gpdefgen(定義ファイル生成コマンド)(Linux・AIX)
形式
gpdefgen -h 生成対象ホスト名[%サービスグループ名]@{ jm | nm | all } [ ,生成対象ホスト名[%サービスグループ名]@{ jm | nm | all } ]...
[ -e { s | m | l | x } ]
[ -o 定義ファイル管理ディレクトリ ]
[ -g uGPSディレクトリ ]
[ -i システム識別子 ]
[ -n ネームサービスのポート番号 ]
[ -s スケジュールサービスのポート番号 ]
[ -r ジョブマネージャSPPの要求受信用ポート番号 ]
[ -c ジョブマネージャSPPのサーバ通信用ポート番号 ]
機能
指定したホストのサーバ定義および設定ファイルを新規に生成します。生成した定義ファイルは,-oオプションで指定した定義ファイル管理ディレクトリ以下に出力されます。
オプション
- -h 生成対象ホスト名[%サービスグループ名]@{ jm | nm | all }〜<識別子>((1〜31文字))
-
システムを構成するホスト名とそのホスト種別を指定します。識別子に使用できる文字は英数字,ピリオド,およびハイフンです。ただし,先頭文字にハイフンは指定しないでください。生成対象ホスト名にIPアドレスの形式は指定しないでください。なお,ホスト名は,/etc/hostsファイルまたはDNSなどでIPアドレスのマッピングができる必要があります。また,生成対象ホスト名には,localhostまたはループバックアドレスなどの127で始まるIPアドレス(例:127.0.0.1)とマッピングされているホスト名を指定しないでください。
サービスグループ名には,複製先ホストのノードマネージャSPPのサービスグループ名を指定します。サービスグループ名には,31文字までの識別子を指定できます。識別子に使用できる文字は英数字とアンダースコアです。ただし,先頭文字はアルファベットから始まっている必要があります。ホスト名とサービスグループ名の間はパーセント記号(%)で連結して指定してください。このとき,パーセント記号の前後に空白は指定しないでください。サービスグループ名の指定を省略した場合は,生成対象ホスト名をサービスグループ名と仮定して動作します。サービスグループ名は実行ノードおよび兼用ホストの定義を作成するときに使用するオプションです。管理ホストの定義を作成するときにサービスグループ名を指定することはできません。
ホスト種別には,次の表に示すどれかを指定します。ホスト名またはサービスグループ名と種別の間はアットマーク(@)で連結して指定してください。このとき,アットマークの前後に空白は入力しないでください。また,このコマンドで指定できる生成対象ホスト情報(生成対象ホスト名[%サービスグループ名]@{jm | nm | all})の最大数は20です。複数の生成対象ホスト情報を指定する場合,間をコンマ(,)で区切ってください。このとき,前後に空白を入力しないでください。なお,区切り文字「,」は,次のとおり特殊文字として扱います。
-
1つの区切り位置に区切り文字を複数個指定しても,1つの区切り文字として扱います。
例:-h HOST01@jm,,NODE01@nm,,,NODE02@nm
-
値の前後に区切り文字を指定しても,その区切り文字は無視します。
例:-h ,,HOST01@jm,NODE01@nm,NODE02@nm,,,
クラスタ構成とするホストの場合,生成対象ホスト名には論理ホスト名を指定してください。
ホスト種別
説明
jm
管理ホストとして使用するホストに指定します。
管理ホストを構成するコンポーネントは,グリッドクライアント,ジョブマネージャ,データマネージャです。
nm
実行ノードとして使用するホストに指定します。
実行ノードを構成するコンポーネントは,ノードマネージャです。
all
管理ホストと実行ノードを兼用するホストに指定します。
兼用するホストを構成するコンポーネントは,グリッドクライアント,ジョブマネージャ,データマネージャ,ノードマネージャです。
このオプションで指定できるホスト種別の組み合わせを次の表に示します。
ホスト種別の指定
判定
要因
jm
−
−
異常
実行ノードが存在しないため。
nm
−
−
異常
管理ホストが存在しないため。
all
−
−
正常
−
jm
jm
−
異常
実行ノードが存在しないため。
jm
nm
−
正常
−
jm
all
−
異常
共有可能な実行ノードが存在しないため。
nm
nm
−
異常
管理ホストが存在しないため。
nm
all
−
正常
−
all
all
−
異常
共有可能な実行ノードが存在しないため。
jm
jm
jm
異常
実行ノードが存在しないため。
jm
jm
nm
正常
−
jm
jm
all
異常
共有可能な実行ノードが存在しないため。
jm
nm
all
正常
−
jm
all
all
異常
共有可能な実行ノードが存在しないため。
nm
nm
nm
異常
管理ホストが存在しないため。
nm
nm
all
正常
−
all
all
all
異常
共有可能な実行ノードが存在しないため。
-
- -e { s | m | l | x }
-
