Hitachi Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(HP-UX用)
ここでは,HDLMの環境を構築する場合の注意事項について説明します。
HDLMを運用する場合の注意事項については,「4.1 HDLMを使用する場合の注意事項」を参照してください。
- HDLMはブートディスクにインストールしてください。
- HDLMをインストールするマシンでの/etc/optおよび/etc/opt/DynamicLinkManagerディレクトリは,ルートディレクトリ「/」と同じファイルシステム上に作成してください。
- HDLMは,マニュアルに記載されているコマンドを使用してインストールしてください。samコマンド,およびGUIを使用したインストールはサポートしていません。
- 05-00以降のDevice ManagerエージェントがインストールされているホストにHDLMをインストールする場合,インストール中に次に示すDevice Managerエージェントのコマンドを実行しないでください。
また,次のコマンドを実行中に,インストールしないでください。
hbsasrv,HiScan,hdvmagt_account,hdvmagt_schedule,hldutil,TIC- HDLM 6.1は,04-00から6.1までのバージョンのHDLMに対してアップグレードインストールできます。
- 以下の場合は,ライセンスキー,またはライセンスキーファイルの入力が必要です。
ライセンスキーを使用する場合は,ライセンスキーの入力後はインストールを中断しないでください。ライセンスキーファイルを使用する場合は,インストールを中断しないでください。なお,ライセンスキーの有効期限が切れている場合,HDLMコマンドのset -licオペレーションでライセンスを更新することもできます。ライセンスキーの有効期限は,ライセンスキーファイルに記述されているライセンスキーまたは入力したライセンスキーの種別によって設定されます。ライセンスキーの種別およびsetオペレーションについては,「6.6 set 動作環境を設定する」を参照してください。
- HDLMを新規インストールする場合
- 05-40より前のバージョンのHDLMをHDLM 6.1にアップグレードインストールする場合
- ライセンスの有効期限が過ぎている場合
- アップグレードインストールした場合,構成定義情報,HDLM管理対象外のデバイス定義,HDLMの動作環境情報,ライセンス情報,およびログファイルは引き継がれます。これらの情報は,次に示すディレクトリ下に格納されています。
- /etc/opt/DynamicLinkManagerディレクトリ
- /var/opt/DynamicLinkManagerディレクトリ
- 05-60より前のHDLMのトレースファイルは,HDLM 05-60以降では統合トレースファイルとトレースファイルに分割されます。統合トレースファイルにはHDLMコマンドの動作ログが出力されます。トレースファイルにはHDLMマネージャのトレース情報が出力されます。ファイルの出力先は次のように変更されます。
- HDLM 04-00からアップグレードインストールした場合
- アップグレード前のトレースファイル:/opt/hitachi/HNTRLib/spool/hntrn.log(nはファイルの番号)
- アップグレード後の統合トレースファイル:/var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/hntr2n.log(nはファイルの番号)
- アップグレード後のトレースファイル:/var/opt/DynamicLinkManager/log/hdlmtrn.log(nはファイルの番号)
- HDLM 05-02以降05-60より前のHDLMからアップグレードインストールした場合
- アップグレード前のトレースファイル:/var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/hntr2n.log(nはファイルの番号)
- アップグレード後の統合トレースファイル:/var/opt/hitachi/HNTRLib2/spool/hntr2n.log(nはファイルの番号)
- アップグレード後のトレースファイル:/var/opt/DynamicLinkManager/log/hdlmtrn.log(nはファイルの番号)
- HDLM 04-00がインストールされているホストにHDLM 6.1をアップグレードインストールした場合,HDLM 04-00と一緒にインストールされたHitachi Network Objectplazaトレース共通ライブラリ(HNTRLib)は残ります。HNTRLibは,HDLM以外のプログラムが使用していない場合にだけアンインストールしてください。HDLM以外のプログラムがHNTRLibを使用しているかどうかは,各プログラムのマニュアルや添付資料を参照して確認してください。HNTRLibのアンインストールについては「3.19 Hitachi Network Objectplazaトレース共通ライブラリ(HNTRLib)のアンインストール」を参照してください。
- 新規インストール中にインストールが中止された場合は,/var/opt/DynamicLinkManagerディレクトリが存在しているか確認してください。/var/opt/DynamicLinkManagerディレクトリが存在している場合は,次のコマンドを実行して,/var/opt/DynamicLinkManagerディレクトリを削除してください。
アップグレードインストール中にインストールを中断した場合は,このディレクトリを削除しないでください。
# rm -rf /var/opt/DynamicLinkManager
- HDLMは,デフォルトのカーネル(/stand/vmunix)以外では,使用できません。カーネルは/stand/vmunixを使用してください。
- ストレージサブシステムはホストを起動する前に起動してください。これは,HP-UXがストレージサブシステムを検出できるようにするためです。
- ストレージサブシステムのベンダIDおよびプロダクトIDを変更すると,HDLMがストレージサブシステムを認識できなくなります。ストレージサブシステムのベンダIDおよびプロダクトIDは変更しないでください。
- ホストを再起動した場合は,/var/opt/DynamicLinkManager/log/dlmcfgmgr.logファイルを参照し,ホストを起動した時刻に対応するメッセージを確認してください。
- HDLM管理下のディスクをブートディスクとミラーリングする場合は,そのデバイスを,事前に,管理対象外としてください。
- HP-UXでは,ブートinitプロセス用のスクリプトとして/etc/inittabファイルが用意されています。このスクリプトには,OSが追加したエントリやHDLMが追加したエントリ※などが定義されています。
誤ってHDLMのエントリを修正または削除した場合,HDLMが正常に動作しなくなるおそれがあります。
/etc/inittabファイルを編集した場合は,編集後にHDLMおよびHDLMの上位のアプリケーションが正常に動作していることを確認してください。正常に動作しない場合,編集前の/etc/inittabファイルの内容に戻してください。
- 注※
- HDLMが追加したエントリのidはhdlmです。
- Oracle RAC 10gまたはOracle RAC 11gのOracle Cluster Ready ServicesまたはOracle Clusterwareを使用する場合,ノード間で共有するHDLMデバイスの名称は統一しておく必要があります。
この場合は,HDLMが作成したHDLMデバイスへのシンボリックリンクを作成してください。
ノード間で共有するデバイス名「/dev/ocr1」を,HDLMデバイス「/dev/rdsk/ch4t0d0」へのシンボリックリンクとして作成する例を次に示します。
なお,OSのmknodコマンドを使ってHDLMデバイスのスペシャルファイルは作成しないでください。mknodコマンドで,HDLMデバイスのメジャー番号やマイナー番号と対応したデバイスファイルを作成すると,そのデバイスと接続しているパスが閉塞状態でホストを起動した場合に,デバイスファイルへのアクセスがエラーになることがあります。
# ln -s /dev/rdsk/ch4t0d0 /dev/ocr1
Oracle RAC 10g用およびOracle RAC 11g用のデバイスファイルを作成しているホストへHDLMを新規インストールする場合は,すでに作成されているOracle RAC 10g用およびOracle RAC 11g用のデバイスファイルを削除してからHDLMを新規インストールしてください。そのあとHDLMデバイスへのシンボリックリンクを作成してください。
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