2.3.16 実行ノード共有
大量にグリッドジョブを実行するようなシステムの場合,管理ホストに負荷がかかってしまうことがあります。そのため,1つのバッチジョブ分散システムで,複数の管理ホストを配置し,それらの管理ホストから実行ノードを共有して使うための機能を提供します。
実行ノード共有機能を使って実行ノードを共有した場合の構成例を次の図に示します。
(1) 実行ノード共有機能の設定方法
実行ノード共有機能を有効にするには,管理ホストの設定ファイル(ugpsm.conf)のSHARED_EXECUTION_NODEパラメータで指定します。デフォルトでは無効になっています。SHARED_EXECUTION_NODEパラメータの詳細については,「4.8.48 SHARED_EXECUTION_NODEパラメータ(複数管理ホストによる実行ノード共有の定義)」を参照してください。
(2) 実行ノード共有機能を使用する場合の運用方法
実行ノード共有機能を使用する場合,次のように運用してください。
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ジョブ定義の次の項目を正しく指定することで,グリッドジョブを管理するホストを使い分けてください。各ジョブの[実行エージェント]と[グリッドジョブ管理ホスト名]には同一のホストを指す名称を指定し,JP1/AJS3 - Agentの実行エージェント(グリッドクライアント実行ホスト)とグリッドジョブ管理ホストを同じホストとする必要があります。また,1つのグリッドジョブネットで,各ジョブの[グリッドジョブ管理ホスト名]には同一のホスト名を指定する必要があります。
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[詳細定義−[Custom Job]]ダイアログボックスの[実行エージェント]
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[グリッド開始定義]ダイアログボックスの[グリッドジョブ管理ホスト名]
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[グリッド実行定義]ダイアログボックスの[グリッドジョブ管理ホスト名]
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[グリッド終了定義]ダイアログボックスの[グリッドジョブ管理ホスト名]
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[単体グリッドジョブ定義]ダイアログボックスの[グリッドジョブ管理ホスト名]
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グリッドビューの[通信設定]ダイアログボックスの[グリッドプロパティ管理ホスト名]には,状態表示や実行制御対象のグリッドジョブを管理しているホストを設定してください。
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実行ノード上で次のコマンドを実行する場合,設定ファイルのDM_HOSTパラメータで指定したグリッドプロパティ管理ホストを対象として処理されます。DM_HOSTパラメータの指定値と異なるグリッドプロパティ管理ホストに対してコマンドを発行したい場合は,各コマンドの-hオプションで,対象となるグリッドプロパティ管理ホスト名を指定してください。
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gpjoblsコマンド
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gpproprmコマンド
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gpjobcancelコマンド
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gpmltchコマンド
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gpprmshowコマンド
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gpjobaltコマンド
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(3) 注意事項
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兼用ホストで起動する実行ノードは,ほかの管理ホストまたは兼用ホストと共有して使用することはできません。
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この機能を適用して,各管理ホストの同時実行グリッドジョブ数を変更する場合,次のパラメータの指定値も合わせて変更してください。
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ジョブマネージャSPPのユーザサービス定義(UGPSMjbmee)のserviceオペランドで指定する同時実行グリッドジョブ数
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設定ファイル(ugpsm.conf)のJM_THREAD_NUMパラメータ
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