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OpenTP1 Version 7 分散アプリケーションサーバ TP1/LiNK 使用の手引


5.6.2 時刻変更に関する注意

TP1/LiNKではステータスファイルなどに日付や時間の情報を格納しています。TP1/LiNKの再開始時などにその情報を使用します。また,トレースファイルなど,各種作業ファイルにも日付や時刻の情報を持ち,さまざまなチェック処理でその情報を使用しています。そのため,TP1/LiNKの開始中,オンライン中,または停止中に時刻を変更した場合,問題が発生します。

〈この項の構成〉

(1) 時刻を進める場合

TP1/LiNKのデーモンが一定期間動作しない場合は,TP1/LiNKの内部のチェックによってタイムアウトになり,システムがダウンします。そのため,システムの時刻を進めた場合,タイムアウトが発生したと不当に判断してシステムがダウンすることがあります。TP1/LiNKの開始中,オンライン中,または停止中に,秒単位またはそれより大きな単位で時刻を進めないでください。何らかのテストで時刻を進める必要がある場合は,TP1/LiNKを停止させたあとに時刻を変更してください。

(2) 時刻を遅らせる場合

時刻を遅らせた場合,再開始の失敗,トランザクション回復不正,不当なシステムウェイトなどの問題が発生するおそれがあり,動作を保証できません。そのため,TP1/LiNKの開始中,オンライン中,または停止中に強制的に時刻を遅らせないでください。時刻を遅らせると,システムの時刻よりも時刻が進んだ状態のファイルがTP1/LiNKシステム内に残り,ラップアラウンド運用のトレースファイルの切り替えに失敗する場合があります。何らかのテストで時刻を遅らせる必要がある場合は,いったんTP1/LiNKを削除したあとに時刻を変更してください。時刻変更後,TP1/LiNKの再インストールやリソースマネジャの再接続などで,システムの再構築をしてください。