4.3.2 スプールジョブ転送サービス
(1) スプールジョブ転送デーモン
スプールジョブ転送サービスがスプールの管理をしている。スプールジョブ転送デーモンを止めると,スプールの管理が正しく行われない。バッチジョブの実行およびスプール管理コマンドを使用する場合には,スプールジョブ転送デーモンを起動しておくこと。システムの起動時および終了時に自動的に実行させることを推奨する。
(2) 並列転送機能
スプールジョブは,伝送カード単位に並列に転送する。転送多重度と転送されるスプールジョブのデータ量を考慮して出力クラスおよびネットワークの設計をする必要がある。
(3) リトライ間隔とリトライ回数の指定
スプールジョブ転送時に転送エラーが発生した場合に,再転送するまでのリトライ間隔を設定ファイルのJP1FTP_RETRY_INTERVALパラメータで指定できる。また,再転送のリトライ回数をJP1FTP_RETRY_TIMESパラメータで指定できる。
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リトライ回数に0を指定した場合,あるいは指定しない場合,無限にリトライを繰り返す。転送エラーが発生している場合は,障害が回復するまで当該スプールジョブの再転送を続ける。
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リトライ回数に1以上を指定した場合は,指定回数分のリトライを実行して転送処理を終了し,次のスプールジョブの転送処理に移る。
転送エラー発生時はリトライ間隔で指定した時間の経過後に再度転送が実行され,このときに障害が回復していればスプールジョブが転送される。再転送はリトライ回数分実行されるが,障害が回復せずに再転送もすべて転送エラーとなった場合は,そのスプールジョブの転送を中止し,次のスプールジョブの転送処理に移る。
転送を中止されたジョブは,bjextrjobコマンドで転送ディレクトリから再転送することができる。
なお,リトライする契機は次に示すエラーが発生した場合である。
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JP1/FTPとのコネクション確立時[fts_ftp_open( )]の異常
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伝送要求の登録時[fts_ftp_syn_request_ex( )]の異常
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伝送の異常終了
JP1/FTPの起動が遅れた場合などで,JP1/FTPとのコネクション確立時に異常を検出してリトライ待ちになっているときは,bjexpdctlコマンドで待ち状態を確認したり解除したりすることができる。
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bjexpdctlコマンドのstatusオプションでJP1/FTPとのコネクション確立時の異常でリトライ待ちになっているかを確認できる。
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bjexpdctlコマンドのftp_connectオプションでリトライ待ち状態を解除し,JP1/FTPとのコネクションの確立を再実行できる。
リトライ間隔は,次に示す図の(3)に示す転送エラー検出後の時間を指定する。
転送間隔を長く設定すると,転送エラー検出後の再転送開始までの待ち時間が長くなるため注意すること。例えば,JP1/FTPの最大同時伝送数を超えた場合などの一時的な状態の変化によるエラーが発生した場合でも,指定した待ち時間を経過しないと再転送は行われない。このため,JP1/FTPの伝送数については,最大同時伝送数を超えないような運用設計をする必要がある。