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OpenTP1 Version 7 分散アプリケーションサーバ TP1/LiNK 使用の手引


6.4.2 トレース情報の出力

ユーザサーバの状態を知るためのトレース情報(RPCトレース,UAPトレース)を出力する方法について説明します。トレース情報を出力するときは,[TP1/LiNKオペレーション]ウィンドウの[トレース情報表示(I)...]ボタンをクリックします。ボタンをクリックすると,[TP1/LiNKトレース情報表示]ダイアログボックスが表示されます。

図6‒8 [TP1/LiNKトレース情報表示]ダイアログボックス

[図データ]

ボタンの使い方
[開始(S)]ボタン

このダイアログボックスに設定した内容で,トレース情報の出力を開始します。

RPCトレースを出力するときは,[トレースの選択]欄の[RPCトレース(R)]オプションボタンおよび[保存先ファイル名(A)]オプションボタンをオンにして,[開始(S)]ボタンをクリックします。

[SPP詳細設定]ダイアログボックスまたは[SUP詳細設定]ダイアログボックスの[RPCトレースを取得するファイルの容量(J)]に値が設定されているUAPのRPCトレースを出力するときは,[トレースの選択]欄の[RPCトレース(R)]オプションボタンをオンにして,編集するRPCトレースを[トレースファイル一覧(L)]から選択し,[開始(S)]ボタンをクリックします。ボタンをクリックすると,[保存先ファイル名(A)]に示すファイルに,RPCトレースを出力できます。

UAPトレースを出力するときは,[トレースの選択]欄の[UAPトレース(U)]オプションボタンおよび[保存先ファイル名(A)]オプションボタンをオンにして,編集するUAPトレースを[トレースファイル一覧(L)]から選択してから[開始(S)]ボタンをクリックします。ボタンをクリックすると,[保存先ファイル名(A)]に示すファイルにUAPトレースを編集出力できます。

各トレースの出力結果を表示するときは,[プログラムファイル名(E)]オプションボタンをオンにして,[開始(S)]ボタンをクリックします。

[終了(C)]ボタン

[TP1/LiNKトレース情報表示]ダイアログボックスを終了します。

ダイアログボックスに設定する内容
[トレースの選択]欄

出力するトレース情報の種別をオプションボタンで設定します。

RPCトレースを出力するときは,[RPCトレース(R)]オプションボタンをオンにします。

UAPトレースを出力するときは,[UAPトレース(U)]オプションボタンをオンにします。

[ファイルオプション]欄
  • [保存先ファイル名(A)]オプションボタン

    トレース情報を保存するファイル名を指定します。ファイル名を省略すると「trace.txt」が仮定されます。

  • [プログラムファイル名(E)]オプションボタン

    [保存先ファイル名(A)]オプションボタンで指定したファイルを管理するアプリケーションソフトの実行形式ファイルを指定します。ここで指定するアプリケーションソフトは,システムにインストールしてあるものだけ有効です。ファイル名を省略すると,「notepad.exe」が仮定されます。

  • [トレースファイル一覧(L)]

    [RPCトレース(R)]オプションボタンをオンにした場合,[SPP詳細設定]ダイアログボックスまたは[SUP詳細設定]ダイアログボックスの[RPCトレースを取得するファイルの容量(J)]に値が設定されているUAPのRPCトレースファイル(2進のデータ)の一覧が表示されます。RPCトレースファイルの名称は,ユーザサーバ名です。RPCトレースを編集出力するときには,この一覧からファイル名を選択して[開始(S)]ボタンをクリックします。

    [UAPトレース(U)]オプションボタンをオンにした場合,異常終了または強制終了したUAPのUAPトレースファイル(2進のデータ)の一覧が表示されます。UAPトレースファイルの名称は,ユーザサーバ名.nnn(nnnはプロセスID)です。UAPトレースを編集出力するときは,この一覧からファイル名を選択して[開始(S)]ボタンをクリックします。

[ファイルの保存]欄
  • [保存先ファイル名(N)]

    TP1/LiNKが取得した各種ファイルのファイル名が表示されます。

  • [フォルダ(F)]

    [保存先ファイル名(N)]一覧のファイルが保存されている,Windowsのファイルシステムです。

  • [ドライブ(V)]

