Hitachi Dynamic Link Manager Software ユーザーズガイド(HP-UX用)
「2.8 パス切り替えによるフェイルオーバとフェイルバック」で説明した稼働状態と閉塞状態は,さらにそれぞれ二つの状態に分けられます。四つの状態を,稼働状態に含まれるものと閉塞状態に含まれるものとに分けて説明します。
- <この項の構成>
- (1) 稼働状態
- (2) 閉塞状態
- (3) パスの状態遷移
(1) 稼働状態
稼働状態に含まれるものを次に示します。
- Online状態
正常にI/Oを発行できます。
- Online(E)状態
パスに障害が発生しています。また,同じLUにアクセスするほかのパスのうちに,Online状態のパスがありません。
一つのLUにアクセスするパスのうちにOnline状態のパスがなくなった場合,パスの一つはOnline(E)状態になります。一つのLUにアクセスするパスがすべて閉塞状態になることはありません。これは,LUにアクセスできなくなることを防ぐためです。Online(E)の「E」は,エラー属性を示します。エラー属性とは,パスに障害が発生していることを示すものです。
(2) 閉塞状態
閉塞状態に含まれるものを次に示します。
- Offline(C)状態
offlineオペレーションの実行によって,パスが閉塞状態になっています。offlineオペレーションについては,「6.4 offline パスを閉塞状態にする」を参照してください。
Offline(C)の「C」は,コマンド属性を表します。コマンド属性とは,コマンドの操作によって,パスが閉塞状態になっていることを示すものです。
- Offline(E)状態
障害が発生したため,パスが閉塞状態になっています。
Offline(E)の「E」は,エラー属性を示します。エラー属性とは,パスに障害が発生していることを示すものです。
(3) パスの状態遷移
パスの状態遷移を「図2-9 パスの状態遷移」に示します。
- (凡例)
- オンライン操作:HDLMコマンドのonlineオペレーションの実行
- オフライン操作:HDLMコマンドのofflineオペレーションの実行
- 注※1
- 同じLUにアクセスするほかのパスの中に,OnlineまたはOffline(E)のパスがない場合です。
- 注※2
- 次の条件をすべて満たす場合は,間欠障害が発生しているとみなされたパスでも自動フェイルバックの対象になります。
- LUに接続するすべてのパスがOnline(E),Offline(E),またはOffline(C)となっている。
- LUに接続するすべてのパスに間欠障害が発生したとみなされている。
- LUにI/Oが連続して発行され,I/Oが成功している。
- 注※3
- 同じLUにアクセスするほかのパスの中に,OnlineまたはOffline(E)のパスがある場合です。
- 注※4
- Online(E)になるのは,Offline(E)のパスのうち一つだけです。
- 注※5
- 同じLUにアクセスするほかのパスの中に,Offline(E)のパスがある場合です。
各LUに対する最後の稼働状態のパスは,offlineオペレーションでは閉塞状態にできません。これは,LUにアクセスできなくなることを防ぐためです。offlineオペレーションについては,「6.4 offline パスを閉塞状態にする」を参照してください。一つのLUにアクセスするパスの中に,稼働状態(Online)のパスがなくなった場合,パスの一つがOnline(E)になります。自動フェイルバック機能を使用している場合,パスが障害から回復すると,そのパスは自動的に稼働状態(Online)になります。
ただし,間欠障害を監視している場合,間欠障害とみなされたパスは,障害から回復しても自動的に稼働状態(Online)になりません。この場合,パスを手動で稼働状態(Online)にしてください。
- 注意事項
- HDLMコマンドを使用してパスのオフライン操作を行った直後にパスに障害が発生すると,一度Offline(C)となった状態がOffline(E)に遷移する場合があります。オフライン操作を実行した場合は,一定時間(1分程度)待ってから再度HDLMコマンドを使用してパスの状態を確認し,Offline(C)になっていることを確認してください。Offline(E)になっている場合は,再度オフライン操作を実行してください。
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