を現用と見なして,もう一方の系に複写後,再開始します。
■ sts_initial_error_switchオペランドにforceを指定した場合
ステータスファイル関連定義のsts_initial_error_switchオペランドにforceを指定した場合,TP1/EEを停止します。次の手順でTP1/EEを再開始してください。再開始時に,オープンできた系を現用と見なして処理をします。
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TP1/EEを開始します。
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障害ファイルを回復します。
障害ファイルを回復する方法については,「(c) 障害ファイルの回復方法」を参照してください。
なお,TP1/EEは,TP1/EE起動中に障害が発生したシグナル用ステータスファイルの閉塞状態だけを再開始時に引き継ぎます。また,TP1/EEは,オフライン中にeestsinitコマンドまたはeestsrmコマンドを実行したときのステータスファイルの状態を認識しません。なお,シグナル用ステータスファイルへは,プロセスダウン時に情報を格納するため,オンライン中に障害が発生することはありません。
(c) 障害ファイルの回復方法
シグナル用ステータスファイルに障害が発生した場合,次の手順で障害を回復してください。オンライン中でもオフライン中でも回復する方法は同じです。
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障害が発生して閉塞したステータスファイルをeestsrmコマンドで削除します。
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削除したステータスファイルをeestsinitコマンドで初期設定します。
今回のオンラインファイル中に現用ファイルとして復帰することはできませんが,次回のオンライン開始時に,現用ファイルとして使用できるようになります。
(3) 誤ったステータスファイルを使用した場合の対応
誤ったステータスファイルを使用してTP1/EEを開始した場合の影響と対策について説明します。
再開始時に,現用ステータスファイルが前回オンラインと同じものかどうかは,各オンラインで出力されるKFSB81000-IメッセージおよびKFSB81003-Iメッセージで表示する現用ステータス論理ファイル名によって判断してください。
(a) システムステータス
開始モードが正しく判断できないことがあります。
再開始となるはずの条件下で正常開始となった場合,「(4) システム制御情報を引き継げない場合の対応」を参照して対処してください。正常開始となるはずの条件下で再開始となった場合,TP1/EEを終了して強制正常開始をしてください。
(b) システム定義情報
TP1/EEの再開始時に変更できないシステム定義の変更可否を正しく判定できないことがあります。
TP1/EEの再開始時に変更できないシステム定義を変更していなくてもKFSB51802-Eメッセージを出力してプロセスダウンした場合,強制正常開始をしてください。
TP1/EEの再開始時に変更できないシステム定義の詳細については,「7.3.2 再開始時に変更できない定義」を参照してください。
(c) トランザクション情報
- 前回オンラインではトランザクション仕掛り中でTP1/EEプロセス終了後,誤ったステータスファイルで開始し,該当するトランザクションが仕掛り中でない場合
-
前回オンラインで仕掛り中だったトランザクションがリソースマネジャに残っていた場合,前回オンラインのトランザクション状態に関係なく強制的にロールバック決着を行います。
- 前回オンラインではトランザクション決着でTP1/EEプロセス終了後,誤ったステータスファイルで開始し,該当するトランザクションが仕掛り中だった場合
-
前回オンラインで決着済みのトランザクションについて,再度トランザクションの決着を行う場合があります。リソースマネジャとしては,すでにトランザクションを決着しているため,xa関数エラーのメッセージが表示される場合があります。ただし,トランザクションブランチ先があり,すでにブランチ先のプロセスが終了しているなどの原因によって通信ができない場合,トランザクションの決着ができないため,決着処理ができるまでリトライします。このとき,KFSB40911-Wメッセージが一定間隔で出力されるため,TP1/EEプロセスを強制終了させてから,強制正常開始をしてください。
