分散トランザクション処理機能 TP1/Connector for .NET Framework 使用の手引
WCFでは,クライアントとサービスとの間でどのように通信するかをBindingとしてアプリケーション構成ファイルに定義することで,クライアントとサービス間の通信方式を決定します。WCF連携機能では,OpenTP1にサービスを要求できるように,WCFのBindingとしてTP1IntegrationBindingを提供します。
BindingにTP1IntegrationBindingを設定することで,WCFクライアントからOpenTP1上のSPPおよびSPP.NETにサービスを要求できます。ただし,サービスを要求できるSPP.NETは,.NETインタフェース定義を使用していないSPP.NETだけです。
なお,WCF連携機能はWCFクライアントからOpenTP1にサービスを要求するための機能であり,WCFサービスの開発はできません。そのため,WCFを利用する際に必要なサービスコントラクトおよびそのプロキシクラスは,Connector .NETのTP1IntegrationBindingであらかじめ提供しています。
WCF連携機能の概要を次の図に示します。
図1-39 WCF連携機能の概要
WCF連携機能は,次に示すOSで使用できます。
WCF連携機能を使用する場合,次に示すソフトウェアのどちらかが必要です。
WCF連携機能を使用してUAPを開発する場合,次のプログラム言語が使用できます。
WCF連携機能を使用してサービスを要求する場合,Connector .NETの機能で使用できる機能と使用できない機能があります。
WCF連携機能を使用する場合,Connector .NETの機能はConnector .NET構成定義に定義することで使用できます。
WCF連携機能で使用できるConnector .NETの機能と構成定義での定義を次の表に示します。
表1-16 WCF連携機能で使用できるConnector .NETの機能と構成定義での定義
Connector .NETの機能 | 使用可否 | 構成定義での定義 |
---|---|---|
リモートプロシジャコール(RPC) | ○ | <client>要素 |
トランザクション制御機能(ローカルトランザクション) | × | − |
トランザクション制御機能(分散トランザクション) | ○ | <distributedTransaction>要素 |
TCP/IP通信機能 | × | − |
コネクションプーリング機能 | ○ | <connection>要素 |
バッファプーリング機能 | ○ |
|
TSP自動生成機能 | × | − |
リソース監視機能 | ○ |
|
接続障害軽減機能 | ○ | <connection>要素のfailureInfoSharing属性およびfailureCheckInterval属性 |
WCF連携機能を使用してサービスを要求できるサーバUAPの種類を次の表に示します。
表1-17 サービスを要求できるサーバUAPの種類
サーバUAPの種類 | 使用可否 |
---|---|
SPP | ○ |
SPP.NET(.NETインタフェース定義を使用した場合) | × |
SPP.NET(.NETインタフェース定義を使用しない場合) | ○ |
MHP | × |
WCF連携機能を使用してサービスを要求する際のRPCの形態と種類を次の表に示します。
表1-18 サービスを要求する際のRPCの形態と種類
分類 | RPCの形態と種類 | 使用可否 |
---|---|---|
RPCの形態 | 同期応答型RPC | ○※1 |
非同期応答型RPC | × | |
非応答型RPC | × | |
連鎖RPC | × | |
RPCの種類※2 | リモートAPI機能を使用したRPC | ○ |
ネームサービスを使用したRPC | ○ | |
スケジューラダイレクト機能を使用したRPC | ○ |
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