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OpenTP1 Version 7 分散トランザクション処理機能 OpenTP1 テスタ・UAPトレース使用の手引


3.1.4 ユーザサービス定義

OpenTP1のユーザサービス定義(定義ファイル名:$DCCONFPATH/ユーザサーバ名)に,次の定義を追加して定義します。

〈この項の構成〉

(1) 形式

(a) set形式

〔set test_mode=target|usable|dmyspp|simmhp|no〕
〔set test_transaction_commit=Y|N〕
〔set test_adm_call_command=do|skip|file〕
〔set test_xatmi_send_file=Y|N〕
〔set test_debugger="{dbx|cbltd|cblcv}〔コマンド引数〕"〕
〔set test_data_trace=Y|N

(b) コマンド形式

なし。

(c) putenv形式

〔putenv DCUTOTRCACCL 0|1〕

(d) dcputenv形式

〔dcputenv DCUTOTRCACCL 0|1〕

(2) 機能

OpenTP1のユーザサービス定義に,サービスグループごとに追加して定義することで,ユーザサーバでオンラインテスタを実行できます。

(3) 説明

(a) set形式のオペランド

  • test_mode=target|usable|dmyspp|simmhp|no  〜《no》

    オンラインテスタの起動時に,UAPがオンラインテスタの機能の対象かどうかを指定します。

    targetテスト専用UAP

    テスト専用のUAPとして,資源更新処理無効化機能やUAPトレース情報取得機能など,オンラインテスタの全機能の対象とする場合に指定します。

    このUAPからテスト対象外のUAPには,サービス要求できません。また,テスト対象外のUAPからこのUAPにも,サービス要求できません。

    usable使用可能UAP

    テスト対象のUAPからサービス要求するSPPの場合に指定します。

    このUAPは,テスト対象のUAPからサービス要求された場合はテストモードで動作し,資源更新処理無効化機能などの機能が使用できます。

    テスト対象外のUAPからサービス要求された場合は非テストモードで動作し,オンラインテスタの機能は使用できません。

    dmysppダミーSPP

    オンラインテスタのサーバUAPシミュレート機能を使用して,実際には起動しないSPPをシミュレートする場合に指定します。

    simmhpシミュレートMHP

    オンラインテスタのMCFシミュレート機能で,MCFシミュレート関数とリンケージしたMHPに対して指定します。

    noテスト対象外UAP

    テスト対象外のUAPの場合に指定します。テスト対象のUAPからこの指定をしたUAPには,サービス要求はできません。

    このオペランドでの指定とUAPで使用できるオンラインテスタの機能との関係,およびサービス要求元のUAPとサービス要求先のUAPの関係を,それぞれ以降の表に示します。

    表3‒1 test_modeオペランドの指定による機能の使用可否

    使用できる機能

    target

    usable

    dmyspp

    simmhp

    no

    クライアントUAPシミュレート機能

    ×

    サーバUAPシミュレート機能

    ×

    MCFシミュレート機能

    ×

    資源更新処理無効化機能

    ×

    運用コマンドシミュレート機能

    ×

    UAPトレース情報取得機能

    ×

    デバッガ連動機能

    ×

    ×

    (凡例)

    ○:使用できます。

    ×:使用できません。

    −:対象外です。

    △:関数の種類によって次のように変わります。

    ・メイン関数

     使用できません。

    ・サービス関数

     クライアントUAPシミュレート機能を使用してサービス要求される場合は,使用できます。

     それ以外の場合は,サービス要求元のUAP(サービスが複数UAPにわたっている場合は,最初にサービス要求したUAP)の使用可否に従います。

    注※

    オンラインテスタの提供するMCFシミュレート関数とリンケージする必要があります。

    表3‒2 サービス要求元のUAPとサービス要求先のUAPの関係

    サービス要求元

    サービス要求先

    target

    usable

    dmyspp

    simmhp

    no

    target

    ×

    usable

    テストモード

    ×

    非テストモード

    ×

    ×

    dmyspp

    simmhp

    ×

    no

    ×

    ×

    (凡例)