- 前回オンラインではトランザクション仕掛り中でTP1/EEプロセス終了後,誤ったステータスファイルで開始し,該当するトランザクションが仕掛り中だった場合
-
誤ったステータスファイル情報を基にトランザクションを決着します。
(d) サービス閉塞情報
サービス閉塞状態を正しく引き継げません。前回閉塞していないサービスを閉塞したり,前回閉塞したサービスを閉塞しないことがあります。
必要に応じて,eedctsvコマンドまたはeeactsvコマンドによってサービスを閉塞または閉塞解除してください。
(e) DBキュー情報
DBキューサービス閉塞状態,DBキューの読み出し停止状態,およびDBキューサービスとDBキューの接続状態を引き継げません。前回閉塞していないサービスの閉塞,または前回閉塞したサービスを閉塞しないことがあります。必要に応じて,DBキュー制御コマンドを使用してDBキュー情報の照会,DBキューの読み出し停止,DBキューサービスの閉塞などの操作をしてください。DBキュー制御コマンドについては,「10. 運用コマンドの詳細」を参照してください。
(f) RPC応答メッセージ送信抑止機能使用時のRPC情報
ee_rpc_reply_suspend関数を使用して,RPC応答メッセージ送信を抑止した場合,RPC応答メッセージ送信の抑止情報を正しく引き継げません。前回オンラインで抑止していたRPC応答メッセージを送信できないことや,前回オンラインで抑止していないRPC応答メッセージを送信することがあります。
RPC要求元のUAPが無制限にRPC応答待ちをしている場合,RPC応答メッセージを送信できないと,RPC要求元のUAPが終了しなくなります。必要に応じてUAPを強制終了させてください。強制終了させる方法は,RPC要求元のUAPの種類によって異なります。
(g) ERRTRNRによるRPC応答メッセージ送信機能使用時のRPC情報
サービストランザクションのサービス関数がリターンしたときの同期点処理から,ERRTRNRによるRPC応答メッセージ送信までの間にプロセスダウンが発生した場合,RPC応答メッセージの送信先の情報を正しく引き継げません。前回オンライン時に,ERRTRNRによるRPC応答メッセージを送信できないことや,誤った送信先にERRTRNRによるRPC応答メッセージを送信することがあります。
RPC要求元のUAPが無制限にRPC応答待ちをしている場合,RPC応答メッセージを送信できないと,RPC要求元のUAPが終了しなくなります。必要に応じてUAPを強制終了させてください。強制終了させる方法は,RPC要求元のUAPの種類によって異なります。
(h) ロールバックアボート時のRPC情報
応答型RPC中にロールバックアボートを発行した場合に採取するRPC応答メッセージ情報を正しく引き継げません。前回オンライン時にロールバックアボートでプロセスを終了させた場合にRPC応答メッセージが送信できないことや,前回オンライン時にロールバックアボートでプロセスを終了させていない場合でもRPC応答メッセージを送信することがあります。
RPC要求元のUAPが無制限にRPC応答待ちをしている場合,RPC応答メッセージを送信できないと,RPC要求元のUAPが終了しなくなります。必要に応じてUAPを強制終了させてください。強制終了させる方法は,RPC要求元のUAPの種類によって異なります。
(i) サービスまたはトランザクションレベルの最大同時処理限界数
サービスまたはトランザクションレベルの最大同時処理限界数を正しく引き継げません。
前回オンラインで変更した最大同時処理限界数と異なる場合があります。
最大同時処理限界数を変更する必要がある場合は,サービスのときはeelspceコマンド,トランザクションレベルのときはeelstrnlevelコマンドで変更してください。eelspceコマンドについては,「10. 運用コマンドの詳細」の「eelspce」を参照してください。eelstrnlevelコマンドについては,TP1/FSPの関連ドキュメントを参照してください。
(j) UAP共用ライブラリ格納ディレクトリ情報
UAP共用ライブラリ格納ディレクトリ情報を正しく引き継げません。
前回オンラインで変更したUAP共用ライブラリ格納ディレクトリと異なる場合があります。
UAP共用ライブラリ格納ディレクトリを変更する必要がある場合は,eechglibコマンドで変更してください。eechglibコマンドについては,TP1/FSPの関連ドキュメントを参照してください。
(k) ユーザタイマの永続化機能のタイマ監視表情報
ユーザタイマの永続化機能のタイマ監視表情報を正しく引き継げません。
