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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 使用の手引 Windows(R)編


システム環境定義

ここで説明していないオペランドについては,「5.1.1 システム環境定義の内容」に示す一覧を参照してください。

〈このページの構成〉

形式

set形式

〔set mode_conf=AUTO〕
〔set static_shmpool_size=静的共用メモリの総量〕
〔set dynamic_shmpool_size=動的共用メモリの最大使用時の総量〕
〔set shmpool_attribute=free〕
〔set user_command=ユーザ環境設定コマンド〕
〔set user_command_online=システム開始完了コマンド〕
〔set redirect_file=Y|N〕
〔set redirect_file_name=出力先ファイル名〕
〔set redirect_file_size=出力先ファイルの最大サイズ〕
〔set console_output=Y|N

putenv形式

〔putenv DCADMDEBUG 0|1

dcputenv形式

〔dcputenv DCCONFPATH 定義ファイルの格納フォルダ〕
〔dcputenv DCUAPCONFPATH ユーザサービス定義ファイルの格納フォルダ〕

説明

形式の説明を次に示します。

set形式のオペランド

●mode_conf=AUTO

 〜《AUTO》

システムの開始方法には,AUTOだけを指定できます。また,前回の終了モードによる開始形態の違いについては,「6.2.4 開始形態の決定」を参照してください。

これ以外に差異はありません。

●static_shmpool_size=静的共用メモリの総量

 〈符号なし整数〉(単位:キロバイト)

 32ビット版の場合:((0〜1048576))《4096》

 64ビット版の場合:((0〜67108864))《4096》

32ビット版の場合の上限値はUNIX版と異なり,1048576です。このため,32ビット版の静的共用メモリの総量は,dynamic_shmpool_size指定値との合計が,1048576を超えないように指定してください。

これ以外に差異はありません。

このオペランドの指定値とdynamic_shmpool_size指定値との合計が上限値以下でも,共用メモリをマッピングできずにOpenTP1が起動できないことがあります。指定した共用メモリサイズで実際にOpenTP1を起動できるかどうかは,仮想アドレス空間へ共用メモリをマッピングする際の連続した空き領域のサイズに依存します。

仮想アドレス空間に共用メモリをマッピングできなかった場合,システムサービスプロセスやユーザサーバプロセスがKFCA00100-Eメッセージを出力してダウンします。この場合は,共用メモリサイズを過大に見積もっていないか,または不要なライブラリをローディングしていないかを見直してください。共用メモリサイズの見積もりおよびローディングするライブラリが適切である場合は,64ビット版への移行を検討してください。

●dynamic_shmpool_size=動的共用メモリの最大使用時の総量

 〈符号なし整数〉(単位:キロバイト)

 32ビット版の場合:((0〜1048576))《4096》

 64ビット版の場合:((0〜67108864))《4096》

32ビット版の場合の上限値はUNIX版と異なり,1048576です。このため,32ビット版の動的共用メモリの最大使用時の総量は,static_shmpool_size指定値との合計が,1048576を超えないように指定してください。

これ以外に差異はありません。

このオペランドの指定値とstatic_shmpool_size指定値との合計が上限値以下でも,共用メモリをマッピングできずにOpenTP1が起動できないことがあります。詳細については,static_shmpool_sizeオペランドを参照してください。

●shmpool_attribute=free

 〜《free》

システムサービス用共用メモリプールをメモリ上に固定できないため,fixedは指定できません。これ以外に差異はありません。

●user_command=ユーザ環境設定コマンド

 〜〈パス名〉

OpenTP1起動前に,実行するユーザ環境設定コマンドを完全パス名(1〜260バイト)で指定します。

標準入力待ち状態を発生させるコマンドおよびバッチファイルを指定しないでください。

指定したパス名の中に'/',または'$'を含む場合,指定した文字列に対してOpenTP1内部で独自の文字列変換処理を実行します。

標準出力リダイレクト機能を使用(redirect_fileオペランドにYを指定)した場合,このオペランドに指定したコマンドの標準出力・標準エラー出力は,redirect_file_nameオペランドで指定したファイルにリダイレクトされます。

ただし,OSの動作の違いのため,次のOSでは1,2に示す事象が発生することがあります。

発生条件および回避策の詳細は,TP1/Server Baseのリリースノートの「システム作成上の注意事項」を参照してください。

[対象OS]
  • Windows Server 2008 R2

  • Windows 7 x64 Edition

[事象]
  1. このオペランドに指定したバッチファイルが実行できないことがあります。

    この場合,バッチファイル内で@echo offを実行し,標準出力・標準エラー出力を無効にしてから使用してください。

  2. このオペランドに指定したコマンドの標準出力・標準エラー出力がredirect_file_nameオペランドで指定したファイルにリダイレクトされないことがあります。

