Hitachi

uCosminexus Grid Processing Server 使用の手引


4.5.5 実行環境の構築

OpenTP1管理者でセットアップを実施するホストにログインし,Windowsの[スタート]メニューから,[プログラム]−[uCosminexus Grid Processing Server - Manager]−[セットアップ]を選択して[セットアップ]ダイアログボックスを表示します。[セットアップ]ダイアログボックスの[セットアップ種別]で[新規構築]を選択し,設定項目を入力して[OK]ボタンをクリックすることで,実行環境を構築します。実行環境の構築では,本項で説明する定義ファイル生成と環境構築をします。[セットアップ]ダイアログボックスの詳細については,7章の「[セットアップ]ダイアログボックス」を参照してください。

〈この項の構成〉

(1) 環境を構築する際に指定する項目

[新規構築]でセットアップを実施する際に指定する内容を次の表に示します。

表4‒9 [新規構築]で環境を構築するときに指定する内容

設定項目

内容

指定

ホスト種別

ホストの種別として,次のどれかを指定します。

  • 管理ホスト

  • 実行ノード

  • 兼用ホスト

必須

ジョブの実行規模

同時に実行するグリッドジョブとサブジョブの規模に応じて,次のどれかを指定します。

  • 小規模(グリッドジョブ数:4,サブジョブ数:16)

  • 中規模(グリッドジョブ数:8,サブジョブ数:32)

  • 大規模(グリッドジョブ数:16,サブジョブ数:64)

必須

uGPSディレクトリ

uGPSが使う各種ファイル,またはディレクトリを格納するディレクトリを指定します。指定を省略した場合,「%ALLUSERSPROFILE%\HITACHI\ugpsm」が仮定されます。

任意

自ホスト名

セットアップするホストのホスト名を指定します。クラスタ構成で使用するホストの場合,論理ホスト名を指定します。指定を省略した場合,hostnameコマンドで取得できる名称が仮定されます。

任意

通信するすべてのホスト名

通信するすべてのホスト名を指定します。ホスト種別によって次のように指定します。

  • 管理ホストまたは兼用ホストの場合

    実行ノードのホスト名

  • 実行ノードの場合

    管理ホストのホスト名

  • 管理ホストまたは実行ノードの場合

    必須

  • 兼用ホストの場合

    任意

ノード識別子

ノード(ホスト)を識別する識別子を指定します。システム内でユニークとなる識別子を指定する必要があります。

必須

ノードマネージャSPPのサービスグループ名

ノードマネージャSPPのサービスグループ名を指定します。システム内でユニークとなる名称を指定する必要があります。ホストの種別で「実行ノード」または「兼用ホスト」を選択した場合だけ設定できます。設定できるときに指定を省略した場合,hostnameコマンドで取得できる名称が仮定されます。

任意

(2) 定義ファイル生成

[セットアップ]ダイアログボックスの[新規構築]では,uGPSがモデルとして保持する各規模の定義ファイルを基に,各種の定義ファイルを生成します。[新規構築]によって生成される定義ファイルを次の表に示します。

表4‒10 [新規構築]で作成される定義ファイルの内容

定義項目

名称

出力先ディレクトリ

所有者/パーミッション

内容

ホスト

管理ホスト

実行ノード

設定ファイル

ugpsm.conf

<uGPS - Managerのインストール先ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

設定ファイル

システム環境定義

env

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

システムサービス構成定義

sysconf

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

ユーザサービス構成定義

usrconf

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

システム共通定義

betranrc

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

タイマサービス定義

tim

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

ネームサービス定義

nam

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

プロセスサービス定義

prc

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

スケジュールサービス定義

scd

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

トランザクションサービス定義

trn

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

ステータスサービス定義

sts

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

ジャーナルサービス定義

jnl

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

システムジャーナルサービス定義

sysjnl

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

チェックポイントダンプサービス定義

cdtrn

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

ログサービス定義

log

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

性能検証用トレース定義

prf

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

サーバ定義

ジョブマネージャSPP定義

UGPSMjbm

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

ジョブマネージャSPPの定義

UGPSMjbmee

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

ジョブマネージャSPPの定義

ノードマネージャSPP定義

UGPSMndm

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

ノードマネージャSPPの定義

データマネージャSPP定義

UGPSMdtm

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

データマネージャSPPの定義

データマネージャGW定義

UGPSMdtg

<OpenTP1ディレクトリ>\conf

Administrators/親フォルダの属性を継承

データマネージャGWの定義

(凡例)○:作成される −:作成されない

環境を構築する際に指定する項目と,生成される定義ファイル中のパラメータやオペランドの指定値との関係を次の表に示します。環境を構築する際に指定する項目は「表4-9 [新規構築]で環境を構築するときに指定する内容」を参照してください。

表4‒11 [新規構築]で作成される定義ファイルの内容

定義ファイル

パラメータ/オペランド

設定される値

設定ファイル(ugpsm.conf)