システムで実行するジョブの実行規模を指定します。ジョブの実行規模には,次の表に示すどれかを指定します。指定を省略した場合,デフォルト値(s)が仮定されます。xはAIX限定のオプションです。
ジョブの実行規模
説明
ホスト数
同時実行グリッドジョブ数
ノード内総同時実行サブジョブ数
(UGPSM_TOTALSUBJOB)
s
右に示す小規模な実行規模
最大20台
4
16
m
右に示す中規模な実行規模
最大20台
8
32
l
右に示す大規模な実行規模
最大20台
16
64
x
右に示す特大規模な実行規模
最大20台
32〜128
128〜256
- -o 定義ファイル管理ディレクトリ
-
生成した定義を格納するディレクトリをフルパス指定します。ルートディレクトリ(/)は指定しないでください。コマンド実行ユーザにディレクトリの作成権限がある場所を指定してください。また,存在しないディレクトリを指定してください。指定を省略した場合,デフォルト値(/opt/hitachi/ugpsm/etc)が仮定されます。
このオプションで指定したディレクトリ以下に,-hで指定した生成対象ホスト名のディレクトリを作成し,生成対象ホスト名のディレクトリ以下にホストごとの定義ファイル一式を出力します。
- -g uGPSディレクトリ〜((2〜15文字))
-
uGPSが使う各種ファイル,またはディレクトリを格納するuGPSディレクトリをフルパスで指定します。ルートディレクトリ(/)は指定しないでください。指定を省略した場合,デフォルト値(/var/opt/ugpsm)が仮定されます。uGPSディレクトリは,環境構築時に構築対象のホストに作成されます。
uGPSディレクトリには,リモートファイルシステム上のディレクトリ,またはシンボリックリンクしたディレクトリは指定しないでください。指定した場合の動作は保障できません。また,このディレクトリは必ずuGPS用に作成したディレクトリを指定してください。それ以外のディレクトリを指定した場合は環境が破壊されます。
- -i システム識別子〜<識別子>((1〜2文字))
-
uGPSのシステムを識別する識別子を指定します。指定を省略した場合,デフォルト値(g1)が仮定されます。
- -n ネームサービスのポート番号〜<符号なし整数>((5001〜65535))
-
uGPSのシステムサーバのネームサービスで使用するポート番号を指定します。指定を省略した場合,デフォルト値(25110)が仮定されます。
ネームサービスのポート番号については,「4.9.6 name_portオペランド(ネームサービスのポート番号の定義)」を参照してください。
- -s スケジュールサービスのポート番号〜<符号なし整数>((5001〜65535))
-
uGPSのシステムサーバのスケジュールサービスで使用するポート番号を指定します。指定を省略した場合,デフォルト値(25111)が仮定されます。
スケジュールサービスのポート番号については,「4.9.13 scd_portオペランド(スケジュールサービスのポート番号の定義)」を参照してください。
- -r ジョブマネージャSPPの要求受信用ポート番号〜<符号なし整数>((5001〜65535))
-
ジョブマネージャSPPが要求受信用に使用するポート番号を指定します。指定を省略した場合,デフォルト値(25120)が仮定されます。
ジョブマネージャSPPの要求受信用ポート番号については,「4.9.15 mysvgdef定義コマンド(ジョブマネージャSPPの要求受信用定義)」を参照してください。
- -c ジョブマネージャSPPのサーバ通信用ポート番号〜<符号なし整数>((5001〜65535))
-
ジョブマネージャSPPがシステムサーバとの通信に使用するポート番号を指定します。指定を省略した場合,デフォルト値(25121)が仮定されます。
ジョブマネージャSPPのサーバ通信用ポート番号については,「4.9.16 myreplydef定義コマンド(ジョブマネージャSPPのサーバ通信用定義)」を参照してください。
戻り値
戻り値 |
内容 |
出力メッセージ |
|
---|---|---|---|
0 |
正常終了 |
KAKJ1545-I※1 |
生成した内容を出力します。 |
1〜31 |
内部エラー |
KAKJ1903-E |
プログラム論理エラーが発生しました。 |
32〜47 |
パラメータエラー |
KAKJ1700-E※2 |
コマンドの形式が不正です。 |
KAKJ1737-E |
オプションの指定値が不正です。 |
||
48〜 |
その他のエラー |
KAKJ1500-E |
不正なシステム構成です。 |
KAKJ1501-E |
ディレクトリがフルパスで指定されていません。 |
||
KAKJ1503-E |
ディレクトリがすでに存在します。 |
||
KAKJ1506-E |
OSコマンドの実行に失敗しました。 |
||
KAKJ1542-E |
ディレクトリの作成に失敗しました。 |
||
KAKJ1543-E |
定義ファイルの生成に失敗しました。 |
||
KAKJ1599-E |
指定されたサービスグループ名はほかのホストですでに使用されています。 |
||
KAKJ1713-E |