    ○:サービスを要求できます。

    ×:サービスを要求できません。

    −:対象外です。

  • test_transaction_commit=Y|N  〜《N》

    このUAPで発生した,テストモードで動作するトランザクションを,同期点でコミットするかロールバックするかを指定します。

    Y:コミットします。

    N:ロールバックします。

  • test_adm_call_command=do|skip|file  〜《do》

    このUAPで発行したdc_adm_call_command関数で,運用コマンドの実行をシミュレートするかどうかを指定します。

    do:実行します。

    skip:実行しないで,仮定値を実行結果として使用します。

    この指定は,test_modeオペランドの値にtargetかsimmhpを指定した場合,またはusableを指定してテストモードで動作している場合だけ有効です。

    file:実行しないで,運用コマンド結果データファイル内のデータを実行結果として使用します。

    この指定は,test_modeオペランドの値にtargetかsimmhpを指定した場合,またはusableを指定してテストモードで動作している場合だけ有効です。

  • test_xatmi_send_file=Y|N  〜《N》

    XATMIインタフェースで会話型のサービスを要求する場合,サーバUAPシミュレート機能でシミュレート対象に指定したUAPに対して送信されたデータを,XATMI送信データファイルに出力するかどうかを指定します。

    Y:ファイルに出力します。

    N:ファイルに出力しません。

    なお,UAPをシミュレート対象(test_modeオペランドでdmysppを指定)としていない場合は,この指定は無視されます。

  • test_debugger="{dbx|cbltd|cblcv} 〔 コマンド引数 〕"

    デバッガと連動させてUAPを起動させる場合,連動するデバッガコマンド名称と,そのデバッガコマンドに対するコマンド引数を指定します。

    この定義を指定したUAPをutodebugコマンドで起動すると,指定したデバッガと連動して起動します。この定義を指定したUAPに対して誤ってdcsvstartコマンド,またはdcstartコマンドで起動すると,コマンドがエラーになり,エラーメッセージが出力されます。

    utodebugコマンドで起動したUAPは,utodebugコマンドを実行したウィンドウ以外のウィンドウから,utodbgstopコマンドを実行して終了させてください。

    utodbgstop以外のコマンドで終了させた場合,OpenTP1システムとオンラインテスタの間で管理しているUAPの状態がすれ違う場合があります。また,実行したコマンドはデバッガの終了待ち状態になります。

    デバッガと連動して起動したUAPプロセスは,再度起動できません。そのため,デバッガと連動したUAPプロセスが終了したあとにUAPを再度実行する場合は,いったんデバッガを停止させてutodebugコマンドを再度実行する必要があります。

    この定義を指定したUAPは,該当するUAPのユーザサービス定義で指定したparallel_countオペランドの値に関係なく,一つのプロセスで起動します。

    また,デバッガと連動して起動したUAPに対する閉塞,および閉塞解除は要求できません。

  • test_data_trace=Y|N  〜《N》

    このUAPで発行した関数のすべての入出力データを,トレース情報として取得するかどうかを指定します。全入出力データをトレース情報として取得できる関数については,「2.8.1 UAPトレース情報の取得」を参照してください。

    Y:全入出力データをUAPトレース情報として取得します。

    この指定は,テスタサービス定義のmax_trace_file_sizeオペランドに1以上の値を指定して,UAPがテスト対象として動作する場合に有効となります。

    N:入出力データの一部をUAPトレース情報として取得します。

    この指定は,テスタサービス定義のmax_trace_file_sizeオペランドに1以上の値を指定して,UAPがテスト対象として動作する場合に有効となります。

(b) コマンド形式

なし。

(c) putenv形式のオペランド

  • DCUTOTRCACCL 0|1

    大きなデータに対して全入出力データトレースを取得する際,従来どおりの取得方式とするか,取得時間を短縮させる取得方式とするかを指定します。送受信メッセージや入出力データの大きさが数MBに達するような場合は,このputenv形式定義に1を指定することを推奨します。

    0:従来どおりの方法で全入出力データトレースを取得します。

    1:短縮方式で全入出力データトレースを取得します。

    このオペランドが未指定の場合,または不当な値が指定された場合は,0が指定されたものとします。

    ユーザサービス定義のtest_data_traceオペランドにYが指定されていない場合は,指定内容を無効とします。

    このオペランドは,ユーザサービスデフォルト定義にも指定できます。

(d) dcputenv形式のオペランド

  • DCUTOTRCACCL 0|1

    大きなデータに対して全入出力データトレースを取得する際,従来どおりの取得方式とするか,取得時間を短縮させる取得方式とするかを指定します。送受信メッセージや入出力データの大きさが数MBに達するような場合は,このdcputenv形式定義に1を指定することを推奨します

    0:従来どおりの方法で全入出力データトレースを取得します。

    1:短縮方式で全入出力データトレースを取得します。

    このオペランドが未指定の場合,または不当な値が指定された場合は,0が指定されたものとします。

    ユーザサービス定義のtest_data_traceオペランドにYが指定されていない場合は,指定内容を無効とします。

    このオペランドは,ユーザサービスデフォルト定義にも指定できます。

(4) 注意事項