LOG_DIR

<uGPSディレクトリ>\log

SPOOL_DIR

<uGPSディレクトリ>\spool

TRACE_DIR

<uGPSディレクトリ>\trace

JM_THREAD_NUM

  • [ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:9

  • [ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:17

  • [ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:33

NM_PROC_NUM

  • [ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:17

  • [ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:33

  • [ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:65

DM_HOST

  • [ホスト種別]が[管理ホスト]または[兼用ホスト]の場合

    <自ホスト名>

  • [ホスト種別]が[実行ノード]の場合

    <通信するすべてのホスト名>に指定された先頭のホスト名

CLT_TRC_PATH

<uGPSディレクトリ>\dclog

DISTRIBUTE_DIR

<uGPSディレクトリ>\divdata

SORT_TMPDIR

<uGPSディレクトリ>\tmp

ユーザサービス構成定義(usrconf)

dcsvstart(-uオプション)

  • [ホスト種別]が[管理ホスト]の場合

    UGPSMjbm,UGPSMdtm

  • [ホスト種別]が[実行ノード]の場合

    UGPSMndm,UGPSMdtg

  • [ホスト種別]が[兼用ホスト]の場合

    UGPSMjbm,UGPSMndm,UGPSMdtm,UGPSMdtg

システム共通定義(betranrc)

node_id

GP<ノード識別子>

my_host

<自ホスト名>

all_node

<通信するすべてのホスト名>

ジョブマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMjbm)

UGPSM_DIR

<uGPSディレクトリ>

ジョブマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMjbmee)

node_id

JM<ノード識別子>

service(同時実行グリッドジョブ数)

  • [ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:4

  • [ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:8

  • [ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:16

mysvgdef(-hオプション)

<自ホスト名>

myreplydef(-hオプション)

<自ホスト名>

ノードマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMndm)

service_group

<ノードマネージャSPPのサービスグループ名>

parallel_count

  • [ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:17

  • [ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:33

  • [ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:65

UGPSM_TOTALSUBJOB

  • [ジョブの実行規模]が[小規模]の場合:16

  • [ジョブの実行規模]が[中規模]の場合:32

  • [ジョブの実行規模]が[大規模]の場合:64

UGPSM_DIR

<uGPSディレクトリ>

データマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMdtm)

UGPSM_DIR

<uGPSディレクトリ>

(3) 環境構築

[セットアップ]ダイアログボックスの[新規構築]では,生成した定義ファイルを基に,環境構築をします。

環境構築では,まず,各マネージャでSPPとして動作するモジュールを「<OpenTP1ディレクトリ>\aplib」下に配置します。配置するモジュールは「表3-2 各マネージャでSPPとして動作するモジュール」を参照してください。

次に,サーバ実行環境(OpenTP1の実行環境)を作成します。ここでは,生成した定義ファイルの「<OpenTP1ディレクトリ>\conf」下への配置や,サーバ実行環境に必要なモジュールやステータスファイルなどの「<OpenTP1ディレクトリ>」下への配置や作成をします。

そして,uGPSディレクトリなどの各種ディレクトリを作成します。作成するディレクトリを次の表に示します。環境構築時にすでにディレクトリが存在する場合は,所有者やパーミッションはそのままで,再作成はしません。

表4‒12 [新規構築]で作成されるディレクトリと設定内容

ディレクトリ

ファイルまたはディレクトリ名

所有者/パーミッション

ホスト

管理ホスト

実行ノード

uGPSディレクトリ

[セットアップ]ダイアログボックスで指定した内容

Administrators/OpenTP1管理者およびAdministratorsにフルコントロール許可

メッセージログ用ディレクトリ

設定ファイル(ugpsm.conf)のLOG_DIRパラメータに指定した内容

Administrators/Everyoneにフルコントロール許可

トレース用ディレクトリ

設定ファイル(ugpsm.conf)のTRACE_DIRパラメータに指定した内容

Administrators/Everyoneにフルコントロール許可

スプール用ディレクトリ

設定ファイル(ugpsm.conf)のSPOOL_DIRパラメータに指定した内容

Administrators/Everyoneにフルコントロール許可

クライアント用ログディレクトリ

設定ファイル(ugpsm.conf)のCLT_TRC_PATHパラメータに指定した内容

Administrators/Everyone にフルコントロール許可

分割ファイル格納ディレクトリ

設定ファイル(ugpsm.conf)のDISTRIBUTE_DIRパラメータに指定した内容

Administrators/Everyoneにフルコントロール許可

ファイル分割用一時ファイル格納ディレクトリ

設定ファイル(ugpsm.conf)のSORT_TMPDIRパラメータに指定した内容

Administrators/Everyoneにフルコントロール許可

グリッドプロパティ格納用ディレクトリ

データマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMdtm)のUGPSM_DIR環境変数に指定した内容

Administrators/OpenTP1管理者およびAdministratorsにフルコントロール許可

ジョブマネージャステータスファイル格納用ディレクトリ

ジョブマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMjbm)のUGPSM_DIR環境変数に指定した内容

Administrators/OpenTP1管理者およびAdministratorsにフルコントロール許可

ノードマネージャステータスファイル格納用ディレクトリ

ノードマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMndm)のUGPSM_DIR環境変数に指定した内容

Administrators/OpenTP1管理者およびAdministratorsにフルコントロール許可

(凡例)○:生成する −:生成しない

(4) 注意事項