ファイルが存在しません。 |
||
KAKJ1748-E |
ファイル出力の処理でエラーが発生しました。 |
表示形式
このコマンドを実行した場合の出力例を次に示します。この例では,システムを3台(管理ホスト1台,実行ノード2台)で構成しています。
注意事項
-
指定する各種ポート番号は,コマンドで指定するほかのポート番号,ほかのプログラムで使用するポート番号と重複しないようにしてください。また,OSには任意に割り当てる番号がありますが,この番号も使用しないでください。OSが任意に割り当てる番号は,バージョンによって異なります。詳細については,使用しているOSのマニュアルを参照してください。
-
このコマンドで生成した定義ファイル管理ディレクトリ中にある,各ホストの定義ファイルの次のパラメータ/オペランドは,オプションの指定内容に関連するパラメータ/オペランドとして,次の表に示す内容に設定されて出力されます。必要に応じて手動で変更してください。
定義ファイル
パラメータ/オペランド
このコマンドで出力する定義内容
設定ファイル(ugpsm.conf)
LOG_DIR
<uGPSディレクトリ>/log
SPOOL_DIR
<uGPSディレクトリ>/spool
TRACE_DIR
<uGPSディレクトリ>/trace
JM_THREAD_NUM
-
[ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:9
-
[ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:17
-
[ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:33
-
[ジョブの実行規模]が[特大規模]の場合(AIXの場合だけ):65
NM_PROC_NUM
-
[ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:17
-
[ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:33
-
[ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:65
-
[ジョブの実行規模]が[特大規模]の場合(AIXの場合だけ):257
CLT_TRC_PATH
<uGPSディレクトリ>/.dclog
DM_HOST
-
管理ホストまたは兼用ホストの場合
生成対象ホスト名として指定された名称
-
実行ノードの場合
初めに指定された管理ホスト名
DISTRIBUTE_DIR
<uGPSディレクトリ>/divdata
SORT_TMPDIR
<uGPSディレクトリ>/tmp
SHARED_EXECUTION_NODE
Y
(管理ホストおよび兼用ホストを複数台指定した場合)
ユーザサービス構成定義(usrconf)
dcsvstart(-uオプション)
-
[ホスト種別]が[管理ホスト]の場合
UGPSMjbm,UGPSMdtm
-
[ホスト種別]が[実行ノード]の場合
UGPSMndm,UGPSMdtg
-
[ホスト種別]が[兼用ホスト]の場合
UGPSMjbm,UGPSMndm,UGPSMdtm,UGPSMdtg
システム環境定義(env)
static_shmpool_size
127000
システム共通定義(betranrc)
node_id
GP<ノード識別子>
my_host
<自ホスト名>
all_node
<通信するすべてのホスト名>
ジョブマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMjbm)
UGPSM_DIR
<uGPSディレクトリ>
ジョブマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMjbmee)
node_id
JM<ノード識別子>
service(同時実行グリッドジョブ数)
-
[ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:4
-
[ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:8
-
[ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:16
-
[ジョブの実行規模]が[特大規模]の場合(AIXの場合だけ):32
mysvgdef(-hオプション)
25120:<自ホスト名>
mysvgdef(-sオプション)
128
mysvgdef(-fオプション)
128
myreplydef(-hオプション)
25121:<自ホスト名>
myreplydef(-fオプション)
128
ノードマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMndm)
service_group
生成対象ホスト名として指定された名前※またはサービスグループ名として指定された名称
parallel_count
-
[ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:17
