7.4.2 MQRトレースファイルの出力
リポジトリ管理サーバは,パーシャルリポジトリとフルリポジトリ間で発生するクラスタについてのメッセージ送受信をMQRトレース情報として取得しています。
MQRトレース情報をMQRトレースファイルへ出力する方法について説明します。
(1) トレース方式の概要
MQRトレース情報は,パーシャルリポジトリとフルリポジトリ間でクラスタについてのメッセージ送受信が発生するたびに,共用メモリ上に一定量が取得され,満杯になった時,またはmqrsupの正常終了時にMQRトレースファイルに出力されます。この情報はパーシャルリポジトリとフルリポジトリ間の連携に障害が発生した場合に,障害情報として必要になります。
また,mqrsup動作中にMQRトレースファイルを出力する場合はメモリ上に蓄えているMQRトレース情報をMQRトレースファイルに強制スワップできます。mqrswptrcコマンドを使用して強制スワップしてください。
MQRトレースファイルを出力しない場合は,リポジトリ管理サーバユーザサービス定義ファイルのDCMQA_TRACE_STATUSオペランドにNを指定してください。
リポジトリ管理サーバユーザサービス定義ファイルの詳細については,「2.8.11(4) リポジトリ管理サーバの環境変数」を参照してください。
(2) ファイル名とその作成順序
MQRトレースファイルは,DCMQA_TRACE_PATHオペランドで指定されたディレクトリに作成されます。トレースファイル名は,"mqrtrcX"(X:1〜DCMQA_TRACE_FILE_NUMオペランドの指定値)です。リポジトリ管理サーバを開始して最大値までファイルを作成すると,ラウンドロビン方式で再度1番から上書きしていきます。
(a) オンライン開始後の最初の出力
オンライン開始後,最初に書き込まれるトレースファイルは,DCMQA_TRACE_PATHオペランドで指定されたディレクトリにあるトレースファイルのうち,最終更新時刻が最も新しいファイル通番の次の通番のファイルになります。ただし,ファイル通番に抜けが存在する場合は,抜けている通番のファイルがオンライン開始後,最初に書き込まれるトレースファイルになります。
トレースファイルに書き込む際,DCMQA_TRACE_PATHオペランドで指定されたディレクトリに存在するトレースファイルの更新日付の確認でエラーが発生した場合,オンライン開始後,最初に書き込まれるトレースファイルのファイル通番は1になります。このエラーが発生した場合は,KFCA31185-Wがメッセージログファイルに出力され,トレースファイルの出力が継続されます。
(b) オンライン開始後の2回目以降の出力
オンライン開始後,2回目以降に出力されるトレースファイルは,ファイル通番に1が加算されたファイルに書き込まれます。最大通番(DCMQA_TRACE_FILE_NUMオペランドの指定値)まで達した場合は,ラウンドロビン方式で再度1番から上書きしていきます。
(3) 取得するトレースの内容
取得するトレースの内容は公開しません。障害発生時にMQRトレースファイルを取得したら,保守員に連絡してください。
(4) 出力失敗時の動作
MQRトレースファイルへMQRトレース情報を出力する時に,満杯以外のエラーが発生した場合は,機能を停止します。再び使用する場合はリポジトリ管理サーバを再起動してください。