前回オンラインで変更したタイマ監視情報と異なる場合があります。
タイマ監視表情報を変更する必要がある場合は,eetimchownコマンドで変更してください。eetimchownコマンドについては,TP1/FSPの関連ドキュメントを参照してください。
(4) システム制御情報を引き継げない場合の対応
A系,B系の現用ファイルが両方とも障害となるなどの原因によって,再開始時にシステム制御情報を引き継げなくなった場合,すべてのステータスファイルを削除したあとに再度ステータスファイルを作成してTP1/EEを開始するか,障害となったステータスファイルを回復させ,TP1/EEを強制正常開始する必要があります。システム制御情報を引き継がないでTP1/EEを再開始した場合の影響と対策について説明します。
(a) トランザクション情報
前回オンラインのトランザクション状態を引き継げません。仕掛り中のトランザクションがリソースマネジャに残った状態でTP1/EEを開始した場合,前回オンラインのトランザクション状態に関係なく,強制的にロールバック決着をします。
(b) サービス閉塞情報
前回オンラインのサービス閉塞状態を引き継げません。必要に応じて,eedctsvコマンドによってサービスを閉塞してください。
(c) DBキュー情報
前回オンラインのDBキューサービス閉塞状態,DBキューの読み出し停止状態,およびDBキューサービスとDBキューの接続状態を引き継げません。前回オンラインの状態にする必要がある場合は,DBキュー制御コマンドを使用してDBキュー情報の照会,DBキューの読み出し停止,DBキューサービスの閉塞などの操作をしてください。DBキュー制御コマンドについては,「10. 運用コマンドの詳細」を参照してください。
(d) RPC応答メッセージ送信抑止機能使用時のRPC情報
ee_rpc_reply_suspend関数を使用して,RPC応答メッセージ送信を抑止した場合,前回オンラインで抑止していたRPC応答メッセージを送信できません。
RPC要求元のUAPが無制限にRPC応答待ちをしている場合,RPC応答メッセージを送信できないと,RPC要求元のUAPが終了しなくなります。必要に応じてUAPを強制終了させてください。強制終了させる方法は,RPC要求元のUAPの種類によって異なります。
(e) ERRTRNRによるRPC応答メッセージ送信機能使用時のRPC情報
前回オンライン時にERRTRNRによるRPC応答メッセージ送信処理を行おうとした送信先にRPC応答メッセージを送信できません。
RPC要求元のUAPが無制限にRPC応答待ちをしている場合,RPC応答メッセージを送信できないと,RPC要求元のUAPが終了しなくなります。必要に応じてUAPを強制終了させてください。強制終了させる方法は,RPC要求元のUAPの種類によって異なります。
(f) ロールバックアボート時のRPC情報
前回オンライン時にロールバックアボートでプロセスを終了させた場合にRPC応答メッセージが送信されません。
RPC要求元のUAPが無制限にRPC応答待ちをしている場合,RPC応答メッセージを送信できないと,RPC要求元のUAPが終了しなくなります。必要に応じてUAPを強制終了させてください。強制終了させる方法は,RPC要求元のUAPの種類によって異なります。
(g) サービスまたはトランザクションレベルの最大同時処理限界数
前回オンラインのサービスまたはトランザクションレベルの最大同時処理限界数を引き継げません。
最大同時処理限界数を変更する必要がある場合は,サービスのときはeelspceコマンド,トランザクションレベルのときはeelstrnlevelコマンドで変更してください。eelspceコマンドについては,「10. 運用コマンドの詳細」の「eelspce」を参照してください。eelstrnlevelコマンドについては,TP1/FSPの関連ドキュメントを参照してください。
(h) UAP共用ライブラリ格納ディレクトリ情報
前回オンラインのUAP共用ライブラリ格納ディレクトリ情報を引き継げません。
UAP共用ライブラリ格納ディレクトリを変更する必要がある場合は,eechglibコマンドで変更してください。eechglibコマンドについては,TP1/FSPの関連ドキュメントを参照してください。
(i) ユーザタイマの永続化機能のタイマ監視表情報
前回オンラインのユーザタイマの永続化機能のタイマ監視表情報を正しく引き継げません。
タイマ監視表情報を変更する必要がある場合は,eetimchownコマンドで変更してください。eetimchownコマンドについては,TP1/FSPの関連ドキュメントを参照してください。