分散トランザクション処理機能 OpenTP1 プロトコル TP1/NET/OSAS-NIF編

[目次][用語][索引][前へ][次へ]

はじめに

このマニュアルは,TP1/NET/OSAS-NIFの概要,機能,操作,および運用について説明したものです。

このマニュアルに記載するプログラムプロダクトは次のとおりです。

適用OS:AIX 5L V5.1,AIX 5L V5.2,AIX 5L V5.3

本文中に記載されている製品のうち,このマニュアルの対象製品ではない製品については,OpenTP1 Version 7対応製品の発行時期をご確認ください。

<はじめにの構成>
対象読者
マニュアルの構成
関連マニュアル
読書手順
図中で使用する記号
JISコード配列のキーボードとASCIIコード配列のキーボードとの違いについて
文法の記号
このマニュアルでの表記
略語一覧
常用漢字以外の漢字の使用について
KB(キロバイト)などの単位表記について
謝辞

対象読者

OpenTP1システムの通信にNIF/OSIプロトコルを使用するシステム管理者およびシステム設計者を対象としています。また,オンラインやOpenTP1システムの基礎的な知識を持っていて,次のマニュアルの内容を理解されていることを前提としています。

マニュアルの構成

このマニュアルは,次に示す章と付録から構成されています。

第1章 概要
TP1/NET/OSAS-NIFを使用したシステム間の通信(AP間通信)の概要について説明しています。
第2章 機能
TP1/NET/OSAS-NIFを使用したシステム間通信の機能,メッセージ送受信の流れおよびTP1/NET/OSAS-NIF固有の機能について説明しています。
第3章 メッセージ送受信インタフェース
TP1/NET/OSAS-NIFを使用してメッセージを送受信するUAPの作成方法,および作成例について説明しています。
第4章 ユーザオウンコーディング,MCFイベントインタフェース
TP1/NET/OSAS-NIFに関連するユーザオウンコーディング(UOC)およびMCFイベントインタフェースについて説明しています。
第5章 システム定義
NIF/OSIプロトコルを使用するために必要なOpenTP1のシステム定義の中でのTP1/NET/OSAS-NIF固有のシステム定義について説明しています。また,自システム内にある通信管理プログラムと関連づける内容,相手システムの通信定義と関連づける内容,およびシステム定義例について説明しています。
第6章 運用コマンド
TP1/NET/OSAS-NIFで使用する運用コマンドについて説明しています。
第7章 組み込み方法
TP1/NET/OSAS-NIFをOpenTP1システムへ組み込む方法について説明しています。
第8章 障害対策
TP1/NET/OSAS-NIFの障害時の処理とユーザの対策について説明しています。
付録A メッセージ送受信の処理の流れ
メッセージを送受信するときのデータの流れ,およびジャーナル取得のタイミングについて説明しています。
付録B 障害発生時の処理の流れ
メッセージの送受信中に,障害が発生した場合の処理の流れについて説明しています。
付録C UOCのコーディング例
TP1/NET/OSAS-NIFの入力メッセージ編集UOCのコーディング例を示しています。
付録D 理由コード一覧
障害通知イベントが発生した場合の理由コードについて説明しています。
付録E 旧製品からの移行に関する注意事項
バージョン6以前からバージョン7に移行する際の注意事項について説明しています。
付録F バージョンアップ時の変更点
各バージョンでの関数,定義およびコマンドの変更点について説明しています。
付録G 用語解説
TP1/NET/OSAS-NIFで使用する用語について説明しています。

関連マニュアル

[図データ]

[図データ]

読書手順

このマニュアルは,利用目的に合わせて章を選択して読むことができます。利用目的別に,次の流れに従ってお読みいただくことをお勧めします。

[図データ]

図中で使用する記号

このマニュアルの図中で使用する記号を,次のように定義します。

[図データ]

JISコード配列のキーボードとASCIIコード配列のキーボードとの違いについて

JISコード配列とASCIIコード配列では,次に示すコードで入力文字の違いがあります。このマニュアルの文字入力例(コーディング例)の表記は,JISコード配列(日本語のキーボード)に従った文字に統一しています。

コード JISコード配列 ASCIIコード配列
(5c)16 '¥'(円記号) '\'(バックスラッシュ)
(7e)16 ' ̄'(オーバライン) '〜'(チルド)

文法の記号

このマニュアルで使用する各種の記号を説明します。

(1) 文法記述記号

文法の記述形式について説明する記号です。

文法記述記号 意味
〔 〕 この記号で囲まれている項目は省略できることを示します。
(例)〔-s MCF通信プロセス識別子〕
-sオプションとそのオペランドを指定するか,何も指定しないことを示します。

(ストローク)
この記号で仕切られた項目は選択できることを示します。
(例)-t reply|request
-tオプションにreplyまたはrequestを指定できることを示します。
ただし,C言語のインタフェースの説明でこの記号を使用した場合は,C言語の文法規則に従います。
{ } この記号で囲まれている複数の項目のうちから一つを選択することを示します。
(例){DCMCFESI|DCMCFEMI}
DCMCFESIとDCMCFEMIのうち,どちらかを指定することを示します。
{{ }} この記号で囲まれた複数の項目が一つの繰り返し項目の単位であり,繰り返し指定できることを示します。
(例){{mcftalccn
mcftalcle
mcftalced}}
mcftalccn,mcftalcleおよびmcftalcedを一組として,繰り返し指定できることを示します。
_
(下線)
この記号で示す項目は,オペランド,オプションまたはコマンド引数を省略した場合の省略時解釈値を示します。
(例)-i auto|manual
-iオプションを省略した場合,manualを省略時解釈値とすることを示します。
ただし,データ操作言語の説明の場合,この下線記号で示す予約語は,必要語なので省略できないことを示します。
下線がない予約語は,補助語なので書いても書かなくてもかまいません。
この記号で示す直前の一つの項目を繰り返し指定できることを示します。
ただし,項目が括弧で囲まれている場合,括弧全体が一つの項目となります。