    Windowsのドライブです。

〈この項の構成〉

(1) RPCトレースの出力形式

RPCトレースの出力形式を次に示します。

[Recv-Reply]
  server :  SPP41r
  node   :  192.130.56.216
  port   :  2046
  date   :  Sun May 21 14:41:52 2000      088:369
  <Service information>
      group   : SPP41s
      service : SPP41s
      status  : Unchained                   xid  : 89010000
  <Send source>
      node    : 192.130.56.215              family :  2
      port    : 2367                        tid    :  1
  <Receive destination>
      node    : 192.130.56.216              family :  2
      port    : 2321                        tid    :  0
  <Data>
000000  53657276 69636520 68656174 73763120   serv ice  heat sv1
000010  4e6f2e32 3120636f 6d706c65 74652066   No.2 1 co mple te.f
000020  726f6d20 2c627920 77617920 6f66202c   rom. ,by  way  of,
000030  00000000 00000000 00000000        .... .... .... ....
000040 - 003f0 :   SAME DATA
    :            :     :      :    :
    :            :     :      :    :
[ ]

RPCトレースの種別が表示されます。

  • Send   …RPCでサービスを要求したことを示します。

  • Receive  …RPCのサービス要求を受信したことを示します。

  • Send-Reply …要求したサービスの応答を送信したことを示します。

  • Recv-Reply …要求したサービスの応答を受信したことを示します。

  • Send-Error …サービス要求がエラーである応答を送信したことを示します。

  • Recv-Error …サービス要求がエラーである応答を受信したことを示します。

no<n>

RPCトレースの通番(10進数)が表示されます。

nest-level<n>

RPCのネスト(10進数)。最初にサービスを要求したユーザサーバには,1が表示されます。

server

ユーザサーバ名が表示されます。

node

RPCのサービスを要求したノードおよびサービスを要求されたノードのポート番号(IPアドレス)が表示されます。

port

RPCトレースを取得する対象のBSDソケットのポート番号が表示されます。

date

トレースを取得した日時が,「WW MM DD hh:mm:ss YYYY」の形式で表示されます。

(WW…曜日,MM…月,DD…日,hh…時,mm…分,ss…秒,YYYY…西暦の年)

nid

TP1/LiNKのノード識別子(4文字)が表示されます。

pid

RPCトレースを取得する対象のプロセスID(10進数で左詰め)が表示されます。

<Service information>の内容
group

サービスグループ名が表示されます(最大31文字)。

service

サービス名が表示されます(最大31文字)。

status

連鎖RPCかどうかが表示されます。

  • Chained:連鎖RPCのサービス要求を示します。

  • Unchained:連鎖RPCでないサービス要求を示します。

xid

グローバルトランザクション識別子の一連番号(16進数で右詰め)が表示されます。

<Send source>,<Receive destination>の内容

Send sourceはサーバの場合のクライアントに関する情報を,Receive destinationはクライアントの場合のサーバに関する情報を示します。

  • node:通信相手のノードのポート番号(IPアドレス)。

  • port:通信相手のBSDソケットのポート番号(10進数で左詰め)。

  • family:ネットワークの種類。

  • tid:通信相手のプロセスのスレッドID(10進数で左詰め)。

<Data>の内容

次に示す形式で表示されます。

[図データ]

  1. RPCデータのロケーション

  2. 1行当たり最大16バイトのデータ本体(16進数)

  3. データをASCIIコードに変換した表示(16文字以内)

    変換した結果,印字できない文字は,ピリオド"."で表示されます。

(2) UAPトレースの出力形式

UAPトレースの出力形式を次に示します。

[図データ]

(凡例)
  1. UAPトレースのヘッダ

  2. UAPトレースのデータ

    TP1/LiNKのUAPトレースとして,ユーザサーバからTP1/LiNKのライブラリ関数を呼び出した履歴が表示されます。

サービスグループ名

ユーザサーバに該当するサービスグループ名が表示されます。

プロセスID

UAPトレースを取得したプロセスのプロセスIDが表示されます。

サービス名

SPPの場合は,プロセスで実行したサービス名が表示されます。

SUPの場合は,'*'が表示されます。

関数

ユーザサーバから呼び出した関数名が表示されます。

オプションフラグ

関数に設定した引数が表示されます。

リターンコード

関数の実行結果が表示されます。

取得日時

取得日時が「YY/MM/DD hh:mm:ss」の形式で表示されます。

(YY…西暦年の下2けた,MM…月,DD…日,hh…時,mm…分,ss…秒)