    該当するOSでファイルに出力する場合は,指定したコマンド内で任意のファイルにリダイレクトして出力してください。

これ以外に差異はありません。

●user_command_online=システム開始完了コマンド

 〜〈パス名〉

OpenTP1が起動を完了するときに実行するシステム開始完了コマンドを完全パス名(1〜260バイト)で指定します。

コマンド文字列の末尾に'&'を指定した場合のコマンドの非同期実行は,サポートしていません。

ユーザIDの指定(user_command_online_tp1mngr_idオペランド)は,サポートしていません。

標準入力待ち状態を発生させるコマンドおよびバッチファイルを指定しないでください。

指定したパス名中に'/',または'$'を含む場合,指定した文字列に対してOpenTP1内部で独自の文字列変換処理を実行します。

標準出力リダイレクト機能を使用(redirect_fileオペランドにYを指定)した場合,このオペランドに指定したコマンドの標準出力・標準エラー出力は,redirect_file_nameオペランドで指定したファイルにリダイレクトされます。

ただし,OSの動作の違いのため,次のOSでは1,2に示す事象が発生することがあります。

発生条件および回避策の詳細は,TP1/Server Baseのリリースノートの「システム作成上の注意事項」を参照してください。

[対象OS]
  • Windows Server 2008 R2

  • Windows 7 x64 Edition

[事象]
  1. このオペランドに指定したバッチファイルが実行できないことがあります。

    この場合,バッチファイル内で@echo offを実行し,標準出力・標準エラー出力を無効にしてから使用してください。

  2. このオペランドに指定したコマンドの標準出力・標準エラー出力がredirect_file_nameオペランドで指定したファイルにリダイレクトされないことがあります。

    該当するOSでファイルに出力する場合は,指定したコマンド内で任意のファイルにリダイレクトして出力してください。

これ以外に差異はありません。

●redirect_file=Y|N

 〜《N》

Windows版OpenTP1固有のオペランドです。OpenTP1配下のプロセスの標準出力・標準エラー出力の内容をファイルに出力するかどうか(標準出力リダイレクト機能を使用するかどうか)を指定します。

Y

標準出力・標準エラー出力の内容をファイルに出力します。OpenTP1のコンソールウィンドウは表示されません。

N

標準出力・標準エラー出力の内容をファイルに出力しません。

システム共通定義のprc_portオペランド,またはrpc_port_baseオペランドを指定した場合,標準出力リダイレクト機能は使用できません。詳細については,「2.2.4 システム定義の関係」を参照してください。

prc_portオペランド,またはrpc_port_baseオペランドを指定し,かつこのオペランドにYを指定した場合,KFCA26520-Wメッセージを出力したあと,このオペランドの指定を無視してOpenTP1の起動を続行します。KFCA26520-Wメッセージが出力される場合は,prc_portオペランド,またはrpc_port_baseオペランドの指定を削除するか,redirect_fileオペランドの指定を削除してください。

●redirect_file_name=出力先ファイル名

 〜〈パス名〉

標準出力・標準エラー出力の内容を出力するファイル名を絶対パス名で指定します。

Windows版では世代管理ができます。

世代管理する場合は,ファイル名のあとに"1"または"2"が付加されます。ファイル名を省略した場合は,%DCDIR%\spool\prclog1,%DCDIR%\spool\prclog2の二つのファイルが作成されます。

●redirect_file_size=出力先ファイルの最大サイズ

 〜〈符号なし整数〉((0〜65535))《1024》(単位:キロバイト)

Windows版OpenTP1固有のオペランドです。標準出力・標準エラー出力の内容を出力するファイルの最大サイズを,キロバイト単位で指定します。

出力先ファイルは,指定した出力サイズを基に2世代管理されます。メッセージの出力内容によっては,出力ファイルのサイズが指定値を超える場合があります。

0を指定した場合,2世代管理をしないため,単調増加ファイルになります。

標準出力リダイレクト機能を使用し,同時に多量のメッセージを出力する場合,同時に出力先ファイルを更新してしまい,次回OpenTP1の開始時に最新世代のファイルを現用に割り当てることがあります。そのため,このオペランドの指定値は,1世代を使い切る時間が1秒以上掛かるサイズを目安として指定してください。

●console_output=Y|N

 〜《N》

Windows版OpenTP1固有のオペランドです。標準出力・標準エラー出力の内容をコンソールに出力するかどうか(OpenTP1コンソール出力機能を使用するかどうか)を指定します。

Y

標準出力・標準エラー出力の内容をコンソールに出力します。

N

標準出力・標準エラー出力の内容をコンソールに出力しません。

このオペランドにYを指定した場合でも,そのほかのオペランドの指定値によっては,標準出力・標準エラー出力の内容がコンソールに出力されないことがあります。詳細については,「2.2.4 システム定義の関係」を参照してください。

putenv形式のオペランド

●DCADMDEBUG 0|1

 〜《1》

デフォルト値が"1"になります。これ以外に差異はありません。

dcputenv形式のオペランド

●DCCONFPATH 定義ファイルの格納フォルダ

 〜〈パス名〉

環境変数DCCONFPATHの指定値は,大文字,小文字が区別されます。必ず,マシン内で同じ文字列となるように設定してください。

環境変数を指定する場合は,$ではなく,%で環境変数を囲んでください。これ以外に差異はありません。

●DCUAPCONFPATH ユーザサービス定義ファイルの格納フォルダ

 〜〈パス名〉

環境変数を指定する場合は,$ではなく,%で環境変数を囲んでください。これ以外に差異はありません。