(白三角)
空白を示します。
(例)コネクションID1△コネクションID2
コネクションID1とコネクションID2の間に,空白を1個入力することを示します。
(2) 属性表示記号

ユーザ指定値の範囲などを説明する記号です。

属性表示記号 意味
この記号のあとにユーザ指定値の属性を示します。
《  》 ユーザが指定を省略したときの省略時解釈値を示します。
〈  〉 ユーザ指定値の構文要素を示します。
((  )) ユーザ指定値の指定範囲を示します。
(3) 構文要素記号

ユーザ指定値の内容を説明する記号です。

構文要素記号 意味
〈英字〉 アルファベット(A〜Z,a〜z)と_(アンダスコア)
〈英字記号〉 アルファベット(A〜Z,a〜z)と#,@,\
〈英数字〉 英字と数字(0〜9)
〈英数字記号〉 英字記号と数字(0〜9)
〈符号なし整数〉 数字列(0〜9)
〈16進数字〉 数字(0〜9)とアルファベット(A〜F,a〜f)
〈識別子〉 先頭がアルファベットの英数字列
〈記号名称〉 先頭が英字記号の英数字記号列
〈文字列〉 任意の文字の配列
〈パス名〉 記号名称,/,および.(ピリオド)
(ただし,パス名は使用するOSに依存)

このマニュアルでの表記

このマニュアルで使用する製品名称の略称を次に示します。

製品名称 略称
AIX 5L V5.1 AIX
AIX 5L V5.2
AIX 5L V5.3
uCosminexus TP1/Message Control TP1/Message Control
uCosminexus TP1/Message Control/Tester TP1/Message Control/Tester
uCosminexus TP1/NET/Library TP1/NET/Library
uCosminexus TP1/NET/OSAS-NIF TP1/NET/OSAS-NIF
uCosminexus TP1/Server Base TP1/Server Base
XNF/AS/ACONARC XNF/AS XNF
XNF/AS/BASE
XNF/AS/OSI Extension
XNF/AS/WAN

略語一覧

このマニュアルで使用する英略語の一覧を次に示します。

英略語 英字での表記
ACSE Association Control Service Element
AT Agent
ATM Agent Manager
CCP Communication Control Processor
ECS/VTAM Extended Communication Support/Virtual Telecommunication Access Method
HNA Hitachi Network Architecture
LE Logical Entity
MCF Message Control Facility
MHP Message Handling Program
NIF/OSI Network Interface Feature/Open Systems Interconnection
OS Operating System
RPC Remote Procedure Call
SPP Service Providing Program
TMS-4V/SP Transaction Management System-4V/System Product
UAP User Application Program

常用漢字以外の漢字の使用について

このマニュアルでは,常用漢字を使用することを基本としていますが,次に示す用語については,常用漢字以外の漢字を使用しています。

個所(かしょ) 閉塞(へいそく)

KB(キロバイト)などの単位表記について

1KB(キロバイト),1MB(メガバイト),1GB(ギガバイト),1TB(テラバイト)はそれぞれ1,024バイト,1,0242バイト,1,0243バイト,1,0244バイトです。

謝辞

COBOL言語仕様は,CODASYL(the Conference on Data Systems Languages:データシステムズ言語協議会)によって,開発された。OpenTP1のユーザアプリケーションプログラムのインタフェース仕様のうち,データ操作言語(DML Data Manipulation Language)の仕様は,CODASYL COBOL(1981)の通信節,RECEIVE文,SEND文,COMMIT文,及びROLLBACK文を参考にし,それに日立製作所独自の解釈と仕様を追加して開発した。原開発者に対し謝意を表すとともに,CODASYLの要求に従って以下の謝辞を掲げる。なお,この文章は,COBOLの原仕様書「CODASYL COBOL JOURNAL OF DEVELOPMENT 1984」の謝辞の一部を再掲するものである。

 

いかなる組織であっても,COBOLの原仕様書とその仕様の全体又は一部分を複製すること,マニュアルその他の資料のための土台として原仕様書のアイデアを利用することは自由である。ただし,その場合には,その刊行物のまえがきの一部として,次の謝辞を掲載しなければならない。書評などに短い文章を引用するときは,"COBOL"という名称を示せば謝辞全体を掲載する必要はない。

 

COBOLは産業界の言語であり,特定の団体や組織の所有物ではない。

CODASYL COBOL委員会又は仕様変更の提案者は,このプログラミングシステムと言語の正確さや機能について,いかなる保証も与えない。さらに,それに関連する責任も負わない。

 

 次に示す著作権表示付資料の著作者及び著作権者

 

FLOW-MATIC(Sperry Rand Corporationの商標),

Programming for the Univac(R)I and II,Data Automation Systems,

Sperry Rand Corporation 著作権表示1958年,1959年;

IBM Commercial Translator Form No.F 28-8013,IBM著作権表示1959年;

FACT,DSI 27A5260-2760,Minneapolis-Honeywell,著作権表示1960年

 

は,これら全体又は一部分をCOBOLの原仕様書中に利用することを許可した。この許可は,COBOL原仕様書をプログラミングマニュアルや類似の刊行物に複製したり,利用したりする場合にまで拡張される。