6.8.1 系切り替え機能使用時の運用
TP1/EEは,TP1/Server BaseのSPPとして動作するため,TP1/EEが直接HAモニタと連携することはありません。系切り替え時のTP1/EEの動作は,TP1/Server Baseに依存します。
ここでは,系切り替え機能使用時のTP1/EEの運用について説明します。系切り替え機能の詳細,および系切り替え機能使用時のTP1/Server Baseの運用については,マニュアル「OpenTP1 解説」を参照してください。また,系切り替え機能使用時に必要なHAモニタについては,マニュアル「高信頼化システム監視機能 HAモニタ」を参照してください。
(1) 系切り替え機能使用時の準備
(a) TP1/EEの設定
系切り替え機能を使用する場合,実行系にあるTP1/EEと待機系にあるTP1/EEでは,次の内容をすべて一致させておく必要があります。
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TP1/EEのシステム定義
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UAPの実行形式プログラム
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TP1/EEおよび関連プログラムプロダクトのバージョン
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OpenTP1管理者の環境(ユーザID,グループID,環境変数)
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TP1/EEディレクトリの完全パス名
なお,ステータスファイルは共用ディスクに設定しておく必要があります。
(b) TP1/Server Baseの設定
TP1/Server Baseのシステム構成定義のha_confオペランドにYを指定します。また,ユーザサーバを自動起動するために,TP1/Server Baseのユーザサービス定義のnode_down_restartオペランドにYを指定します。そのほかのTP1/Server Baseの設定については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。
(2) 開始と終了
(a) 開始
実行系にあるTP1/EEおよび待機系にあるTP1/EEを両方とも開始してください。実行系にあるTP1/EEおよび待機系あるTP1/EEは,系切り替え機能を使用しない場合と同様に開始します。
(b) 終了
■ 実行系TP1/EEの終了
実行系にあるTP1/EEだけを終了する場合は,eesvstopコマンドを実行します。
■ 待機系TP1/EEの終了
待機系にあるTP1/Server Baseの終了に伴い,待機系にあるTP1/EEも終了します。待機系にあるTP1/EEだけを終了させることはできません。待機系にあるTP1/Server Baseを終了する場合は,dcstopコマンドを実行します。
(3) 系切り替えの方法
実行系にあるTP1/Server Baseに障害が発生した場合,待機系にあるTP1/Server Baseに切り替えて,オンラインを継続できます。TP1/Server Baseの系切り替えに伴い,TP1/EEも切り替わります。系切り替え後,待機系は実行系となります。なお,TP1/EEで切り替え時に引き継ぐファイルは,ステータスファイルだけです。
TP1/Server Baseの系切り替え方法の詳細については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。
(4) TP1/EEの待機
TP1/Server Baseのシステム環境定義のuser_server_haオペランドにYを指定すると,予備のTP1/Server Base(待機系)が待機状態になるまでに,TP1/Server Baseのユーザサービス構成定義に指定したTP1/EEのプロセスだけを待機状態にさせることができます。ただし,次のことに注意してください。
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TP1/EEでは,起動処理中に実行系から待機系に切り替わるのを待ちます。
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TP1/Server Baseでは実行系のユーザサーバの構成を引き継ぎます。そのため,待機系に切り替わったあと,実行系のTP1/Server Baseでユーザサービス構成定義に指定されていたユーザサーバが構成から外れていた場合,TP1/EEプロセスは終了します。
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TP1/Server Baseのシステム環境定義のuser_server_haオペランドにYを指定しない場合,TP1/EEは待機状態になりません。
(5) 運用コマンド
系切り替え機能使用時に使用できる運用コマンドについては,「9.5 運用コマンドの一覧」を参照してください。表の「オフライン」列に「○」が付いている運用コマンドを使用できます。
(6) 注意事項
実行系のTP1/EEに対して,UAP共用ライブラリ入れ替え機能を使ってUAP共用ライブラリを入れ替える場合は,実行系のUAP共用ライブラリを入れ替える前に入れ替え後のUAP共用ライブラリを待機系に格納してください。入れ替え後のUAP共用ライブラリの完全パス名は,実行系と待機系で一致するようにしてください。