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OpenTP1 Version 7 OpenTP1 メッセージキューイング機能 TP1/Message Queue 使用の手引


7.4.1 MQTトレースファイルの出力

MQTサーバはプロセスの動作状態をMQTトレース情報として取得しています。

MQTトレース情報をMQTトレースファイルへ出力する方法について説明します。

〈この項の構成〉

(1) トレース方式の概要

MQTトレース情報はMQTサーバの各通信プロセスのローカルメモリ上でトレースバッファに一定量が取得され,満杯になった時にMQTトレースファイルとしてディスクに出力されます。この情報はMQTサーバに障害が発生した場合に,障害情報として必要になります。出力先ディレクトリのディスク容量に余裕がない場合を除いて,常にMQTトレースファイルに出力しておくことをお勧めします。MQTトレースファイルに出力する場合は,mqttcp定義コマンド,mqttcpcs定義コマンド,またはmqttcpcr定義コマンドの-t diskオペランドにyesを指定してください。または,オンライン中にmqtstatrcコマンドを入力してMQTトレースのディスク出力機能を開始します。

特に,オンライン中にMQTトレースファイルを出力する場合はトレースバッファ上に蓄えているMQTトレース情報を,MQTトレースファイルに強制スワップできます。mqtswptrcコマンドを使用して強制スワップしてください。mqtswptrcコマンドを使用すると定義コマンドの-t diskオペランドにyesを指定していない場合でも,メモリ上のMQTトレース情報をMQTトレースファイルに出力できます。ただし,この場合は取得できる情報が少ないため,障害情報として不十分になることがあります。mqtswptrcコマンドについては,6章の「mqtswptrc(MQTトレースの強制スワップ)」を参照してください。

MQTトレースファイルの出力について,次の図に示します。

図7‒16 MQTトレースファイルの出力

[図データ]

(2) ファイル名とその作成順序

MQTトレースファイルは,MQTサービス定義のmqt_trace_file_pathオペランドで指定されたディレクトリに作成されます。トレースファイル名は,"mqttrcXXYY"(XX:MQT通信プロセス識別子,YY:トレーススワップファイル識別子)です。トレーススワップファイル識別子はその最大値を,TCP定義のmqttcp,mqttcpcs,またはmqttcpcr定義コマンドの-t trccntオペランドに指定します。MQTサーバを開始して最大値までファイルを作成すると,ラウンドロビン方式で再度1番から上書きしていきます。

(a) オンライン開始後の最初の出力

オンライン開始後,最初に書き込まれるトレースファイルは,mqt_trace_file_pathオペランドで指定されたディレクトリにあるトレースファイルのうち,最終更新時刻が最も新しいファイル通番の次の通番のファイルになります。ただし,ファイル通番に抜けが存在する場合は,抜けている通番のファイルがオンライン開始後,最初に書き込まれるトレースファイルになります。

トレースファイルを書き込む際,mqt_trace_file_pathオペランドで指定されたディレクトリにあるトレースファイルの更新日付の確認でエラーが発生した場合,オンライン開始後,最初に書き込まれるトレースファイルのファイル通番は1になります。このエラーが発生した場合は,KFCA31185-Wがメッセージログファイルに出力され,トレースファイルの出力が継続されます。

(b) オンライン開始後の2回目以降の出力

オンライン開始後,2回目以降に出力されるトレースファイルは,ファイル通番に1が加算されたファイルに書き込まれます。最大通番(TCP定義のmqttcp,mqttcpcs,またはmqttcpcr定義コマンドの-t trccntオペランドの指定値)まで達した場合は,ラウンドロビン方式で再度1番から上書きしていきます。

(3) 取得するトレースの内容

mqtedコマンドを入力すると,MQTトレースファイルの内容が標準出力に出力されます。

なお,MQTサーバで障害が発生し保守員に調査を依頼する場合,MQTトレースファイルが必要になります。障害発生時のMQTトレースファイルを保存することをお勧めします。