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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 使用の手引 Windows(R)編


6.6.1 障害発生時の現象と原因

Windows版OpenTP1固有の障害発生時の現象,推定できる原因,および対策を次に示します。この表以外の障害発生時の現象,推定できる原因,および対策については,マニュアル「OpenTP1 運用と操作」を参照してください。

表6‒6 障害発生時の現象,推定できる原因,および対策

現象

原因

対策

UAPを開始できない

プロセス固有メモリが不足しています。

不要なプロセスが存在している場合は,そのプロセスを停止させてください。不要なプロセスがない場合は,物理メモリを追加し,Windowsの仮想メモリページファイルを拡張してください。

UAPを開始できない(ユーザサーバが終了状態0x00000000,0x00000080,または0xC0000135でダウンする)

UAPの実行に必要なランタイムライブラリのパスが設定されていません。

UAPの実行に必要なランタイムライブラリのパスを設定してください。詳細については,「4.3.3 ランタイムライブラリのパスの設定」を参照してください。

マニフェストファイルが存在しないか,またはマニフェストファイルに記載されているライブラリを参照できません。

マニフェストファイル,またはライブラリを確認してください。詳細については,「3.3.4 Visual Studio使用時の注意事項」を参照してください。

プロセスの起動とサーバマシンのログオフ処理が重なると,プロセスの起動に失敗することがあります。

プロセスが頻繁に生成されるOpenTP1起動時,およびUAPプロセスの起動と停止が頻繁に発生するシステムのオンライン業務中は,当該サーバマシンでのログオフ操作を控えてください。

デスクトップヒープの不足が原因で,子プロセスの生成に失敗することがあります。

不要なプロセスが存在している場合は,そのプロセスを停止させてください。不要なプロセスがない場合は,OSのデスクトップヒープ領域を拡張してください。

UAPを終了できない

アプリケーション例外が発生しています。

対策については,「6.6.2 アプリケーション例外発生時の対策」を参照してください。

OpenTP1を開始できない

メモリ,またはディスク容量が不足しています。

OpenTP1の定義内容を見直してください。見直しても開始できない場合は,次に示す要因ごとにそれぞれ見直してください。

  • プロセス固有メモリが不足している場合

    物理メモリのサイズ,およびWindowsの仮想メモリページファイルの容量を見直してください。

  • 共用メモリが不足している場合

    不要なファイルを削除してください。OpenTP1をインストールしたディスクパーティションの残容量が,OpenTP1が確保する共用メモリ容量より大きくなるようにします。

OpenTP1を開始できない,またはUAPを開始できない(OpenTP1システムプロセスやUAPプロセスが,KFCA00100-Eメッセージを出力し,ダウンする)

連続した空き仮想アドレス空間領域が不足しています。

共用メモリサイズが大き過ぎないか,OpenTP1の定義内容を見直してください。見直しても開始できない場合は,次に示す要因ごとに対策してください。

  • マッピングサービスプロセス(mapsmgrd.exe)が,メモリ不足でダウンする場合

    マッピングサービスプロセスが使用するXMAP3のDLLを入れ替えることで,仮想アドレス空間上の空き連続領域を増やせるときがあります。XMAP3の提供するDLLの入れ替え変更手順については,XMAP3のリリースノートを参照してください。

  • OpenTP1システムプロセス(trnrmd.exe,trnrvd.exe,clttrnd.exe),またはUAPプロセスが,メモリ不足でダウンする場合

    保守員へ連絡してください。

通信性能やディスクI/O性能が劣化する

OpenTP1が動作するコンピュータで,実行プログラムをリアルタイムに検疫する機能を持つウィルス駆除プログラムが起動している可能性があります。

ウィルス駆除プログラムの動作によっては,OpenTP1が動作に必要なファイルに一時的にアクセスできなくなり,OpenTP1の動作に影響を及ぼすおそれがあります。

次のパスをウィルス駆除プログラムの検疫対象から除外することをお勧めします。

  • %DCDIR%下のフォルダのパス

  • 定義ファイルやTP1ファイルシステムなどを%DCDIR%下以外に格納している場合は,そのフォルダのパス

ポートが不足している

高トラフィック状態になっています。

対策については,「6.6.3 ポート数不足への対策(TCP/IPポート数のチューニング)」を参照してください。

注※

XMAP3のバージョンによっては,対応していない場合があります。