-
[ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:33
-
[ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:65
-
[ジョブの実行規模]が[特大規模]の場合(AIXの場合だけ):257
UGPSM_DEFMAXSUBJOB
-
[ジョブの実行規模]が[小規模,中規模,大規模]の場合:4
-
[ジョブの実行規模]が[特大規模]の場合(AIXの場合だけ):8
UGPSM_MAXCNTSUBJOB
-
[ジョブの実行規模]が[小規模,中規模,大規模]の場合:4
-
[ジョブの実行規模]が[特大規模]の場合(AIXの場合だけ):8
UGPSM_TOTALSUBJOB
-
[ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:16
-
[ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:32
-
[ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:64
-
[ジョブの実行規模]が[特大規模]の場合(AIXの場合だけ):128
UGPSM_DIR
<uGPSディレクトリ>
データマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMdtm)
UGPSM_DIR
<uGPSディレクトリ>
UGPSM_GRIDPROPKEEP
N
-
-
ノードマネージャSPPの複数面化を行う場合,このコマンドで定義ファイルを生成後,複数面化を行う実行ノードの定義ファイルを格納しているディレクトリ内のノードマネージャSPPの定義ファイル(UGPSMndm)を手作業で複製して作成してください。このとき,複製した定義ファイルの名称(ユーザサーバ名)はディレクトリ内でユニークな名称とし,定義ファイル内のservice_groupオペランド(サービスグループ名)はシステム内でユニークな名称に変更してください。
-
2つ以上同時にこのコマンドを実行しないでください。
-
このコマンド実行中は-oオプションで指定したディレクトリ以下のファイルの操作をしないでください。
-
-hオプションで複数のホストを指定する場合,同じ名称の生成対象ホスト名は同時に指定できません。また,サービスグループ名を指定する場合,同じ名称のサービスグループ名を指定できません。
-
このコマンドで生成する定義ファイルは,次に示すすべての条件を満たしたシステムで使用する必要があります。条件を満たさないシステムで使用した場合の動作は保障できません。なお,条件中の小規模,中規模,大規模,特大規模とは,それぞれ-eオプションで指定するs,m,l,xに対応しています。
-
システムを構成するホスト数は,管理ホストおよび実行ノード合わせて最大20台としてください。ただし,クラスタ構成とするホストの場合,実行系だけ(1台)をこのホスト数に含めてください。
-
次の2つの条件式を満たすように多重度を設定してください。
条件式1:規模ごとに条件が異なります。
小規模,中規模,大規模の場合:
同時実行グリッドジョブ数≦16
特大規模の場合:
同時実行グリッドジョブ数≦128
条件式2:フォーマット識別子によって条件が異なります。
フォーマット識別子が0101以前または0201の場合:
同時実行グリッドジョブ数 ≦ ノード内総同時実行サブジョブ数(UGPSM_TOTALSUBJOB)の指定値(指定できる上限値:小規模=16,中規模=32,大規模=64,特大規模=256)
フォーマット識別子が0102または0202の場合:
同時実行グリッドジョブ数×業務プログラム同時実行数(UGPSM_DEFMAXSUBJOB)≦ノード内総同時実行サブジョブ数(UGPSM_TOTALSUBJOB)の指定値(指定できる上限値:小規模=16,中規模=32,大規模=64,特大規模=256)
-
ノードマネージャSPPの複数面化は,実行ノードあたり4面までとしてください。ただし,複数面化する場合は,必ず次の条件式を満たすように多重度を設定してください。
条件式:実行ノード内のノード内総同時実行サブジョブ数(UGPSM_TOTALSUBJOB)の総和≦実行ノード内の最大同時実行サブジョブ数(NODE_MAX_SUBJOB)の規模ごとの上限値(小規模=16,中規模=32,大規模=64,特大規模=256)
-
実行ノード共有機能を使用する場合は,管理ホストは4台までとしてください。ただし,管理ホストを複数台構成する場合は,次の条件を満たすように多重度を設定してください。
条件式:各管理ホストの同時実行グリッドジョブ数の総和≦同時実行グリッドジョブ数の規模ごとの上限値(小規模=4.中規模=8,大規模=16,特大規模=128)
-
-
gpdefgenコマンドで生成する設定ファイルのパラメータは,セットアップ対象のホスト種別に関係なく,すべての項目を生成します。使用しないパラメータを削除する場合は「4.8 uGPS - Manager の設定ファイル」を参照して,不要かどうか確認したうえで,手動で削除してください。